精神病院ってどんなところ?Part.2
こんばんは。今日はお休みだったのでピアノを弾いたりでまったり。もちろんランニングは欠かさずに。
さて今日は前回の続きです、未だに本題に入れていませんが今日は最後まで話せるように頑張ります。Part.1をまだ読まれていない方がいれば是非。よろしくお願いします。
自分を見つめ直し再就職
自分が思い描いた理想の看護師像にはほど遠く、原点に戻って自分がやりたかった看護とは何なのか、それをするために自分に必要なことは何かじっくり考え再就職することに。その職場が現在勤めている病院になります。色々思い悩む期間はありましたが、看護師という仕事すらを辞めたい。看護学校を辞めたい。という気は一切起こりませんでした。なんだかんだで自分はこの仕事が好きなんだなと思います。
そして今の職場を選んだきっかけですが、そこに勤めている同級生のお誘いがあったのも1つの理由ですが、一番は今の職場が准看護学科時代の実習先であったことが大きいと思います。臨地実習は、基礎からはじまり、成人や老年、小児、母性など様々な領域の実習があります。個人的には男子学生ということもあり、母性が1番しんどかったと記憶しています。産婦人科の病棟に白衣を着た若い男がいるわけですから誰がどう見ても浮いていますし、入院されているお母さん方から「この白衣の男は何ぞや?」みたいな視線が一番きつかった。すみません、実習なんで許してください。みたいな。
それはさておき、その中のひとつに精神実習というものが。当時は精神看護の講義でもそこまでやっていなかったので未知の領域でした。「どんな感じなんだろう?」まさかこの実習がターニングポイントになるとも知らず。
何か思っていたのと違う
「精神科のイメージは?」
これは精神看護実習の初日、指導者からの質問でした。
私含め、同級生は「怖い、暗い、危ない」と。つまり私も最初はあまり良い印象がなかったというわけです。もしかしたら世間一般の方はこういった印象を持ってる方がほとんどだと思います。でもそれは仕方ないのかな。実際に精神科で働いてる人間からの思いというか感じたことですが「全部がそうではない」ということです。あくまで私個人の意見です。実習での体験談と一緒に、働いていて感じたことや精神科ってこういうところなんだよっていうのも話したいなと思います。
実際に病棟に入ってみるとそこには、私たち学生を歓迎してくれる患者さんたちがいました。「こんにちは」「よろしくね」とたくさんの方に声をかけられて自分が思っていたイメージと違かったこともあり驚きは隠せませんでしたが、それと同時にすごく嬉しかったのも鮮明に覚えています。
精神病院に入院している患者さんは「統合失調症」という疾患の方がほとんどです。それ以外にも人格障害であったり、強迫性障害であったり、あとは皆さんも耳にしたことがあるかもしれません、パニック障害がある方もその中にいらっしゃいます。希死念慮のある方だってもちろんいます。
ここで1日の主な流れを紹介しましょう。朝6~7時には患者さんのほとんどが起床され、8時の朝食まで各々歯磨きをしたり、顔を洗ったりテレビを観たりとゆっくり過ごします。8時に朝食を済ませ、お薬を飲んでもらってからは夜勤者から日勤者への申し送り。それから患者さんの検温や清潔ケア、ラジオ体操や髭剃り、曜日によってですが、主治医の診察や、入浴をしたり作業療法をしたりと。そんなこんなであっという間に12時から昼食です。午後も午前中と同様に曜日によってやることが変わってきます。まだ入浴をされていない患者さんがいれば入浴してもらったり、週に1回SST(生活技能訓練)やおやつの日があるので、職員とロールプレイや話し合いをしたり、売店に行ったりなど。そしてあっという間に夕方になり、日勤者から夜勤者へ申し送り。18時から夕食。20時から就寝前の配薬。21時に消灯。簡単に説明しますとこんな感じです。
今これを書いてて、ふと思ったことなんですが、こういった話になると私の看護観が止まらなくなってしまいそうなのでそこも簡単に触れながら、話していきたいと思います。さすがにこれ以上テーマからずらすわけにはいかないので看護観については後ほど詳しく。
怖くないの?
上記にもある通り「統合失調症」という疾患が精神疾患の大半です。病態についての説明をしていますとどうしても長くなってしまうので症状から簡単に。よく挙げられるのが「妄想」「幻覚」など。ちなみに自分には経験がありません。自分「には」と言ったのには理由があります。この病気は約100人に1人がかかると言われているため、決して珍しいことではないんです。中にはそういった症状に24時間支配されている方もいらっしゃいます。実習中でも仕事中でも、私が病棟にきたときに「おはよう、今日もよろしくね」と笑顔で声をかけてくれた患者さんがそのあと様子が変わったり、時には大声を上げて不穏に至ってしまったりということもあります。私も最初は「さっきまで普通だったのにどうして?」と思うことがほとんどでした。朝来たときはなんともなかったし。と。
もちろん他の患者さんとの諍いや時にはスタッフとのすれ違いからそうなってしまう方も少なくありません。それ以外の理由でなぜこうなってしまうのかと元を辿ってみるとその患者さんが持っている症状が引き金になっていることが多いです。
妄想で言えば「みんなが私のことを嫌っている」「悪口を言われている」、幻覚で言えば「天井に虫が這っている(幻覚)」「お前なんか死んでしまえと言われている(幻聴)」。
見えないはずのものが見える、聴こえないはずの声が聴こえる。この恐怖や苦しみを知らない私たちからすれば少しでも患者さんの不安や緊張を和らげられるように援助することしかできません。そしてそれが毎回、患者さんにとっての安全安楽に繋げられるわけではありません。
正解ってなに?
私自身も救急病院で働いていたことや、5年間の看護学校での講義や実習などから、この疾患に対しての看護はこう、この症状に対しての看護はこうだと学んできました。例えば国家試験の問題でも「胃癌患者の看護」「脳梗塞患者の看護」などそれぞれ個別性や特殊性があるためすごく難しいです。
「死にたい」と話される患者さんとの関わりでのポイントでは、励まさない、自殺をしないと約束してもらう、などがテキストであげられます。ただしこれを実践すれば100%自ら命を絶つと選択を防げるわけではありません。死にたくなるくらい辛い状況で励まされると余計辛いだろうと考えられることからだと思いますが、自分はこの励ましや声かけに救われる方もいると思います。患者さん一人一人の性格や背景、思いや考え方など医療スタッフである自分たちも分かっているようで分かっていないことがたくさんあると思うんです。
「看護に正解なし」
これが自分の出した結論です。テキストや参考書から、こういった病気だから、症状だからこういう風に関われれば必ず良くなるわけではないと。
すみません。終わりませんでした。
まだまだ話したいことがたくさんありますが、ひとまずこのあたりで。個人的な要望になりますがnoteを通して精神科のみならず色々な病院や施設で働いている看護師さんの話や看護観なんかも聞いてみたいなと思います。これをきっかけに看護師、精神病院について興味を持って頂ければ幸いです。まだまだ学も少ないので何も伝えることはできませんので、もっともっと勉強しないと。
そして今私は石岡のホテルにいます。その理由は明日目指す山にあり。そうです、筑波山にチャレンジします。念願の登山記、早く登りたくてうずうずしています。2022年初登山、頑張ります。
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