秘密警察を宣伝してみる
近所のファミレスの求人広告を見つけた。「夏休み期間だけの短期バイト、
時間給1400円。男女年齢問わず」さっそく応募した。
面接の日、開店前の店で、店長と会った。
日本人ではなさそうだったが、履歴書を見ながらの質問は流ちょうな日本語だった。
一人暮らしであるかどうか、簡単な英語はできるかどうか、
そして最後に
「豆腐はいろんな料理に使うのですが、みそ汁には16等分、冷や奴は8等分、麻婆豆腐には20等分です。はい、今のを言って下さい」
そう来るとは思っていなかった私は答えられず、「今回は残念ながら」と言われしょんぼりと店を出た。
すると目つきの鋭いスーツ姿の男性がすっと近づいて言った。
「この店に入ったまま帰って来ない人がいると通報があり、ここで見張っていたのです。秘密警察の反町といいます」
え?
じゃ、採用になった人はどこかに連れていかれたってこと?
「私ね、秘密警察の人に会ったの」
そのあと友達に宣伝したのはいうまでもない。
おわり(415文字)
たらはかにさんの企画に参加させてください。
たらはかにさん、おせわをおかけしますがよろしくお願いいたします。
秘密警察の人が「秘密警察の」なんて言うはずない?
でも、おっしゃる通りですが、この世は魔訶不思議なところ、何が起こるか分かりません、のです。
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