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十二月 #シロクマ文芸部
十二月、といえばクリスマス、これは優しいサンタさんに会えた物語です。
本物のクリスマスツリーが欲しい・・・そう願っていたわたしは、ある年、ひらめきました。家にはツリーがいっぱいあるじゃないか!と。
祖父母の暮らすはなれの前に、木を組んで作った棚があり、見事な盆栽が並んでいました。その中から、一つ借りればいい!一番良さそうな鉢をうんとこしょっと部屋まで運び、横に広がった枝を工作用のはさみでチョキチョキ切り揃えました。お人形の布団をつくるから、と、祖母からもらっていた綿をちぎってのせ、金色の折り紙の星や、色とりどりの折り紙をつないだ鎖で飾り付けました。見事なクリスマスツリーの出来上がりです。
![](https://assets.st-note.com/img/1701398751401-Ds3ycihPY1.jpg?width=1200)
ところが、それを見た母は顔色を変えたのです。なんでもその盆栽は
五葉松という珍しい松で、その太くて立派な幹は、千年の大樹のような風格を備えていたからです。母から祖母へ祖母から祖父へその話は伝わり、わたしはおじいちゃんの前へ・・・
8歳の末孫であるわたしを前に祖父は一言。
「まあ、いいさ」
後に寅さんに出てくる、笠智衆演じる御前様を見て、「あっ」と思いました。祖父にそっくりだったから。
そんなこんなで、その翌年父が本物のツリーを買ってくれました。鉢植えのヒマラヤ杉です。
![](https://assets.st-note.com/img/1701398751383-AzBgIgJ1eJ.jpg?width=1200)
その後数年間、このヒマラヤ杉は我が家の大切なクリスマスツリーとなり、
家族の中心にでん、と飾られました。大きくなりすぎて、玄関前に植え替えられたら、ますます伸びて、駐車の邪魔になる、と切られてしまうまで
わたしにとって大事な木でした。
実家は建て替えられ、何もかも変わってしまいました。孫に高価なツリーをプレゼントしてくれたサンタクロースのような祖父も、30年前に亡くなりました。
おわり
小牧さんの企画に参加させてください。
小牧さんお世話をおかけしますがよろしくお願いいたします
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