
"エンジニアと人生合同本"執筆の舞台裏
この記事はエンジニアと人生Advent Calendar #1の1日目です。
本業無職(フリーランス)で主にiOSアプリを開発しているかっくんと申します。
先月技術書典があり、エンジニアと人生コミュニティで合同誌を執筆し販売してきました。
20人それぞれの人生を300ページにギュッと凝縮した内容で、聞くところによると500件以上の売り上げがあったようです。
自分たちが書いた本がこんなにたくさんの人に届くというのも胸熱ですね。
技術書典に出展しようという発起人は @entaku さんでしたが、僕も何か役に立てないかと思って執筆基盤周りを提供することにしました。
執筆基盤
今回は経験者も多いRe:VIEWを利用することにしました。
企画が始まったタイミングでリポジトリを作成し、ローカルで本がビルドできるところまで持って行き、GitHub Actionsで本を配布できるようにしました。
最終的なGemfileはこんな感じです。
source 'https://rubygems.org'
gem 'rake'
gem 'review', '5.8.0'
gem 'md2review'
但し、これだけだとうまくいかなかったので、別途TeXをインストールする必要がありました。
それは下記のサイトを参考にして対応しました。
GitHub Actionsで利用するパッケージはこちらを利用させて頂きました。
サンプル記事としての執筆
基盤だけ用意しても使い方が分からなければ執筆は進みません。
そこである程度書いておくことで、Re:VIEWの書き方の雰囲気を掴んでもらおうと思い、リポジトリを作成したその日のうちに書きたかったことの7割ぐらいを書き上げてしまいました。
たまたま、書き始めると筆が進んでしまっただけではあるのですが、後々これが役に立ったと言ってもらえる機会があり、やってよかったなと思った事例でした。
執筆に困っている人のサポート
ここまでのことをしてもうまく進まないという人は一定数出てきます。
なるべくみんなの筆が止まらないようにするためには、早めのサポートが必要です。
せっかく書いてるのにそこで止まって半日が溶けたりしたらもったいないので、Slackチャンネル内で困っている人がいたらなるべく早いレスポンスを意識しました。
これは本業無職だからできたことだなと思います。
本業があったら大抵の時間はそっちが優先のはずだからです。
ただ、今振り返るともう少しうまいやり方もあったな、というのも反省ポイントですね。
一番多かった問い合わせとしては、リポジトリのルールが分からない、書き始め方が分からないというものでした。
これは文章化せずに進み始めてしまったことの弊害でした。(Slackチャンネルでは何度も同じことを書くことになってしまったので、README.mdに書くべきだったなと思いました)
ちなみにルールは特に無く
mainブランチに直接pushして良い
force pushは禁止
書き始めは章番号.reファイルをルートディレクトリに作成し、catalog.ymlに追加する
これを伝えるだけだったのですが、横着してしまったのが反省ポイントです。
Issueの対応
Re:VIEWの初期設定のままだと使い辛い点なども色々出てきました。
今回僕が対応したものは
見出しが長いと、本の上部の見出し部分の文字が被ってしまう
URLのような長い文字列が改行されないことがある
トンボは不要
というものでした。
それぞれ参考にしたサイトを貼っておきます。

また、
Markdown
Notion
などのツールで書き始めたが、Re:VIEWにする方法が分からないという方が出てきたので、md2reviewを追加したりして、雑に変換だけ対応するということもやりました。 こういうことって好きでやってるのでいいんですが、たまに褒められたりすると嬉しいですね。 みんなでもっと褒め合っていけると素敵だな。



他にも課題はたくさんあったのですが、もちろんそれぞれ対応頂いた方々がいました。
Dockerを利用したい
レイアウトの調整
etc…
みんな時間の無い中、色々対応頂きありがとうございました。
まとめ
技術書典に出展するまでの裏側を僕視点で書いてみました。
本を書く機会というのはなかなか無いのですが、自分たちで作り、そこからキャリアに変化が起こる人もいたりするので、やってみて損はない活動だと思っています。
他にもみんなの執筆した内容を見てフィードバックしたりとかも勝手にやったりしたのですが、後半のみんなの怒涛のアウトプットに負けて全てをレビューすることはできませんでした(笑)
反省点
Re:VIEWを執筆環境に選ぶことの難しさも感じたところがありました。
そもそも今回は各自好きなもので書いてからRe:VIEWに変換しようという方針だったのですが、結局Re:VIEWに精通している人の負担が増えてしまうことになってしまいました。
それであれば、なるべくみんなが書き慣れている方法が選択できないかを予め調査すべきだったなと思いました。
今はMarkdownで書けるVivliostyleというツールも気になっており、次回があれば試してみたいなと思っています。
最後に
こんな感じでわいわいしているコミュニティに興味がある人がいましたら、下記のリンクからチェックしてみてください。
明日はyutaさんの記事です。
お楽しみに!