年齢や出身を問わず皆を安心させてくれる柔和な空気感のあるまち戸畑
戸畑は、母親の実家なので、自然と行く機会は多く、長い時間を過ごした場所です。ただ、僕は実際に住んだことはありません。唯一それらしいのは、浪人中にこもって勉強するために夏休みに一人で滞在し、西小倉の河合塾に自習室通いしていたことがあります。
おばあちゃんっ子
とにかく、おばあちゃんが好きでした。私の親戚の中では、そういう人が多かったように思います。昭和6年生まれで、典型的な九州男児の祖父と結婚し、子供や孫と接するときは常に笑顔。不平不満は一切漏らさず、いつもおいしいご飯をつくってくれる。そんな人でした。
大学受験で浪人中に戸畑にこもったのも、僕に対して特に何も言わないし、好きなもの何でも食べさせてくれるし、と当時の僕にとってはこれ以上の場所はない、そんな理由でした。
今回の記事では、少し過去のことも振り返りながら、戸畑というまちについて、書きたいと思います。
戸畑の記憶
なんといっても、若戸大橋です。今では、FromFactoryのある牧山から、いくつかのマンションで視覚的に隠れるようになりましたが、昔は赤い橋がきれいに見渡せていました。戸畑のシンボルですよね。
つぎは、マルショク。今ではイオンになってしまいましたが、自分の記憶では戸畑といえばマルショクです。マルショクで、トミカーをたくさん買ってもらったような。。おばあちゃんは、おかげでだいぶ車に詳しくなったとか。
(今ではなくなってしまったそうですが)、マルショクの中にお肉屋さんがあって、そこのカルビ肉が大好きでした。僕の中で、焼肉といえば戸畑の家で食べるもので、いくら食べても食べきれないくらい、祖父がお肉を準備してくれていて、「好きなだけ食べろ」と言われていたことを思い出します。
お好み焼き「なにわ」。戸畑の駅近くの店舗によく行っていましたが、今ではなくなってしまったそうです。残念。
FromFactoryを戸畑駅の方へ降りた角の駄菓子屋。これはなんと「いぬまる商店」と言って、今では地域のためのコミュニティ施設のようになっているのだとか。この記事を書いているのは2024年7月ですが、次回の帰省の際にいぬまる商店さんとランチをする約束です。自分が動き出したことで、不思議なつながりができる。そして他人の動きに自然と助けを出してくれる、それが戸畑の魅力といっていいと思います。
いち川。うなぎ。基本的には出前でいただいていました。2024年6月に帰省した際に、初めてお店でせいろ蒸しをいただきました。僕自身は東京での生活が長く、江戸前のうなぎに少なからず慣れてしまっている部分もあるのですが、久しぶりにせいろ蒸しをいただくと、その甘さというか、うなぎとご飯との一体感に驚きます。お昼時で、たくさんの人でにぎわっていました。予約はできないそうなので、根気強く並んで食べてみてください。
北九州市立美術館。磯崎新。私は大学で理工学部の建築学科に入学しました。入学して最初の夏休みの課題でスケッチの課題が出て、北九州の多くの建築を見に行きました。北九州市立美術館と北九州市立図書館は、建築界の名作です。自分のゆかりのある街に、こんな名作があるということで、驚きました。その後は機会あれば友人や家族を連れて訪れています。
改めて戸畑のことを知る
以前、「家はかすがい」の記事でも書きましたが、FromFactoryきっかけで私の両親と三人で移動する機会が増えました。2024年6月の帰省の際も、両親と私とで三人で動きました。せっかくなので戸畑のことをいろいろ知りたいと母親にオーダーし、戸畑のいろいろなところへ足を運んでみました。
洋菓子屋のミロ。もうすぐ60周年。戸畑では老舗洋菓子店で、写真をプリントできるケーキが有名。ちょうど、私の誕生日が近かったので、母がプレゼントに注文してくれました。ミロさんに、FromFactoryのコンセプトをお話したら、いぬまる商店さんをご紹介いただきました。
ちゃんぽんのおおむら亭。戸畑ちゃんぽんなるジャンルがあるそうです。東京から帰省すると、すっかりうどんや焼きそばの福岡グルメを食べてしまいがちですが、、おおむら亭のちゃんぽんは、とてもおいしかったです。
九州工業大学。自分は大学から東京へ上京してしまいました。おばあちゃんの家の近所に国立の工業大学があるとは知りませんでした。訪れると、キャンパスはすごく歴史があり、趣があり緑も深かったです。学識の高い学生がたくさんいるので、FromFactoryのターゲットとしてはこれ以上の存在はないのではと思いました。
ちょうちん山笠は戸畑を代表するお祭り。小さいころ、毎年のように見に行っていました。全国的に見ても、こういう形の山笠は珍しいと思う。戸畑区役所の前の広場に最後集まってきてお祭りはフィナーレを迎えます。
暮らしやすい戸畑
こうして書いてみても、戸畑の文化のレベルの高さがわかります。もちろん、多くの地方の都市がそうであるように、商店街に活気がなかったり、人が減っていたりするのですが、、需要はある街だと思います。
しかも、歩きながら店員さんや職員さんに「母親の実家を改修して考え事をしている」とお話しすると、皆さん応援してくれる雰囲気があります。関連する施設をご紹介いただけたり、がんばれと声をかけていただけたり。
私の祖父がそうですが、八幡製鉄所へ出稼ぎにきた人が昔は多かったと考えるのが自然です。外来の人達で街を作り上げた経験があると、言えるのかもしれません。だからこそ、みんなで経済成長を支えた経験や、家族を共に支えあってきた経験が、町の根底にある空気感に内在しているのかもしれない。古くからある古都、といったわけではない北九州の特徴が、今では高い許容力という個性・魅力になっている。町のいろいろな施設を改めて歩き回ってみて、そんなことを感じずにはいられません。
うーん、魅力があるな、戸畑。
FromFactory KITAKYUSHU - 住むこともできるシェア工房
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