幽霊花の咲く頃に ~第三話~
※ 今回は流血表現がありますので苦手な方はご注意下さい。
【海】
海が広がっていた。赤い赤い血の海が。
変わらない景色に嫌気がさし、意を決して適当な襖を開けてみた。そうしたら血の海が広がっていたのだ。
畳を赤く染める血の海の中心に仰向けに倒れる女の人。胸元から流れ出る血の勢いは止まるところを知らなかった。目を反らしたいのに視線は金縛りにあったかのように女の人から離れてくれなくて、ただひたすら広がる血の海を眺めていた。
じっと見ていると懐かしさを感じた。女の人のことは知らないはずなのに、前にも会ったことがあるような気がしてならない。既視感、というやつだろうか。頭が揺さぶられる。
困惑していると不意に腕を掴まれた。金縛りがとけて振り返る。そこには同い年くらいの女の子が立っていた。
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