FromToシード期の資金調達にあたって、COOの目線から
このたび、FromToではシード期の資金調達を実施致しました。
2022年6月末に「47pass」のローンチを控えつつ、より早くより力強い成長を今後も続けて参ります。
折角の機会ですので、資金調達にあたって感じたことを僕の目線で書こうと思います。
なお代表宮城視点の記事もありますので、お目通し頂けたらと思います。
■シード期の資金調達のポイント
資金調達にあたり、複数社のVCへ宮城と共にプレゼンを繰り返して見えてくるものがありましたので、
今後の誰かの参考になるかもと思い、備忘として書いておきます。
シンプルなのですが、それゆえある種の”交渉としての逃げ場もない”のではと思います。
・「創業者そのひと」が最も重要なファクター
正直この点が投資の7~8割を決めるのではないでしょうか。
「なぜ当該事業をやるのか」「なぜ起業するのか」「経歴」「熱量」「やりきる力」などなど…。
それらを投資家サイドが重要視する背景については、まだ憶測の域は出ていないのですが、いつかは知りたいなと個人的には考えています。
各VCでの面談についても、かなりこれらの点に関する質疑に時間が充てられました。
またそれらを踏まえて、我々としても「なぜやるのか」「なぜ宮城がこの事業をやる心持ちになったのか」といった点は、かなりボリュームを割いてご説明するように心がけていました。
読者の方々にも宮城当人に是非会って頂きたいのですが、この点に関して疑問符の余地がないほど、きちんと伝わったのではないかなと思います。
・事業に真摯に向き合っているのか
シード期ということもあり、事業のピボットは十二分に起こりえるものです。
取り組む事業については、「ターゲットのインサイト」「当該領域のプレイヤーの”生声”」「課題の大きさと解像度」「解決する手段の確からしさ」などに対して、
”真摯に事業に向き合っているのか”が重要なのだと思われます。
そしてそれが”必ずしも正しい(=正確性が高い)必要はない”のでは、と感じています。
少し別の例でいうと、親に対して声優を志す子供が声優養成所のお金を出して欲しいという場合としてみます。(僕自身、どちらの立場でもそんな経験はないんですが…)
※親=投資家、子供=資金調達を望むベンチャー企業、としてお考えください
親は子供に対して、以下のような疑念があるかと思います。
親としては、子供が幸せになって欲しい、という気持ちが大前提でありながら、その手段として声優の養成所に行くことが果たして最適解なのだろうかと考えます。また、親自身の経験則からして、子供の社会的視野の狭さも気になるポイントです(幅広い選択肢があるもののそれら全てを吟味したのか)。
ここで、子供当人からの返答がなかなかに練られた内容だったとしたらどうでしょうか。(以下はあくまで例で、事実とは無関係です)
親の立場からすると、本当に実現できるか、そして子供が話す情報は本当に正しいのかは分からない。しかし、当人が真摯に自分の将来を見据えながら、具体的なイメージを持てるよう真摯に考えていることは間違いなく伝わるはずです。
そして、そこまで言うのなら、、、と子供に委ねる気持ちへと傾いていくのではないでしょうか。
万が一、返答通りに今後が進まなかったとしても、声優になるという夢を叶えるための自助努力をしていくような覚悟が透けて見えると思います。
投資の話に戻りますと、大きなゴールや目標を伝えるなかで、それが正しい/正しくないは二の次で、今後の方針や動き方のアウトラインを考えることに真摯に向き合っているのか、が重要なのだろうと自分で解釈しています。
そして投資家としても、その真摯さ自体に可能性を見出して頂いているのではないでしょうか。
少なくとも事業立ち上げ中もしくは立ち上げ間もないシード期においては、スタートアップやベンチャー企業は夢追う子供同然です。
FromToにあたっても、自分たちを真摯と表現するには憚られますが、日々正面から事業に向き合っているという自負を持っています。
■資金使途として
まずは開発と営業開発に積極的に投下していきます。
正直なところ、「47pass」の理想的な機能に対し、現状はまだまだ遠いというところです。
エンジニアチームも日々非常に尽力頂いていますが、我々のリクエストなども多いこともあり、稼働人員が足りておりません。
また、これまでは自治体やユーザーとの接点について、宮城や僕が多くもってきましたが、
よりこれらのリードをとっていくため営業開発をどんどん活性化させていきたいです。
今回投資家の方に、「バーンレートをコントロールしながらきちんと実のあるマネタイズをしていきたい」と漏らしたところ、「そんなの気にせず金はジャブジャブ使え!そのための資金調達だ!足りなくなればまたお金を入れる!」と大変心強いお言葉を頂きました。(かなり原文ママ)
あまりにも大ナタを振るうような表現だったので、個人的には少し笑いを感じたのですが、大真面目に受け止めた言葉です。
以前書いたエントリーのように、「企業が存続すること自体が尊い」と考えている自分にとっては、
改めてスタートアップで働く意味、そしてスタートアップというリスクに投資家がお金を出してくれる意味、ということを改めて自覚する機会となりました。
スタートアップへの資金は、投資手段としては究極的なリスクマネーの1種です。
安定運用をするなら国債など別の投資手段を取ればいいわけです。
僕たちはリスクを跳ね飛ばすような大きなリターンや社会インパクトを目指すべきです。
スタートアップに身を寄せるということは、こういった意図もくみ取りながら、”飛ばし過ぎ”なくらいがちょうどよいのかもしれません。
(無論法定速度は守りながら。その点の上手い舵取りやバランス感覚も必要なのかもしれませんね)
ということで、今回の資金調達は、リターンの見込みが高いところにジャブジャブ使います!
■「資金調達ニュース」への個人的な目線の変化
最後に、知人のSNSの投稿などで「資金調達をしました」ということに対する僕自身の目線の変化を書いておきます。
当事者になることと外野から見ることでの違いについて、身をもって実感しています。
・10年前:駆け出し社会人の頃
資金調達って何でするんだっけ? 株でも借入でも、いずれであっても周囲からゴタゴタ言われるのは嫌じゃないか?
・7年前:会社員やめそうな頃
ベンチャーの資金調達ってド派手な金額が動いているな。みんなこれを使ってどんなアクションをするんだろうか?
・3年前:自分で事業をやっている頃
資金調達をするということは、社内外を問わずビジョンや思いに共感する仲間がいて、それを評価されているということ。成し遂げたいことに向け、周囲を巻き込んでいくこと自体が尊いことだ。
・今回:
もっと世の中に自分たちを知ってもらうために、何がなんでも露出を増やしたい!!!!!!!
■(告知)もうひとつ記事を用意しています
実は上記だけではなく、追って弊社のインターン生が代表宮城と僕にインタビューした記事を用意してくれています!
より具体的な話についてはそちらで強く触れられています。
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これからのFromToならびに47passにつき、どうぞご期待ください。
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