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バセドウ病発覚までф…10自殺回避

そしてある日、希死念慮を超えて、とうとう思考や感情のキャパを超えた。

そして感情や思考が無に変わった。

生きている感覚が無い。
肉体がある感覚が無い。
体が動かない。
何か、ふわふわ浮いている感覚がする。
肉体と幽体に別れている感じに近い、、。

それが数分くらい続いたと思う。
そしてゆっくりではあるが、呼吸の動きからぎこちなく動けるようになって、何の感情も無く、ボーッとドアノブを見つめてから暫くテーブルを見つめていた。
勿論目は死んでいたであろう。

その時急に頭の中は瞬時に昔の嫌な記憶が蘇った。
引越しの準備の際、父親に床掃除した後のシートを顔に突き出され、
「お前はこれでも食ってろ!!」
と急に遊び半分で言われたこと。
あの時、カッとなって
「自分が食べればいいじゃん」
ってし返すと、ものすごく怒られた。
「これだけは覚えとけ!!世の中黒い者を白い者と呼ばんにゃいけんことを思い知れ!!何でこんなワガママな子に育ったんだ!」
と…。
そしてマンションの理事会。
理事会メンバーには父親がいた。
クレームがヒールの音だったり、ドアの閉める音だったりとあったらしい、、。
ヒールは私自身うるさい時もあった。ただ、他所の家の女性も煩かった。
私はドア、静かに閉めていた。何なら父親の方がバンバン音を立てていた。父親は何しても許されるみたい。
だから、全部私が悪いんだって。他所の家は何も悪くないみたい。

それらの記憶そして
「掃除後のシート、あの時食べてあげればよかったんだね。ごめんね。」
「他の人のヒールの音も、他の家のドアの音の全部私が悪いんだね。静かに出来なくてごめんね。」
と同時に

「どこも居場所が無い。全部疲れた。」

という言葉が文字で浮かんだ。

重たい体を動かしてドアノブにかけたベルトに首をかけようとした時、走馬灯が見えた。

生まれてから21年間の楽しかった出来事の記憶だけが、1枚絵の形状でフラッシュ暗算の様に脳内で映し出された。。
しかも一瞬という速度で。
そして自分が記憶に無い楽しかった思い出も映し出された。
そして最後に14歳の頃からずっと好きなバンドのボーカルさんが何故か最後にプワァ~っとゆっくり出てきた。
14歳の頃から
「この人がバンド上がるまでこの人命なんで!!」
と友人とカラオケに行く度に言っていたことが恐らく原因であろう。

一瞬だった走馬灯が消えて…

「死ぬの怖い。。」

に変わった。震えて一気に涙が止まらなくなった。
自我が戻り、深くなった呼吸を整えた。

自分は死にたい、消えていなくなりたい。この世にいてはいけない人間。
そう思っていると認識していても、脳のどこかでは自死することを許さず、且つ、どこかで死にたくないという考えがあったのかもしれない。
だから
「生きていたら、さっき見えた走馬灯の様に楽しい事もまた色々経験出来るかもしれないよ」
と脳が見せてくれたのかもしれない。

その時に見えた走馬灯の映像は自死を防ぐ為の自己防衛だったのであろうと考えている。

でも、死を選択する行為を行ったせいか、その時の情景は鮮明に覚えている。
そして一生忘れることは無いだろう。
そして、当時、もしアルコールをしっかり飲んで酔い散らかした状態で首を吊ろうとしていたら、今この世にはいなかったであろう。


自殺回避からうん年、、
その好きなボーカルさんのバンドのライブへ行って、終演後のイベントでチェキを撮り、今も手帳型のスマホケースに挟んで、御守りとして持ち歩いている。

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