先輩との電話会談
2022年6月12日夜中
K先生との会話を終えて、僕は新たに大切なことを学んだと思う。仲間をもっと頼る、自分と関わりのある人たちを大切にしてほしいといってくれた。
しかし、やはり今の自分は他人に対して迷惑かけるだけの存在だと思う。まともに話せるような状態じゃないだろうし、特に友人や身近に関わりをもってきた人たちには迷惑な存在でしかないだろう。今の自分の状態を改善しない限り、彼らに会う資格も話しかける資格、近況報告する資格もないと思う。完全に変わった状態でいなければならないとそう考えていた。
同じ週に僕はある人物に連絡を取った。そのある人物とは高校時代の先輩に当たる人である。ここではMTさんと呼ぶことにする。MTさんとはサッカー部での関わりや卒業後も幾度となく関わってきた。尊敬できる部分も親しみやすい部分もたくさんあり、自分から話しかけたり、連絡することが多かった。加えてなにか共通点があると感じていたこともあった。よくよく考えれば、こんなに後輩にしつこく連絡してこられるのは迷惑なのかもな。そんなんでもMTさんは電話で話すことを承諾してくれた。
話すのは何ヶ月ぶりだろうか。定期的に連絡は取りましょうと話してはいたが、まあ学生と社会人とでは忙しさがまた違うため、なかなか難しいところもある。そんな忙しい中、MTさんは話に付き合ってくれた。本当に優しい。
会話は最近の近況報告から始まり、その後自分の今の状況について話をした。
僕「ってな感じでいろいろあって、自分に自信を失い、自分を否定したり、卑下することが多いんですよ最近。」
MTさん「そうなんだね。いやーでもその気持ちなんかわかるなー。俺もそんなこといっぱいあったし。」
僕「MTさんにもそんなことあったんですね。でもなんか俺の場合はずっとこの状態なんですよ。高校の時から変わらないし、直さなきゃって思っていても全く変化がないんですよ。」
MTさん「なるほどなー。なんかねそれに関しては完全には難しいかもだけどなんとかしたいよね。」
僕「そうなんですよ。なんかこんな状態じゃ、友人とか身近に関わってきた人に迷惑しかかけないと思ってて、だから今も連絡とか関わりはなるべく断っています。だからほぼ家族以外は誰とも関わり持たないレベルです笑。」
MTさん「そうなんだ笑。まあでも完全にじゃないならまだ良かった。最初言ったときは完全に関わり断ってるのかと思ったから。でもそうじゃないならまだ良かった。」
僕「まあ流石に家族はどうしようもないですしね笑。まあでも自分が完全に自信を持てるようになってからじゃなきゃ、他人に迷惑をかけるだけなので関わりは断っています。」
MTさん「そうなんだね。そうやって行動できるところは流石だと思う。もう一回最近の出来事とか話してくれる?一緒にいろいろ振り返って何するべきか考えよう。」
こんな感じで会話は始まり、最近の出来事を再度話す。その中で僕は実績や輝かしいステータスがある人だけが注目されて、そうじゃない自分は価値がないものなのかもしれないという話をした。
MTさん「なんかその話すごいわかるわ。世間一般だと高学歴なり、高年収なり、実績ある人とかじゃないと注目されないって考え。俺もすごいそうやって考えてたし、わかるよ。」
僕「ですよね。何においてもそれが全てなんだろうなって考えがどうしても自分から離れないです。」
MTさん「うーん。そうね、わかるよ。でもね一つRikuに言いたいこととしては、Rikuが考えてるほど、周りはそう思ってないよってこと。」
僕「というと?」
MTさん「俺もねやっぱ、Rikuがさっき言ってた考え方がすべてなんだろうなってずっと思ってたのね。でもね意外にも周りの人がそう考えてるってのは少なかったよ。社会に出てからも意外にも少なかったよ。だから友達づくり、恋愛、人の付き合い、何に関してもその考えってのは必ずしも関係していないよってこと。だからあまりその考えに固執しないでほしいってこと。自分は苦しめることになるから。実際そうじゃない?」
僕「そうですねー。めちゃくちゃ苦しいです笑。すごい生きにくいです。男がそうならきゃって考え方がめっちゃ苦しいです。」
MTさん「でしょ。俺もそうやって考えていて、めっちゃしんどかったから。その考えはやめよう笑。まあ俺も今そうやって考えることがゼロってわけではないけどね笑。」
MTさんと共通点があると感じてたのは、間違ってなかったかもしれない。ネガティブに考えてしまうところ、そこは似ているのかもしれない。そういったこともあるのか、説得されるし、自分と同じような立場や体験があってそれに対してのアドバイスが的確に感じた。
話は続く。
MTさん「それとRikuは今の自分の状態と克服して自信を持てるようにならなきゃいけないって思ってるんだっけ?」
僕「そうです。そうでもならなければ、周り迷惑をかけるだけですし、まともに話せないんじゃないかと思ってます。」
MTさん「なるほどね。なんかさっきも言ったと思うけど、自分の良くないと思っている部分を治そう行動に移しているところは流石だと思う。だけどね、自分が今やっていることって本当に正しいことだと思う?」
僕「ん?どういうことですか?間違いだと言うことですか?」
MTさん「んー決してそうじゃないと思うけど。言い方変えるわ。今Rikuが克服しようとして、自分に自信を持とうとしていることが本当に周りが望んでいるRikuなのかなってこと。俺は決してそうじゃないと思うよ。Rikuと関わりをもってきた友達とか、同じ大学の人とかって今のRikuが好きだったり、気に入ってくれてる人がほとんどだと思うんだよ。確かにネガティブでもっと自身持ったほうがいいって思うかもしれないけど、逆にそういうRikuをすきなのかもよ。そんなネガティブなところもあるけど、なにか改善しようと思ったら行動に移せるし、他人に対して思いやりあるし、常に自分を高めようとするし、自信は持ててないかもしれないけど自信を持とうとするそんなRikuがみんな好きなんだと思う。」
僕「そうなんでしょうかね?」
MTさん「そうだよ。俺はそんなRikuがお気に入りだし、そうであってほしいと思う。もちろんもっと自分に自信を持てば良いと思うけど、考えてみて。超絶自信満々なRikuなんてちょっと気持ち悪くない?なんかかえって関わりにくい気するし、今の優しい部分とか他の良い部分が完全に消えちゃう気がする。だから自信はある程度持ちつつ、今のRikuのままでいてほしいと思う。俺はそうであってほしい。みんなもきっと今のRikuでもきっと好きでいてくれるよ。」
僕「そうなんですね。わかりました。自信を持つようにはしますが、今の自分も大事にしようと思います。それが本当に周りの望むじぶんなのであれば、そうします。」
自分と同じような考えや体験をしている人だからこそ、共感できたり、自分に対してどうしたら良いか、的確にアドバイスをしてくれるものだと思う。MTさんと話したときもそのようなアドバイスをいただくことができた。だけどそれとはまた違ったことを学ぶことができた。それは必ずしも自分を改善しようとすることが、他人の望むことではないということ。もちろん自分の中で良くないと思っていることを改善や克服しようとすることは決して間違っているわけではない。しかし、それが本当に周りが望んでいることなのか?決してそうとは限らないということ。MTさんとの話の中にあった、何かを克服しようとして、別の自分になろうとすること。間違えではないかもしれないが、それは自分が正しいと思っていることで、決して周りが求めていたり、望んでいることではないということ。今の自分を受け入れていてくれるのなら、必ず別の自分になる必要はない。友人や同じコミュニティにいる人達との関わりを断っていた自分が忘れていた大切なことを先輩は改めて気づかせてくれた。改めて、人との関わりを知ることができた。周りが本当に自分の変化を望んでいるのかそこも意識していこうと思う。