#百人一首恋の巻夏
この空は大きな傘ね君とさす相合傘のぬくもり想う
雨を眺めていると大好きだった人を思い出す。今はどこにいるのかさえ分からない人。
雨の日のデートで彼はピンクの傘を持って現れた。しばらく相合傘で歩いた後、彼が笑顔で言った。
「この傘プレゼントするよ、可愛い色だから君がずっと使うことが出来るだろう?」
「え?なぜピンクの傘持ってるの?だれか他の女の人が忘れて行ったかなにか?」
気になっていたことをズバリ聞いてしまった。
「え?そんなことまで考えるの?」
彼の困った顔。
それから二カ月・・・
「引っ越すことにしたよ、落ち着いたら連絡するね」
やっと通じた電話で彼はそう言ったけれど二度と電話はなかった。
今度会ったら旅行に行こうと言っていたのに・・・その日まで髪を切らない、と伸ばしていたのに・・・雨のなか傘もささず泣いて歩いた道。
時がたって今はもう遠い思い出になった。この空が傘だったら今も相合傘してるのかな、私達。
おわり
三羽烏さんの企画に参加させてください。
三羽烏さんお世話をおかけしますがよろしくお願いいたします。
三羽烏さんの記事より
あなたも応募なさいませんか?
よろしければサポートお願いします。いただいたサポートはアイデアの卵を産み育てる資金として大切に使わせていただきます。