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「アイドルからインディ歌手へ:アンバー・リウの自分探しの旅」 240405 Prestige インタビュー 日本語訳

From Idol to Indie: Amber Liu on Her Self-Discovery Journey
アイドルからインディ歌手へ:アンバー・リウの自分探しの旅
BY: ANDRE NEVELING
PUBLISHED: APR 05, 2024 10:30 AM HKT

元の記事はこちら☟

https://www.prestigeonline.com/hk/people/from-idol-to-indie-amber-liu-on-her-self-discovery-journey/

K-popのセンセーション f(x)のメンバーとしての成功したキャリアの後、アンバー・リウは今、彼女自身のドラムの音、そして言葉に合わせて踊るアーティストとなっている。彼女自身の自分探しの旅路について教えてくれた。

Photography and creative direction KARL LAM
Illustrations TAKU
Styling GENNADY ORESHKIN
Make-up WENDY LEE at Wendy’s Workshop
Hair JEAN TONG
Styling assistant MILOSH BELIKIN
Photography assistants JOHN YAN and GARY CHAN

人によって、アンバー・リウ はファンから幅広く異なるリアクションを引き出す。
例えば、K-pop時代からのファンにとっては、彼女は何百万もの音盤を売った音楽センセーション、f(x)5人のうちの1人の努力家のアイコンである。

また、彼女の近年のファンベースにとっては、ロサンゼルスから東京まで、世界中でパフォーマンスをする国際的なインディースター歌手だ。

そして中国本土では、大流行番組「Sisters Who Make Waves(乘风破浪的姐姐)」「Produce Camp 2021(創造営2021)」出演後は正真正銘のTVタレント、パーソナリティだ。

だが、インターネット上のゲーマーに聞けば、多くの人は彼女をただTwitchの配信者として認知していることも多い。

「オンラインの人々で私のことを(芸能人として)知らない人もいますが、彼らは純粋に私のゲームプレイを見て私とゲームしたいと思ってくれています。」彼女は笑いながら言う。
「何人かはYouTubeで私のMVを通して知ってくれる人もいます。彼らはさまざまな違う方法で、私のことを芸能人として見つけるみたいです。」

31歳の今、リウは単なるゲーマーではない。
彼女はすでにエンターテイメントビジネスの中の堅実な強者なのだ。

さまざまな分野で世界中で有名な彼女は、今日は香港ー私がまさに彼女に会おうと向かったNo More Sad Songs Tourの開催場所にいる。

エネルギッシュなチームのパフォーマー達のように、リウは人としては小柄だが、カリスマの面では偉大だ。

言うなれば、(ゲームに例えると)一日中セットをし、かなり疲れきっていたとしても、最後のフラッシュまでやり続けるチームプレーヤーだ。

そして、エッジのあるトムボーイスタイルと数えきれないタトゥーの存在とは反対に、彼女からは人を簡単に引き付ける柔らかく優しいエネルギーがにじみ出ている。「謙虚」と「現実」という単語は、芸能人を相手にするときに最初に思い浮かぶような言葉ではないが、リウにはまさに当てはまる、そんな人だ。

「疲れてくると、少しよそよそしくなり始めます」と彼女は認める。
「ショーであっても、そしてダウンタイムが少ないときであったとしても、私にはぼーっとする時間が必要で、またそれが好きです。 5分であれ30秒であれ、頭を空っぽにします。 今日の撮影でも、何度かしました!」

彼女は確かにこの街に全くの不慣れではないが、ソロアーティストとしてここでファンに演奏するのは初めてだ。
「香港は私にとって、叔母が住んでいることもあっていつも休暇を送るような場所でした。」
彼女は言う。
「子供ではありましたが、事務所に入るため最初に韓国に引っ越した後、2日ほどの休暇があったらいつでもここ(香港)に来ていました。
叔母はいろんな場所に連れて行ってくれたので、香港の街には幸せな思い出がたくさんあります。」

ロサンゼルスに生まれたリウは誇り高き中華系アメリカ人だが、中国のTVスターとして彼女自身のアジアの遺伝子を受け入れられたのはここ数年のことだ。
特に最近、彼女は「Sisters Who Make Waves(乘风破浪的姐姐)」という自身が2位を記録した中国のバラエティー番組にて、有名人のコンテスト参加者として視聴者を獲得した。

「私の中国標準語はベストな状態ではなかったので、番組に出演したときは脳がドキドキしていました。単語をとって覚えようとしていたので」と彼女は認める。 「今はかなりよくなりました。」

しかし、リウが予想していなかったのは、この経験が彼女を英語をほとんど話さない自分の母親に思いがけずも近づけたことだった。 「自分が成長していく中、彼女が私を愛していることは分かっていましたが、彼女が何を考えているのか、どう感じているのか、そして彼女の考え方がいつも分からなかったのです」とリウは言う。 「出演したすべての番組で中国の標準語を学んだ後、今では家に帰って母と適切な会話ができるようになりました。中国の標準語が約9割です。 今は本当にお母さんが誰なのか分かるようになったし、それは単純にかけがえのないことだと思います。」

韓国でキャリアをスタートさせ、さまざまな分野で成功を収めてきた中華系アメリカ人として、リウがスポットライトを浴びている間にアイデンティティの問題に悩まされたことは驚くことではない。
「私は人生の半分以上をアメリカ国外で過ごしてきたので、自分がどこに属しているのかよく分からない、というアイデンティティの危機に直面することがあります」と、彼女は言います。
「でも同時に、私は自分が属している場所を見つけることにストレスを感じる必要はない、と自分自身を安心させようとしています。私の心はいつも愛する人たちと一緒に家でくつろいでいるような感覚ですし、それが私を後押ししてくれます。」

15年の業界内でのキャリアの後、彼女は未だに「彼女自身の肌で快適にること」を学び続けているとリウは言う。
「私は毎日が1インチ前進する段階にあります」
「過去のことを考えると、過去のことに囚われると憂鬱になりますよね。そして、 将来のことを考えると不安になります。 でも、今この瞬間にいるとき、あなたは目の前の物事にもっと注意を払うことができるようになります。」

しかし、もちろん、それは言う方が行うよりも簡単なことが多い。

「私は過去に囚われている人間いつもだし、将来のことは心配になる人間そのものです」 「日々の修練として、今一番大切なことは、今ここにいること、今ここにいることだと自分に言い聞かせなければならないのです。」

多くのミュージシャンと同様に、リウの自己発見の旅の大部分は彼女の音楽に反映されている。 彼女はかつて、f(x)の一部としての"Hot Summer"や"4 Walls"のようにキャッチーなK-POPビートで知られていたが、リウのソロキャリアは彼女に新しいサウンドを探求し、彼女自身の特徴的な音楽スタイルを作る機会を与えた。 「私が経験しているすべての自己発見のために、最近、他のジャンルで実験し始めています。そして、バンドの要素を音楽に取り入れ始めています」と彼女は説明する。

インディーズアーティストとして、彼女の音楽とサウンドをコントロールすることはリウにとって不可欠です。 「自分が"なぜこのようなことをしているのか"を思い起こさせる音楽を作りたい」と彼女は言う。 「残念ながら、業界にいると、それが"何"であるかを見失うことがありますが、それは誰のせいでもありません。 業界自体に非常に要求が高く、時には魂をも吸い込むこともあります。 なので、私はいつも自分で理由があって音楽に携わっていることを忘れないようにしています。 15年間この業界に携わってきましたが、ここ2年ほどは、本当の意味で解放されたことはありません。」

世界中に何百万人ものファンがいるので、新しいサウンドやプロジェクトの実験は両刃の剣になるかもしれないが、それはリウが自分自身のことをする勇気を見つけることを妨げるものではない。
「ファンを失望させたくはありませんが、同時に、これは私の物語であることを思い起こさせ続けなければなりません。私は彼らの物語を書いているのではありません」 「私は自分自身のために、他の人と共有するために自分自身の物語を書いています。 そして願わくば、それが私が正直な音楽を作る方法です。なぜなら、私は自分の心を袖にかけたいからです。 私はよくファンに”Be Your Self(自分らしくありなさい)”と言うし、私も自分らしくある必要がある。 私は自分が説くことを実践する必要があるんです。」



今、彼女は彼女の目標に集中し続けている。リウは境界を越えることを恐れないし、将来的にはロックジャンルに挑戦するかもしれない。 「プロとしてはポップスやダンスをたくさんやってきましたが、成長過程ではロックファンの方が好きでした」と彼女は告白する。 では、彼女はどれほどロックなのか?
「Paramore, Blink 182, Sum 41, My Chemical Romance, Taking Back Sunday - すべて愛しています」と彼女はためらわずに言う。

成長過程で、彼女の音楽とエッジの効いたロックバンドへの愛が、暗い時代を切り抜ける彼女の姿だった。 「音楽にのめり込んだのは、孤独を感じたからです」と彼女は言う。 「自分が場違いだと感じるときがあっても、音楽は自分と同じ考えを持つ人々に会うことを可能にしました。 その頃、私は不器用で変な子で、いじめられまくっていました。 そして、やっと友達ができたのは、音楽とバンドへの愛のおかげでした。」



音楽の世界は若いリウにとっては逃避的なものだったが、後の数年は、音楽の世界そのものが彼女を再び孤独に感じさせた。 有名になった後、彼女はすぐに業界に暗い面があることに気づいた。
「K-POPアイドルになると、周りの人たちが変わり、あなたに対する態度が変わります」と彼女は私に言う。
「私はすぐに、何かを得るために私を利用している人がいることに気づきました。 人は常に最善の意図を持っているわけではない。 だから私はしばしば孤独を感じました。 K-POPアイドルの経験はすでに非常に珍しいものであり、業界で外国人であることはそれをさらにユニークにし、そしてしばしば孤立になりました。」

幸いなことに、最近のリウは強力な支援システムをまとっており、親しい友人関係の輪に頼って助けを求めることもある。
「友人がいることにとても感謝しています」
「私たちの友人グループでは、私たちは皆かなり異なるタイプの人ですが、特別な絆を持っています。お互い人生が本当に混乱していた時代に一緒にいたからです(笑)。 でも本当に、私たちはお互いを補完し合っています。 私たちは同じ20代を共にし、またそれを理解しようとしていました。 とても思いやりのある友人たちで、そのことに感謝しています。 韓国、中国、そしてアメリカ、カナダ___あらゆる場所に親しい友人がいますが、まるで世界中に小さなポケットがあるみたいです。」



リウはまた、家族についても自身の力の源になっていると述べる。彼女の姉が、普通ではない、時たま滑稽な方法でリウのことを言うにも関わらずだ。
「私の姉はいつも私に”アンバー、自分のことポップスターだと思ってる? 自分が有名だと思うん?いや、 あんたはうんこ頭だよ” って言います。私が姉を訪ねるたびに、”皿洗いして”と言われても、”でもそれはあんたの料理じゃん!”ってなるんです」

もちろん、世界で最も厳しい音楽産業の一つであるK-POP歌手は言うまでもなく、どんな芸能人にとっても強力な支援システムは不可欠だ。 しかし、近年、リウの元バンドメイトのソルリを含む一連の自殺問題により、K-POP業界のメンタルヘルス問題がますます話題になっています。


リウのK-POP時代はとっくに過ぎ去ったかもしれないが、彼女は精神衛生意識の大擁護者であり、特に韓国ではもっと広く語られるべきではないだろうか。 「私は近年のKPOP業界には携わっていませんが、K-POPであれ、どの業界であれ、メンタルヘルスがよりオープンに語られることを常に願っています」と彼女は言う。
「セラピー治療に対する偏見があることは知っています。 でも私はセラピーを受けるし、私のセラピストも大好きです。 私を安定させてくれるので。」
「私はただ、もし誰かがそこで苦しんでいてー彼らが声を上げたり何かを言ったりすることを恐れているならー彼らに助われる方法があることを、そして彼らが一人ではないということを知ってほしいと願っています。 精神的なに苦しんでいるとき、または何かに苦しんでいるとき、私は信じられないほど精神的に落ち込み、その状況に孤独を感じます。 でも、親友のような人と共有したり、姉に電話したり、セラピストと話したりできるようになると、大抵はその後ずっと気分がよくなります。率直に言って、オープンにすることは、自分の気持ちに対処するための良い方法だと思うんです。」


もちろん、精神的に落ち込んでいる時にすぐに話せる人がいることは、常に選択肢としてあるわけではありません。 もし話せる人がいない場合は、リウは自分自身を落ち着かせるための独自のテクニックを持っています。
「とても不安になったり、本当にうずくまったりしているときは、鏡の前に一人で立ち、自分の気持ちを声に出して言います」と彼女は明かす。
「なぜなら、現実は違うかもしれないから。 私は何度も、『私は今、これが理由ですごく不安を感じていて...』または、本当に悲しくて、理由が分からない場合、私はそのこと自体を通して自分自身に話しかけます。
悲しみの原因が本当は何であるかを理解するために、自分がどのように感じているかを自分自身に導こうとしています。 そして最終的には、自分がなぜそのように感じていたのかを理解できるようになるか、或いは少しは重みをなくして自分自身との会話を終わらせるかのどちらかは達成できるんです。」
では、圧力、規則、美の基準という残酷な業界を生き抜こうとしている新人K-POP歌手へのリウのアドバイスは?

「あなたのことを心から応援し、心身ともに健康でいてほしいと思っている人たちに囲まれてください。」



当時、リウのf(x)時代の個性と目立つトムボーイ的なイメージの美しさはキュレーションされ、称賛されたが、業界の他の歌手はそれほど幸運ではない。 彼女はこう説明する。
「特にチームで働いているときのグループ環境では、もちろんまとまりがあるはずですが、個人が自分のスタイルを見つけることも難しい場合があります。 誰もがそれぞれのやり方で美しいので、どんなイメージ、スタイル、ペルソナが自分にとってベストかを見つけるのは彼ら次第です」

この数年の間、リウがK-POP業界に対して何か恋しい・惜しいと思うことはあるか?
「まだK-POPで活動している友達とよく話をしますが、業界はすっかり変わりました。 今は全く違うものなので、本当にそれについて何か惜しく感じていると言えるかどうか分かりません」と彼女は言う。

しかし、唯一変わっていないのは、f(x)メンバーの強い絆だ。不和と分裂を経験してきた 歴史上の成功したガールズグループ達とは違い、リウはメンバーのビクトリア、クリスタル、ルナと熾烈な関係を維持してきた。
「私が恋しいのは、確かにメンバーたちです」と彼女は言い、明るい表情になった。 「現時点で恋しいと思うのはそれだけだと思う。 私たちはお互いにはとてもクールです。 私がメンバーに対していつも心から愛していることの一つは、お互いのテンションをあげ、お互いを支え合い、それぞれ自分のやりたいことをすることに意欲を持っているということです。」



元メンバーたちとの間にこんなに多くの愛があれば、ファンはf(x)再会を期待できるだろうか? いや、実際はまだだ。
「今のところ、ファンに偽りの希望を与えたくありません」とリウは言う。 「現時点では、私たちは再結成について本当に話していません。 今、私たちは自分のことだけに完全に集中していると思います。 お互いに支え合い、できる限りのことをしていきたいです」
しかし、将来的に適切なタイミングでチャンスが訪れた場合はどうか?
彼女はいたずらそうな笑顔で答えた:「たぶん、そうですね。 星々が揃ったら(絶好の機会があれば)」

一方で、リウはソロツアーや多くのファンという十分なものを持っている。 しかし、彼女が特に身近に感じているのはアジアのファン層だ。
「私はここアジアでキャリアのほとんどを築いてきたので、多くのファンは私と一緒に育った、友人や家族のようなものです」と彼女は言う。
「ファンたちは‘’アンバー、体に気をつけて寝て”とよく言うし、時々小言を言われて、私も言い返したりしますが、そういうやりとりすべてが楽しいんです。 そして最終的に、ファンはいつもチルで、落ち着ける存在です。 彼らとこのような関係を持つことができてとても感謝しています」



リウはK-POPアイドルとしてキャリアを始めたかもしれないが、彼女は長い間進化し、もはや「アイドル」と呼ばれることを望んでいないことを認めている。
「私は『アイドル』という言葉が好きではありません。なぜなら、ファンに私を崇拝してほしくないからです。 ロールモデルだと言われても、私は「本当?あなたは本当にそれを確信してる?」と感じます。結局のところ、私は私だけど、人々は私に会いたいと思っている。 それは彼らから見た私です。 私が自分自身をどう見ているかというと、ただ音楽を書き、演奏し、最終的には人々を一つにまとめたいと思っている人。ただ それだけです。」

人々を集めまとめることが彼女の人生の主要な目標であるなら、彼女はすでに素晴らしい仕事をしている - アイドルであろうと、そうでなかったとしても。

#AmberLiu #CoverStory #MentalHealth #K-POP


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