大人時間、遊びまくり。
#20230731-184
2023年7月31日(月)
今朝早く、ノコ(娘小4)が習い事の夏合宿へ出発した。
今日はむーくん(夫)も仕事が休み。
子どもたちを乗せたバスが見えなくなれば、大人時間がはじまる。
市場前駅へ向かう。
数年前、築地場内市場から豊洲市場に移転した「高はし」で早いランチをいただく。ノコは魚貝類、特に生魚が苦手だ。お寿司やお刺身料理のお店に行ってもノコが「ヤダヤダ」では、ノコをはじめ、誰も楽しくないのでいつしか大人時間の料理になった。
美味しい魚貝類をノコにも体験させたいが、まだ味覚が味わえる段階ではないようだ。せっかくの料理もちょうどいい時期に出会えないと嫌いなものになってしまう。
むーくんとカウンター席に並んで座る。ふっくらとしたきれいなお刺身に、白米の上に盛られたウニに、やわらかな煮穴子に思わず頬がゆるむ。
ふう、幸せ。
ひとくち、ひとくち、もっとゆっくり味わいたいのに、次のひとくちが早く食べたくて急いてしまう。あぁ、もったいない!
お腹いっぱいで店を出れば、外は炎天下。
むーくんの希望は、この近くの鉄道模型店とガンダムベース東京。
むーくんが店内を練り歩き、買い物をしている間、私はpomeraでnoteの記事を書く。
夏休みとはいえ、月曜日なのにダイバーシティ東京プラザは人であふれていた。
3時のお茶タイムになればどこも混みそうなので、少し早めにむーくんと甘いものを摂取し、歩きっぱなしの足を休めることにする。
GODIVAで冷たいショコリキサーをすすりながら、これからどうするかむーくんに問う。
「これからどうする?」
「はっちゃんの好きなように」
「せっかくの大人時間だよ。したいことをいわなきゃもったいない!」
「ポポンもガンダムも行ったしなぁ……」
「無欲だねぇ」
「無欲じゃねぇし」
むーくんが弾けるように笑う。
ビルの外に出ると、テラス席に家族連れがいた。黄色い雨靴を履いた小さい――2歳くらいの女の子が体を揺らしながら歩いている。
「蒸れそう」
子どもが履きたいといい張ったのだろうか。私が笑うと、むーくんがひどく真面目な声でいう。
「これから大雨が降るんだ」
広場に立つ実物大19.7mのユニコーンガンダムの背中が見える。その向こうに広がる夏空。今は青いが、空のバランスが少しでも崩れれば豪雨に転じてもおかしくない猛暑だ。
むーくんの言葉を笑い飛ばせない。
案内板を見ていたら、没入体験型エンターテイメント施設「TYFFONIUM」とある。
なんだろう? どんなだろう?
複数あるプログラムから私たちは「CORRIDOR」を選択。ホラーアトラクションで注意事項に「虫」とあるところが、かえって私の気を引いた。
大きな虫が出るとか? わさわさと虫が出てくるとか?
いや、それって虫好きの私にとってはホラーじゃなくて天国だよ!
VRゴーグルとヘッドホンを装着し、むーくんと離れないよう1つの輪を握り、燭台となる小道具を手にがらんとした小部屋を散策する。傍から見たら、何もない空間に手を伸ばしたり、そろりそろりと歩いたり、かなり滑稽だと思う。でも、私たちが進むのは呪われた洋館。
あっという間の25分。
期待の虫の出現はほんの少しだったのは残念だったが、なかなか面白かった。
むーくんと顔を見合わせ、「ノコさんには厳しいねぇ」と笑う。
私としては昆虫の世界を体験できるアトラクションがほしい。
通勤ラッシュになる前に電車に乗り、最寄り駅に戻る。
酒をたしなまない私たちは夜の食事は悩む。ファミリーレストランやラーメン屋なら大丈夫だが、お酒を出す店は一品料理が主になる。
蕎麦屋に入ると、料理人は1人、注文を受けてから製麺していた。注文してから料理が出てくるまでそれなりの時間がかかる。だが、今日は急がない。「早く早く」という子もいない。お酒飲みではないが、むーくんとお喋りをしながら出てくるのを待つ。
「ノコさんとは来られないね」
蕎麦に舞茸の天ぷら、鶏つくね、ポテトサラダ。
のんびり、のんびり、急ぐことはない。むーくんと口に運ぶ。
大人時間が惜しくて、まだ家に帰りたくない。
ふふふ、と笑って、もう少しあがく。
インターネットカフェに行き、足を伸ばせるファミリールームに入る。終バスまでの2時間、めいめい漫画を読みまくる。
あぁ、遊び尽くした!