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天ぷら不眠

徳川家康は悩んでいた。徳川の世が長く続くようにあらゆる手立てをしてきたが、まだ安心できない。老いて弱って来た身体にも不安があった。
近頃ではかつて闘ってきた武将の夢をみてうなされる始末。

そんな様子を見て、側近の酒井忠次はどうしたものかと悩み、あることを思いつくとはたと膝を打った。そうだ、殿の好物を用意して食していただこう!

翌日から家康の膳に大好物の天ぷらが用意された。家康は大喜び、しかし大好物とはいえ、天ぷらだけでは芸がない。忠次は頭をひねり、翌日からあらたなメニューが加えられた。織田巻蒸しに豊臣温泉のゆで卵、デザートに今川焼。家康はすべて平らげると満足げに言った。

「これで気にかかっていたものすべてを飲み込んだ。徳川の世は大平じゃのう!」

その夜久しぶりに不眠は解消され家康はぐっすり眠りについた。
そして二度と目を覚ますことはなかった。
家康は天ぷらを食べすぎて亡くなったという説があるがその真相はこうだったのだ。
             おわり(408文字)      

たらはかにさんの企画に参加させてください。
たらはかにさんお世話をおかけしますがよろしくお願いいたします。

一部漢字に間違いがあります。天ぷら不眠、に結びつけるのに無理がありますが、平にご容赦を(>_<) 
天ぷらを食べすぎて亡くなった、という説はあるらしいです。


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