秋と本
秋と本はどこか似ている
それぞれの
色合い模様を見せて
はらりはらり散る枯葉は
秋の絵本をめくるよう
そっと見つめていたら
光りながら織りあがる
空中のテーブルクロス
蜘蛛の巣
秋風になびく
とうもろこしを
ハモニカのように食べる子ら
かじられて
一粒ずつが
音符に変わる
行く先は?
あなたの主は?
わたしの心配をよそに
軽快なステップをふむ
車内の空カン
清流を行く
魚の
軌跡のような
空に
雲
山のむこうの
見えない花火
私の胸を焦がし
ずん と揺さぶる
君のようだ
かすかな虫の声
滲む月をながめれば
御簾などあげて
源氏の君に
誘われたい夜
おわり
小牧さんの企画に参加させてください。
小牧さんお世話をおかけしますがよろしくお願いします。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければサポートお願いします。いただいたサポートはアイデアの卵を産み育てる資金として大切に使わせていただきます。