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母親の実家

私の母は昭和28年生まれです。いわゆる団塊の世代の少し後の時代と言っていいはずです。現代と違って、この時代は兄弟が多く、私の母は三人兄弟です。しかも、この時代は「家と言えば男が継ぐ」的な発想があります(今もそうなのかな、、)。したがって、「母親の実家」というのは、自分にとっては違う家の話であり、愛着はあってもそれをどうするという発想自体が生まれにくい、そういう存在のように思います。
自分自身は東京でマンション暮らしです。娘が二人います。自分が所有する不動産を娘のために残すという感覚はあまりありません。もしも、娘に子供ができたとしたら。私が住む家、今娘たちを育てている家が、娘の子供・つまり孫にとっては母親の実家になる。その点では、私にとっても気が気ではない存在、それが「母親の実家」なのです。一般論で、母親の実家というのは、放置されるか、ある程度早めに財産処分されるか、その傾向が高いのかな、と感じます。
僕は学生の時から東京に上京していますが、私と同じような環境の中で、地方の古い家で上京した子供の帰りを親が待つというシチュエーションは、全国的に起きている問題だと思います。
そうしたことの積み重ねで、全国どこにでも起きている問題である空き屋問題、しかも「母親の実家」という存在が急に可愛く見えるようになってきました。自分にとっては、これをきっかけに九州に自分の居場所のようなものを探すきっかけになるかもしれないし、家族にしてみれば僕が九州に帰る頻度ややりとりが増えればそれ自体は歓迎だろうし。
また北九州での自分の経験を何らかの形で公開することで、同じような状況に置かれている方へのヒントになればいいな、と考えて今文章を書いています。

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