部下の育成
部下の育成
部下を変化させる3つのポイント
①強みを伸ばす
部下が気付いていない強みを見つける
②弱みを改善する
弱みの改善は緊急性と重要性で優先度付けする
クリティカルなデベロップメント・ニーズ
③新たな能力を付け加える
部下の現在の担当業務に必要な能力を身につけてもらう
部下の将来の成長に向けて必要な能力も身につけてもらう
部下育成の理由
①後継者育成
サクセッション・プラン
②部下の人材価値の向上
③恩返し
Pay forward、あなたが受けた恩を他の人に贈る
管理職にとっての部下育成の意味
管理職の責務
①業績目標の必達
②組織の活性化
③部下の育成
④自己の成長
部下育成は上司と部下のパートナーシップ
個人にキャリア開発のための場が機会を提供する
企業業績を向上させつつ、自己の人材価値を自律的に向上させる
人に何かを教えることは最大の学びの機会
自分を知る。自分のバイアス(=偏り)を知る
マイクロマネジメントしない
無駄な細部まで見ない
部下の動機付けは当たり前
部下、好奇心を駆り立てる。ワクワクさせる。鼓舞することが上司の役割
鼓舞する:インスパイア、Inspine
動機付け:motivate
部下を鼓舞するために
① 上司が自らワクワクして仕事をする
②部下と正面から向き合い、関心事や価値感の内面を知る
③挑戦的書課題を与える
人の能力
保有能力 Capability →人により大差はない
発揮している能力 Ability
ハイ・パフォーマー:自分が持っている能力を十分に発揮している人
能力発揮の阻害要因
外的要因・・・外部環境
外的要因にどのように対応すべきか一緒に考え、部下の不安を解消する
内的要因・・・恐れ
信頼感の低下やる気の減退、変化への抵抗、無力感、不確実性など
発揮できる能力を上げる=阻害要因を取り除く
共感
相手の心の動きをつかみ取る
相手に自分の心の動きをつかみ取ってもらう
感情の伝播(でんぱ)
非言語コミュニケーションで伝わるものが多い
7つの情動
幸せ、驚き、軽蔑、寂しさ、恐れ、嫌気、怒り
表情筋を使って伝える
共感と目標に集中する時の神経回路は互いに抑制し合う
エンゲージメント
従業員が持つ知識や経験、スキル、アイデア、熱意を会社と自己の成長のために投資してもらうための取り組み
従業員はコストや資産ではなく自社にとって最も大切な投資家
上司は部下を管理するのではなく、部下のアイデアや行動を強力にサポートする
失敗を奨励する
失敗を否定的に捉えず、イノベーションや改善のための学びとして捉える
部下を育てる時に What やHow の指示をするのではなくWhyを伝え、部下自身に課題設定と解決をしてもらう
エンゲージメント・リーダー
幅広い思考
自己および他者の育成
グローバリスト
良い聴き手
コミュニケーター
ネットワーカー
多様性を生かす包容力
エンゲージメントを高めるためのプロセス
①知る
自分自身を知る
部下のことを知る
部下に関心を寄せれば、相手も関心を寄せてくれる
②結び付ける
部下の仕事の意義を部下に理解してもらう
組織の一員としてチームのメンバーたちと結び付ける
③信じて任せる
部下が挑戦できる環境をつくり、失敗し、学びが得られるようにする
上司のサポートを提供する
権限委譲し、フォローアップをする
④コーチングを行う
⑤感謝する
部下の努力や成果を認め、感謝する
神経伝達物質
セロトニン
幸せホルモン
不安感の解消
精神の安定に寄与
日本人はセロトニンを運ぶトランスポーターの遺伝子にハンディキャップがあり不安が解消されにくい
オキシトシン
絆ホルモン
部下の目をしっかり見て話す
ストレスホルモンが出るとオキシトシンの分泌が抑制される
過剰なストレスは人と人との絆を弱める
部下のキャリア
部下の価値観に合うように仕事を設計して部下に与える
部下が会社に居続ける理由を尋ねる=Stay interview
AMO 理論
P=f(A,M,O)
P:Perfor mance
A:Ability
M:Motivation
O:Opportunity
部下の育成策を作る優先順位
最上位者→最下位者→上位20%の人→下位20%の人→中位者
部下の育成は一点突破
AMOの内の1つを決めて対策する
状況対応リーダーシップⅡ(SLⅡ)
タスク毎にコンピテンスとコミットメントの度合いを4段階で評価する
コンピテンス:発揮している能力
コミットメント:意欲、自信
習熟度が上がる→指示からコーチングへ、支援から権限委譲へ
キャリア・フィット・モデル
価値感、興味、関心、スキル
職務が価値感と適合するか?
職務に興味・関心があるか?
職務をこなすのに必要十分なスキルはあるか?
キャリア・コーチング・フレームワーク
①自分を知る
これまでの経験、持っているスキル、興味・関心、価値感
②現在地を知る
仕事面
組織内の立場 役割
個人の生活
趣味
プライベートの人間関係
人生の最終目標
③起こり得ることや変化を予測する
外部環境
内部環境
④キャリア・ゴールを設定する
短期(3~5年)、長期(10~20年)のゴール
⑤ゴール達成のために求められること
ゴールを達成された状態の時を想像してスキル、知識、経験は何が必要か?
⑥アクション・プランを立てる
何をいつまでに、どのように
アクション・プランが実行されるように継続的に部下をフォローアップする
部下の非連続な成長、ブレイクスルー、変態
ブレイクスルーのきっかけ
①修羅場の経験
ストレッチゴールの設定
改善ではなく改革や変革が起きる
②重要な他者との出会い
部下に人的ネットワークを紹介
③現業部門と本社間接部門間の異動
人事異動による視点の切り替え、視野の拡大
OJD:On the Job Development
① 挑戦的な職務を割り当てる
Challenging Job Assignment
②より大きな職務に取り組む機会を与える
Stretch Opportunities
③目にとまる機会を増やし責任を持たせる
Visibility and Accountability
④率直な評価とフィードバックを与える
Candid Assessment and Feedback
上司から部下への評価、フィードバックだけでなく部下から上司にもフィードバックをする
フィードバックは求めるもの
目標設定
SMART CAR
行動計画の目標設定モデル
SMART:目標そのものが備えているべき要素
Specific:具体的に
Measureable:測定可能な
Achievable:達成可能な
Related:経営目標に関連した
Time-bound:時間制約がある
CAR:目標を設定する過程で留意するポイント
Clear Understood:明快に理解している
Agreed Upon Mutually:上司と部下のお互いが合意している
Renegotiated as/if Needed:必要であれば再交渉する
目標を立てても実行されない ← 目標が正しくない ← 正しいプロセスで目標が立てられていない
ビジネスパーソンに必要な能力
自己認識能力、共感能力、洞察力、胆力、影響力
自己認識能力
内省を習慣化する
1日5分、その日の振り返り、よくできたこと、よくできなかったことを整理してメモに書き留める
共感能力
視点交換、他人の視点から世の中や物事を見る
人の気持ちを汲み過ぎる場合も、果敢な決断ができないなどの影響が出る
権限委譲
口では権限委譲していると言いながら、いちいち上司にお伺いを立てているようではダメ
権限委譲をする時は、権限を付与する理由を伝える
迷った場合はいつでも相談に乗ることを伝える
エンパワーメントの対象
①承認
なぜ自分の承認が必要か考える。正当な理由がないならばエンパワーメントの対象。部下に欠けている点があれば、それを補填してあげた上で権限委譲する
②ミーティング
自分の代わりに出席させられる会議はないか?
③任務やタスク
自分しか持っていない専門性を部下に共有し、部下がタスクを実行できるようにする
上司が支援することで部下にもできるタスクがあるのであれば、それがエンパワーメントの対象になる
④イニシアチブ
管理職として実行しなければならないイニシアチブ(重点的取り組み課題)が何か?時間が足りないだけで進められないのであれば部下に任せてみる
100日プラン
①当該年度の期待と目標設定について合意する
目標を押し付けるのではなく期待を伝える
②100日プランの大きな狙いを示す
大きな狙いを一つに絞り、達成すべきことを明確にする
③取り組み課題を設定する
優先順位を決めて3〜5項目に絞る
SMART CARモデルを使って確実に実行されて成果に結びつく目標を設定する
④フォローアップ
100日(3ヶ月)のうちにフォローアップ面談を設定する。1時間のミーティングを月2回=隔週
行動計画の進捗と、現在抱えている問題を聞く
マネージャーに求められるタスク
マネジャーに求められるタスク
スケジュール管理とタイム・マネジメント
実施戦略の立案
リスクマネジメント
判断
部下育成
その人のために時間をとることで、あなたがその人を大事にしていることを伝える
部下について知るために質問リストを作る
部下についてわからないことを聞いてみたいと思うようになる
部下とコミュニケーション、コーチング・カンバセーションをする時間をつくる
部下について考える時間をつくる
会話 → 気づき → セルフトークで熟考 → 選択 → 行動
アイデアを実行に移すためにコミュニケーションが必要
アイデアを部下に実行してもらうためにマネジャーがいる
フィードバック
フィードバックの原則
①推論・判断は不要
主観による価値判断は不要
②観察に基づく、描写的に
部下に自身の行動を客観視させる
③発言・行動ベース
具体的に
部下の発言・行動の事実を記録しておく
記憶にたよると印象によるバイアスがかかる
④素直に
観察された行動や発言を伝えるだけ
良い悪いは客観的に判断できる
SOIモデル
⑤自分のことは棚に上げて
「自分もできていないが」という枕詞は不要
⑥改善点を話してネガティブに終わる
最後にフォローを入れると改善点が軽く受け取られてしまう
⑦ポジティブなことをネガティブなことの前に3つ言う
フィードバック三倍の法則
3つ良いことを伝え、心を大きく開いてもらい改善点をズバッと言う
感情の非対称性
ネガティブな出来事の影響は、ポジティブなものの5倍
SOIモデル
部下の業績を分析的に認めるためのツール
S:Standard
基準を定め、それに対する結果を述べる
O:Observation
部下の行動や発言を客観的に述べる
I:Impact
部下の行動や発言が顧客やチーム、会社にどのような影響があったか述べる
フィードバックのステップ
①セルフ・フィードバック
部下がどのような観点を持っているかを把握する
部下が自己認識を正しくできているか
質問をすることで部下の自己認識能力を高める
②動機付けのためのフィードバック
今後も続けて欲しい点をSOIモデルで伝える
③進歩のためのフィードバック
改善すべき点をSOIモデルで伝える
フィードバックを受ける作法
①傾聴する
邪念を持たず相手の言葉に集中する
②会話しない
会話をするとフィードバックの焦点がぼやける
③メモを取りながら
取捨選択をしないで記録を取る
④自分の言動を弁護しない
実践できていないから指摘されている
⑤確認のため以外は質問しない
質問の名を借りた反論をしない
⑥言い訳せず「ありがとうございました」と言う
ネガティブなフィードバックをすることは伝える人も負担に感じる
フィードバック=贈り物にケチを付けない
⑦その場でコミットしない
アドバイスを受け入れるか、拒絶するかはあなたに権利がある
間違ったフィードバックもあるので冷静に振り返る
フィードバック
自らを守る。壊れないようにするための制御機能
ある事態の結果に対して制御機能を働かせる
フィードフォワード
何かの兆候を感じたら起こる前に制御機能を働かせる
フィードバックとフィードフォワードにより自分の位置を測る
現状を明らかにして先手先手を打っていく
アドラー「人が仕事で失敗するのは、単に知識や経験が不足しているからではなく、その90%以上は、そこに関わりをつくり出せないからだ」
新しい行動や変化を嫌うのは理性ではなく感情
問題点を指摘しても人は動かない
人間の脳は否定されていると認識すると守りに入る
現状維持バイアス
仕事の意味合いで部下の成長とリンクさせて伝える
コーチング
相手の目標達成を支援する相互対話的なプロセスであり、個々の潜在能力を引き出し、各自ができるだけ良い成果を挙げられるようにすること
部下に解決策を提示するのではない
効果的な質問を投げかけ、部下が自らその解決策を導き出せるようにする
「何を」「なぜ」「どのように」という質問を繰り返す
「上司として自分に何かできることはないか」と尋ねる
従来のコーチング:P = C + K
新しいコーチング:P = C - I
P:Performance
C:Capacity 能力
K:Knowledge
I:Interference 妨害、干渉
3つのF
Focus:集中
Faith:確信
Fire:エネルギー
3つのFが高い(多い) = ハイ・パフォーマー
優先順位を決め、1つずつ改善する
コーチングチの4つのプロセス
①コーチングの機会を特定する
何が問題になっているか?
なぜあなたの助けが必要なのか?
あなたが与えられる価値は何なのか?
②コーチングの機会に対する準備を行う
コーチングを行う対象は誰か?
その人物に合ったコミュニケーション方法は何か?
「すべきこと」と「してはいけないこと」は何か?
自分自身のコミュニケーションスタイルは?
具体的にどのような行動、発言が観察されているか?
入手可能なすべての事実や情報は集められているか?
コーチングで達すべき目標は?
コーチングで相手に理解してほしいことは?
どのような段取りで会話を進めるか?
③コーチングの対話を実施する
終始相手に対して心から関心を寄せ続ける
上司は「学習者」であり「判断者」ではない
GROWプロセス
G:Goal 目標
R:Reality 現実
O:Option 選択肢
W:Will 意志
④行動計画に対してフォローアップをする
行動計画に対して持続的に動機付けをする
部下に注意を払っていることを示すことになる
アドバイスはしない
問題とのつき合い方をコーチする
→ 社員の自律性が上がる
コーチングの効果
スピードが上がる
アイデア → 企画 → 決定 → 行動
失敗 → やり直し
指示 → 実行
ビジョン → 戦略・戦術決定 → 実行 → 目標達成
仕事のスピードを遅らせる要因
優先順位がわからない。間違っている
スキル不足
優柔不断、小さな取捨選択に迷う
不安。失敗に対する恐怖
モチベーションの低下
これらは上司へのアウトプット、コミュニケーションにより解決する
on going なコミュニケーション
部下の今、生の状況を知る
部下の課題を知り、観察して進捗状況を知る
コーチングを求めているタイミングでコミュニケーションをする
部下がコーチを求めるとき
プロジェクトの開始時=仕事の開始タイミング
プロジェクトの途中段階
プロジェクトが終了し、次のプロジェクトへ移行するとき
異動前のコーチング
異動先で求められていることを明確にする
現在の自分の能力を棚卸しする
異動先で起こりうることを想定する
異動して来る人の居場所をつくっておく
外側から来る変化・要望
ストレスになる。 受け身になる
自分から起こす変化、外部への要望
自分の責任感や自律性をもたらす
目標設定
会社の目標と部下個人の目標や仕事の目的と一致させる
不測の事態
受け身にならないようにすぐにコーチングする
不測の事態から学ぶ
自分で考え、自分から行動できるように育成する
問題に正面から向き合っているか、後ろ向きか?
今起こっている事態をどのように解釈しているか?
仕事はふり返りをして未完了感を残さない
エヴァリュエーション
新しい目標の設定
プレーンスレーミング
部下が質問できるようにするために、まずは上司が部下に具体的な 質問をする
部下からは正解を求めるのではない。創造性を引き出す。
創造性を引き出すことが部下育成の1つ
部下にエモーショナルワークをさせない
上司の機嫌を損ねること、気を遣うことにエネルギーを使わせない
アクナレッジメント
承認すること
うまくいっていること、これからうまくいきそうなことを事実とし伝え、方向性を示す
賞賛やほめるのではなく、好ましい行動をしていることを伝える
相手に現れている違いや変化に気付き、それを言語化して相手にはっきり伝える
部下の自己成長に対する認知を援助する
部下から返事はなくても、とにかく声をかける。そして少しずつ部下について知り、少しずつ話をする
部下に好意と信頼を伝えることで人は進んで仕事をする
して欲しいこと、して欲しくないことを要望として伝える
ビジョンは記憶できないので、部下との会話で常に描き鮮明にしていく
ビジョンは作り続ける
今どんなイメージを持っているか問う
問いが共有されることでコミュニケーションを始める動機が生まれる
答えを強要しない、各自が自由に考える環境を作る
未来に向けた問いを共有することで「わかったつもり」から
無意識に生まれる非生産的な問いから脱け出す
WIIFM: What's in it for me?
わたしが手にするものは何か?
会社の目標を与えても、それは達成されない
それにより部下は何が手に入るのかを結びつけないと実行されない
部下が頭で約束するのではなく、心で動くようにする
上司と部下がお互いの個人の目標(WIIFM)を公開し、それらを達成するために協力し合う
動機付け
マズローの欲求階層理論
人間の欲求は「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」の五段階に分けることができ、それぞれの欲求が積み重なって1つのピラミッドを構成する
マクレランドの達成動機理論
従業員には「達成動機」「権力動機」「親和動機」の3つの主要な動機がある
マクレガーのX理論・Y理論
X理論「人間は生来怠け者で、強制されたり命令されなければ仕事をしない」
Y理論「生まれながらに嫌いということはなく、条件次第で責任を受け入れ、自ら進んで責任を取ろうとする」
ハーツバーグの二要因理論
動機付け要因(Motivator Factors)
衛生要因(Hygiene Factors)
マレーの内発的動機付け・外発的動機付け
外発的動機付け
受動的
強制、賞罰、評価、報酬
内発的動機付け
自発的
行動自体から得られる達成感、満足感
部下が自主的に仕事に取り組むための呼び水として外発的動機付けを使う
外発的動機付けの要因が足りないと部下が脱線、流出してしまうことがある
自己の価値感や人生の目標と組織の目標を合致させる
整合性、連動性を取る
成人の学び
マルコム・ノウルズ(Malcolm S. Knowles)
成人が最もよく学ぶことができる条件
①何かを知ることや行うことが、なぜ大切なのか理解しているとき
②彼(彼女)らが学びたいような方法で学ぶ自由があるとき
③経験を通じて学ぶとき
④何かを学ぶために良いタイミングであるとき
⑤学習のプロセスが前向きなもので、元気付けられるものであるとき
成人が学習する時の特徴
P-MARGE
①Practical、実利的。現実の生活で起こっている問題を解決するために、学習することが必要であると感じているか
②Motivation、動機。
③Autonomous、自律的。
④Relevancy、関係性。現実の生活で起こっている問題を解決することと学習する内容がどのような関連性を持つか
⑤Goal-oriented、目的志向性。問題解決や課題達成を中心とした学習内容になっているか
⑥Experience、経験。学習を促進するように過去の経験を生かす。
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