カツオの気持ち(内視鏡検査)
胃の内視鏡検査を受けました。もう何年も通っている胃腸科病院で。
胃腸の弱いわたしは、すぐ胃がムカムカしたり、重くなったり、痛くなったり、ひどいときは食べられなくなる。最近はムカムカどまりですが、胃腸科の先生から、「胃は定期的に調べておいた方がいいですよ。万一悪いものが見つかっても早く手を打てば直る。でも、発見が遅れると、胃の場合は進行が早いですから」と言われ、1年1回を目標に検査を受けているのです。
ここの先生は、具合の悪いときはちゃんと胃やお腹を触診して下さるし、必ず患者の方を向いて話を聞いてくれる。だから一人の診察時間が長い分、待たされるのですが、それでも、先生の顔を見ると安心で、電車を乗り継いで来てしまいます。
検査は予約していくので、待たされることもありません。
まず、待合室で血圧を測る。
看護師さんに呼ばれて、胃の中の泡を消す、という薬を飲む。
胃をリラックスさせるという注射を受ける。「ちょっとチクッとしますよ」という決まり文句で、針を刺されるのですが、この注射は痛い。
液がずんっと入ってくる感じがする。
それから検査室に入りベッドに横になると、ドロッとした薬を注射器で口の中に入れられる。「飲まないで喉にためておいてくださいね」と言われるけれど、これは無理です。我慢しているのに飲んでしまう。最初のころは「飲んでしまいました」と慌てて看護師さんに言っていたけれど「反射運動でどうしても飲んでしまうから、舌が痺れていたら効いている証拠だからいいですよ」と言われるので、最近はできるだけ我慢すればいいんだ、と思えるようになりました。これも経験です。
仕上げにもういちど、喉にシュッとスプレイされるのは麻酔だったかな?
10分ほどで、先生登場!看護師さんは白衣の上にビニールの大きなエプロンをしているのに、青いポロシャツ姿だったので、軽装ぶりにちょっとびっくり。
マウスピースをはめると、「はい、見させていただきますね」の声で、内視鏡の先が食道から胃の中へ少しずつ少しずつ・・・「はい、息を吸って~はい、止めて~はい、力抜いていいですよ~」「ちょっと突っ張った感じしますよ~」
先生の腕がいいのか、わたしが受け上手?なのか、内視鏡検査はいつもスイスイと進み、15分程度で終わります。とはいっても、管が入っているのだから、ちょっと苦しいし、不安。それを察してか看護師さんが必ず付き添って、検査の間ずっと背中をさすってくれます。
口をゆすぐと診察室に呼ばれ、いよいよ診断です。
「ところどころ赤くなってただれているから、胃炎ですね。ここの胃の入り口のところ、赤くなっているので、違う光を当てて拡大したのがこちらです」
画面には薄緑に黒の網目模様が・・・
「拡大してみると、ガン細胞のような悪いものはありませんから、大丈夫ですよ」
うわ~~よかった!
胃腸薬をもらい、看護師さんから「一時間は飲んだり食べたりしないでくださいね、むせてしまいますから」と念押しされて、朝からなんにも食べていないことを思い出し、急に襲ってきた空腹感をなだめながら帰って来たのでした。
帰って来てから、思ったこと。
「一本釣りされたカツオは、針がのどに刺さるのだから痛いだろうなぁ、
麻酔なんか一切ないし、グンと吊り上げられて、やっと針が外されたと思ったら、血を抜かれて食べられて・・・人間ってなんて残酷なんだろう・・・
今さらだけど・・・」
おわり