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2021年アンビエント,ネオ(/ポスト)クラシカル振り返り
およそ2か月ごとにポストクラシカル/ネオクラシカルを振り返る企画も、ようやく1周年。いろいろありましたが、1年前同様(わたしがよく聴いた)アンビエントも交えて一挙に振り返ります。隔月の投稿にはないものも割とありました。ちゃんと集計してなかった証拠です...
さて、先に総評というか全体の私見を。大御所のリリースが相次いだ上にそのほとんどがホームラン級だった昨年と比すると、おとなしい良作がチラホラ、という感触でした。またネオクラシカルものでも、電子音を押し出す傾向が強まった印象です。
プレイリストはこちら。
1. ネオクラシカル/ポストクラシカル系
1.1 Jacob David-Mursejler
1.2 Eydís Evensen-Bylur
(アイスランドすごい....)
1.3 Dirk Maassen &Hugar -Echoes
1.4 Tom Blankenberg-et
1.5 Clemens Christian Poetzsch- Poetzsch: The Soul of Things
1.6 Theo Alexander- Sunbathing Through A Glass Screen
1.7 高木正勝- Marginalia III
1.8 ダスティン・オハロラン & シッギ弦楽四重奏団-Silfur
1.9 Tamas Szigyarto- Membrany
1.10 Vetle Nærø- State of Mind
1.11 Mikael Lind- Geographies
1.12 ハニャ・ラニ & ドブラヴァ・チョヘル- Inner Symphonies
1.13 midori hirano- Soniscope
1.14 Tim Linghaus- memory sketches II
1.15 Snorri Hallgrimsson- Landbrot II
1.16 Slow Meadow- Upstream Dream
*
ネオクラシカル系は以上16作。1.1,1.3,1.5,1.9,1.10,1.11はシンプルなピアノもの。1.9のTamas Szigyartoはロシア出身の作家、くらいしか情報がなく、しかし才能がイカついひと。上原ひろみのピアノを想起する展開もあり、日本人ウケしそう。アルバムに期待。
1.2はここでも何度かお名前を挙げてきたEydís Evensenの待望のアルバム。同郷のOlafur Arnaldsらよりも、つまり内省的な記憶を見つめ直すというより、雄大な自然と神秘をまとったような曲調が素晴らしい!
1.4のTom Blankenbergはやはり職人気質。極限まで磨いた太刀を、目にもとまらぬ速さで一振り。そういう類のピアノに聴こえる。年末にはPiano Layers, Vol.IIというコンピレーションアルバムでPiscineという曲も発表していて、こちらもカッコいい。気になった方はぜひ。
1.6はTheo Alexander。このひともまた変なピアノを作る。打ち込まれたピアノと生録ピアノがあいまいに融合してます。
1.7の高木正勝は、今年いろいろリリースしてました。おかえりモネのサントラもやりつつ、Marginaliaシリーズも精力的に発表。とにかく質と数が凄い。ほんとうにお疲れ様でした。
1.8のダスティン・オハロランは、この中でほぼ唯一の弦ものネオクラシカル。弦ものは特に少なかったですね。A Winged Victory For The Sullenの片翼でもある彼が作る、空間的なハーモニーが光ります。
1.12はHania Raniの新作。ドラマチックな展開が多く、そのままドラマサントラに付けられそうな完成度。
1.13は今年初めて聴いたmidori hiranoの新作。坂本龍一を継ぐ美麗系ピアノを鳴らしつつ、どこか不気味な質感を伴う独特なピアノです。電子音も山盛りで、ポスト小瀬村晶の筆頭格かも...?
1.14は一押しかつ今年最も聴いたTim Linghaus。memory sketchesシリーズの正当続編で、前作以上に抒情溢れる仕上がりです。CD付属のイラストカードも素敵でした。
1.15は、勝手にOlafur Arnalds2号と呼んでいるSnorri Hallgrimssonの新作。こちらも続編です。
1.16のSlow Meadowはエレクトロ要素が強めな作家です。Adored in Ribbonsがおすすめ。
2. アンビエント系
2.1 A Winged Victory For The Sullen-Invisible Cities
2.2 Rachika Nayar-Our Hands Against the Dusk
2.3 Alaskan Tapes- For Us Alone
2.4 Taylor Deupree-Mur
2.5 Stijn Hüwels & Tomoyoshi Date- A Distant Fire, A Distant Cloud
2.6 Hollie Kenniff- The Quiet Drift
2.7 ・ ・-・ ・- ・・・ ・ -・・/ -・ --- ・・・ - ・ ・--・ --- -・ ・-- ・・ -・ --・
2.8 haruka nakamura-息をひそめて (Original Soundtrack)
2.9 Ed Carlsen- Grains of Gold
2.10 北航平- Mime Sketch
2.11 Grouper- Shade
2.12 Hammock-Elsewhere
2.2は衝撃を受けたエクスペリメンタルアンビエント。ダークなのに哀愁ある音色が不思議。最高。
2.5は表題作にポエトリーリーディング展開があるアンビエント。こちらもめちゃくちゃカッコいい。
2.7。読めません。。ネオクラシカル枠に入れるべきか迷ってこちらに。
2.8はHuluオリジナルドラマ「息をひそめて」のサントラです。haruka nakamuraはほんとうにいい仕事をするなぁ。「明滅する夜明け」が白眉です。
2.12ラストはHammock。Mysterium,Universalis,Silenciaの怪物3部作には、個人的には及ばない印象ですが、とはいえそこはHammock。聴きごたえ充分のギターアンビエントで魅せてくれます。
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なんとかまとまりました。来年も良い音楽に出会えますように。
それでは、よいお年を。