縦から横から 切り取る盤面! 稼いでいくアド 君のプランで!『リスボア☆マーケット』のご紹介。
みなさんキャッチーですか。ぬんです。
つってね! 突然ごめんなさいね! ちょっと前通りますよ!
私、ぬん(Twitter:@be_catchy)と申す者でして!
翻訳・編集・ルールライト・紹介記事作成等、ボードゲームに関するあれやこれやをお仕事にしています。
現在、ふるりん本舗さんよりご依頼をいただきまして、「ふるりん本舗さんの既発タイトル5作について紹介記事を書いていこうプロジェクト2022春」という企画モノ(?)を連載(?)中です。
経緯については、『ヒポクラテス』を紹介した第1弾記事を参照してくれよな!
古代の医療はめっちゃ意地悪! 君も死んだ目に絶対になる! 『ヒポクラテス』のご紹介。
第2弾では『フォーセール オートラマ』、第3弾では『ストロガノフ』について書きました。
競りの楽しさ1.5倍!もはや死角は一点もない! 『フォーセール オートラマ』のご紹介。
旅路のできごと語れるぜまだ! シベリアの風にはためく毛皮!『ストロガノフ』のご紹介。
本日はその第4弾!
2021年5月にリリースされた『リスボア☆マーケット 日本語版』について、
・ざっくりどんなゲームなのか
・ざっくりどんなところが面白いのか
について書いていきたいと思います。
よろしくお付き合いください。
リスボア☆マーケット/Mercado de Lisboa
Vital Lacerda, Julián Pombo作
1~4人用/14歳以上/30~45分
みなさんは、『リスボア/Lisboa』というゲームをご存知でしょうか。
超ヘビー級ゲームを複数手掛ける人気デザイナー、ラセルダ氏による2017年作品。
私も一度遊ばせてもらいましたが、複雑怪奇なその全容から、「ラセルダ普段何考えて暮らしてるんだ」という感想を抱いたのを覚えています。
それでも、試行錯誤の中でなんとなくサイクルの組み方を見極めて、いよいよ上手く回せたときはなるほど気持ちいい。
そんな感じの4時間超級ゲーム。
そんな『リスボア』から商店の建築という1要素のみを切り出し、中量級ゲームとして整えたのがこの『リスボア☆マーケット』です。
「えースピンオフ作品ってこと? 『リスボア』遊んだことないけど楽しめるかな……」というそこのあなたも安心してください。
『リスボア』を既プレイの状態で上記の話を聞いた私も「『リスボア』にそんな要素ありましたっけ???」ってなりましたし、遊んだときに撮った写真を見返してみたら「本当だあるじゃん……」ってなりましたし、そんな状態からでも『リスボア☆マーケット』は独立したゲームとして充分楽しめました。
先行知識なんか不要!
ちょうど世間は春爛漫!
大学の新入生オリエンテーションに出かけるかのようなフレッシュな気持ちで、『リスボア☆マーケット』のゲーム内容、いっしょに紐解いていきましょう。
ゲームの目的は、市場で売店やレストランを経営しお金を稼ぐこと!
ゲーム終了時、最も多くのお金を持っているプレイヤーが勝者となります。
ここが市場ね。
メインボード。
5×5のマスに、皆入り混じって売店やレストランを並べていくことになります。
「市場ってなんか競りとかやるとこじゃないの? 小綺麗な倉庫の中でやってる飲食店街みたいな感じじゃん」という印象ですが、数年前にハンガリーに行ったときに立ち寄った市場が、なるほど近い雰囲気だったのを思い出していました。
リスボアはポルトガルですが、ヨーロッパ付近ではよく見られる風景なのかも知れません。
これ全然関係なかったら恥ずかしいな。
各プレイヤーの手元には、自分の色の売店駒が複数と1金、そしてランダムな売店タイルが3枚。
売店タイルには魚屋、花屋、トマト屋、肉屋、ぶどう屋の5種類があるようですね。
トマト屋とぶどう屋だけなんでニッチなんだ。
さて、自分の手番が来たら、以下のいずれか1つを実行しましょう。
①売店を開く
②レストランを開く
③顧客を呼び込む
④1コインを取る
①売店を開く
手元にある3枚の売店タイルから1枚を選んで、市場内の空きマスに配置。
「自分が開いた売店だよー」ってことを示すために、売店駒もいっしょに置いておきましょう。
で、場の売店タイルから1枚を選んで手元へ補充。
売店を建てると、状況に応じて失うものと得るものがあるぞ!
失うもの! 金!
建てた縦列か横列のうち、売店タイルがたくさんある方を参照し、そのタイル1枚につき1金を払いましょう。
今建てたタイル自身も数えるので、最低1金はかかっちゃうとのこと。
新規参入者に厳しい市場……
得るもの! レストランタイル!
ゲーム開始時、裏向きのレストランタイルが市場のあちこちにあります。
裏向きのレストランタイルがあるマスも、空きマスとみなすんだね。
てことで、この上に売店を建てると、そのレストランタイルがゲットできちゃうという寸法。
このタイル、どうやって使うかと言えば……
②レストランを開く
市場内の空きマスに置いちゃいましょう。
何故か即座に1金がもらえます。
空いているマスならどこに置いてもいいんですが、レストランタイルには隣接する特定の売店(自分のものでも他人のものでも)の売上をブーストする力がありますので、それを考慮しましょう。
バーガーショップは肉屋をブーストとかね!
ワインバーはぶどう屋をブーストとかね!
これはアレでしょうか、売店で買ったものをレストランに持ち込んで調理してもらうシステムでしょうか。
それとも、バーガーショップの前を通ると「お肉というものの良さ」が思い出されて、つい肉屋に足が向かう、みたいな感じなんでしょうか。
言うてバーガーショップの前を通って思い出すのは、「バーガーというものの良さ」だけな気がしますけれども。
わたし、気になります。
③顧客を呼び込む
いよいよお金を得ようぜというお話です。
メインボードには、表向きの顧客タイルが12枚見えています。
顧客タイルにはお客さんの人数と、買いたい商品が1~2種類示されていますね。
なんでお客さんアイコン生首にしたんだろう……
顧客タイル1枚を選んで、市場の任意の空いている入り口、つまり縦列ないし横列の端に置きます。
お客さんたちは、その列にオープンしている売店だけを見て回るんだね。
そんなことある???とツッコミたくなりますが、買いたい物が決まっているならは、広い市場内をあまりウロウロする意味もないのかも知れません。私なら絶対ザッと全体見て回りますけれども。
さて、入り口に顧客タイルを置くためには、いくつかの条件があります。
・描かれている人数以上の売店がその列にあること
・その列にある自分の売店のうち1個以上が、買いたい商品1個以上と一致していること
お客さんたちはまっすぐにその列を見て回り、好みの商品が置いてあるすべての売店にお金を落とします。
消費者目線だと気に入ったお店1ヶ所で買ったほうが良い気もしますが、ボードゲームを色んなショップさんで買ってる私にどうこう言える筋合いはなかった。
落とす金額は、お客さんの人数×1金。
さらに、隣接している対応するレストラン1軒につき、人数×1金をもう一度支払ってくれます。
例えば、市場にやってきた2人のお客さん。
ただのお肉屋さんには2金しか払いませんが、バーガーショップ2つが隣接したお肉屋さんには6金を払うんだね。
すごいなバーガーショップ。
お金はもちろん売店の持ち主の元へ。
自分の手番外でも、他プレイヤーが置いてくれたお客さんによって、自分に収入がもたらされる場合があるっちゅうこっちゃね。
場の顧客タイルは、常に1~4人のものが3枚ずつになるよう補充されます。
で、ここからが大切なのですが、一度市場に入ったお客さん、その縦列ないし横列にめっちゃ長く滞在するんですよ。
その列に新たな売店タイルが置かれると、先程と同じ条件で即座にお金を支払ってくれます。どんな客やねん。
テクニカルなプレイングとして、売店タイルを置くためのお金がたりなくても、既にその列にいるお客さんからの収入が見込める場合、その見込み収入を開店のための支払いにあてることができます。どんな経営者やねん。
各マスに対応した入り口は上下左右の4ヶ所ありますから、上手くやれば1軒の売店ですごい金額のお金が手に入ることになります。
上手くやりましょう。
④1コインを取る
いわゆるしゃがみのアクションですね。
1金を得てターンエンドです。
1アクションをやったら手番終了!
これを時計回りにぐるぐる繰り返す!
市場の空きマスが残り4マスになるか、顧客タイルを置ける入り口が残り4つになるとゲーム終了がトリガー。
最後の手番を1回ずつ行ったあと、手元に残ったレストランタイル1枚につき1金を失って、最も多くのお金を持つプレイヤーの勝利です!
いや~~どうですか『リスボア☆マーケット』!
売店を置く! レストランを置きたきゃ置く! お客さんを呼んでお金儲け!
めちゃくちゃシンプルね。
しかーし! 事はそう簡単には運ばない!
その奥に潜む真の魅力を解き明かすべく、『リスボア☆マーケット』のキャッチーポイント、2点ご紹介だ。
キャッチーポイントその①!
運要素はごくわずか! バチバチ激しいにらみ合い!
『リスボア☆マーケット』は、盤面上に自分の売店をばら撒き、それを顧客タイルによって縦から横から切り取ることでお金を稼いでいくゲームです。
ところが、駒の置き場も顧客タイルの置き場も早い者勝ち。
さらに、レストランや顧客タイルの配置は、自分以外のプレイヤーにも利を与える可能性が強くあります。
そして運要素は、場への顧客タイルと売店タイルの補充だけ。
こんなんもう……アブじゃん! ※
総じてバチバチ激しいにらみ合いが展開され、「ここにレストランを置いて、あそこに顧客を置けば大儲けや!」と大きな手を打とうとすれば、妨害するなり相乗りするなりの手が四方八方から飛んでくるのよ。
謎テイストのアートワークからは想像できないえげつなさです。(なんてことを言うんだ)
これはもう好きな人はすごく好きなやつ。
「なんか緩そうなゲームねえ」という印象をお持ちだった方は、是非遊んで裏切られてみていただきたいです。
3人プレイあたりが妙味を感じられてオススメ。
キャッチーポイントその②!
序盤の「あれ?お金なくない?」感からのステップアップの楽しさ!
ゲーム開始時、各プレイヤーは1金を持っています。
で、まあ最初、売店タイルを置いてみるじゃないですか。
すると、その縦列&横列に他に売店がなかったとしても、1金かかっちゃう。
所持金なくなったんですが…
売店を建てたことにより、レストランタイルをゲットできることもあるでしょう。
じゃあ次の手番はこれを置いてみようかなつって。
1金ゲットね。
さらにその次の手番。もう1個売店建ててみたりなんかして。
また所持金なくなったんですが…
ところが、顧客タイルを置くことで一気にお話が進むんですね。
得た2~3金を足がかりに、自分にとって都合のいい縦列・横列を作っていき…
さらにそこを顧客で切り取って…
という、売店ばら撒き→顧客の配置のステップアップ感が、なるほどシステマティックで楽しいです。
で、シャクシャクやろうとしてると他プレイヤーに邪魔されるんだよな!
うーん……アブじゃん!
あとは補足情報ね!
ソロプレイもあるよ!
キャンペーンっぽく9つのチャレンジを熟し、名声点を重ねていくというもの。
「カップルだらけ」「ラストオーダー」「はしご酒」と、気になるチャレンジ名が並びます。その全容は製品版にて!
タイトルの「☆」!
つのだ☆ひろ的なね! ザ☆ピース!的なね! ゴー☆ジャス的なね!
原題は『Mecado de Lisboa』。
実はタイトルに「☆」が付いているのは日本語版のみ。
ここにツッコまないでどこにツッコむんだって話です。
箱絵の3つの看板にタイトルを置こうと思ったときに、原語版だと「Mercado」と「de」と「Lisboa」でしっくり来るわけですが、日本語だと「リスボア」と「マーケット」しかないもんだから微妙になっちゃう。
ので、間に「☆」置いちゃいました、的な話だと私はにらんでいるぞ!
どうなんだ! ふるりん本舗!
じゃあ「・」(中黒)でも良いのでは、ってなるんだけど、
・お金に☆が描いてある
・このゲームはお金を集めるゲームである→タイトルでゲームの目標を象徴できる
・賛否あるだろうけど少なくとも話題にはなる
あたりを狙って「☆」にしたと私はにらんでいるぞ!
どうなんだ! ふるりん本舗!
ふるりん本舗さんに一切の問い合わせをしないまま、好き勝手書きました。
この紹介記事シリーズ、全体的にかなり自由に書かせていただいてるのですが、あまり調子に乗りすぎるとそのうちふるりん本舗さんの逆鱗に触れて、私が夜空の☆になってしまうかも知れません。
そんな『リスボア☆マーケット』、ふるりん本舗さんより日本語版が好評発売中だ!
https://fruhling.stores.jp/items/608c3920df62a94c9ba6f5f9
税込5,280円! 端数の80円は「☆」代らしいです(嘘つけ)
というわけで、縦から横から市場ウォッチング『リスボア☆マーケット』、ご紹介させていただきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
「ふるりん本舗さんの既発タイトル5作について紹介記事を書いていこうプロジェクト2022春」は次回でいよいよ最終回!
ご期待ください!
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*当ポストはふるりん本舗からの依頼により有償で作成されたPR記事です。
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