読書感想文:自然を名付ける―なぜ生物分類は直観と科学が衝突するのか
人は誰しも側頭葉の特定の部位に生物を分類するための能力を備えている。驚くべきことに事故やウイルスによってこの部位にダメージを受けた人はイルカとペリカンの違いもわからなくなるそうだ。この分類能力は子供が自然の魅力に取りつかれ夢中になって恐竜の名前を覚える原動力であり、同時に科学にとっては客観的な真実を解き明かす際に邪魔になる主観という壁だった。この本では分類学が主観を乗り越えて、客観的な真実を導き出す科学へと脱皮するまでの激闘をリンネやダーウィンといった偉人を主人公にまるで小説