宝地図 #創作一句
たからちず もようにひめて かきもみじ
散歩の途中、柿の落ち葉を見つけた。模様といい、色合いといい、
秘密の宝地図そっくりだ。
その葉を指でなどっていると、突然、私の身体が浮き、ストン!と落ちた。目を上げると、まわりは赤、緑、黄、色鮮やか、トンネルの中のようだ。
右に左に分かれている脇道・・・一番広い道を選んで注意深く歩く。暗い穴がところどころに口を開けている。飛び越えたつもりが、ドスンと落ちた!
明るい!そこには火が、金色に輝きながら燃えていたのだ!
どこからか声が聞こえる。
ここは秋の王国、秋という字を見てごらん。
ノ(野) 木 が 火 のように燃えているんだ。秋はここから始まっているんだよ。
この火がすべての稔りを生み出している。すべての宝を生み出しているんだ。
暑い!わたしは、思わず後ずさった。
ストン!またもや私の身体が落ちた。
さっきの散歩道だ。手には柿の葉が・・・さっきより少し葉脈が太くなり
赤い色が増えたように見えた。
おわり
よろしければサポートお願いします。いただいたサポートはアイデアの卵を産み育てる資金として大切に使わせていただきます。