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#241 [視覚芸術] 生涯を通じて女性の権利向上に貢献したアメリカ人画家

第35週 第2日(水)視覚芸術「メアリー・カサット」

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。

今日は視覚芸術「メアリー・カサット」です。

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本の要約

■メアリー・カサット(1844~1926)
フランスの印象派展に作品を出したアメリカ人画家で、女性と子供を描いた作品と、アメリカの一般大衆に印象を紹介したことで、特によく知られている。

現在はピッツバーグ市の一部であるアレゲーニーで裕福な家庭に生まれたカサットは、子供時代の数年をドイツで過ごした。16歳のとき、フィラデルフィアのペンシルヴェニア美術アカデミーで絵の勉強を始めた。1866年にはヨーロッパに渡り、以後、終世その地にとどまった。

1878年まで、彼女はもっぱら女性を専門に描いた。その多くはパリの室内を背景にした絵で、そうした作品をアメリカで発表したほか、フランスでも、1870年、1872年~1876年までのサロンに出品した。1879年に、ドガに招かれて印象派に加わってから、1886年の最後の印象派展まで、作品を出品し続けた。日本の浮世絵に触発されて、1890年代には、18枚の多色刷り連作版画を制作した。

カサットは、その生涯を通じて女性の権利工場に貢献した。1892年、翌年に開かれるシカゴ万国博覧会の女性館のため、近代の女性を描いた壁画を制作した。

印象派がアメリカに受け入れられるのにも一役買っている。裕福な講演者に、画家仲間の作品を買ってくれるよう説得し、購入作品を選ぶ際は助言した。印象派の巨匠たちの作品は、現在ニューヨーク市のメトロポリタン美術館に展示されている。

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「青い肘掛け椅子の上の少女」(1878年)

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白いドレスにタータンチェックの靴下とサッシュを身につけた少女は、ドガの友人の娘。退屈を持て余して落ち着かない様子の少女と、隣の椅子で静かに眠るカサットの愛犬の対比を見事な洞察力で捉えている。

のちにエドガー・ドガがこの作品に手を加えている。

「湯浴み」

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1893年にパリで開催された画家の個展で展示された作品のひとつである本作に描かれるのは、カサットの典型的な画題である≪母と子≫を用いた沐浴の情景である。

日本の浮世絵に触発されたカサットは、東洋美術の抽象的な線描に西洋絵画のテーマを組み合わせる彼女の才能がよく表れている。

印象派の人たちの中では日本の浮世絵に影響を受けた人は少なくない。世界の巨匠が認めた浮世絵について、日本人としてもっと知っておくべきかも。


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