
寄り目のカレイ
銀鼠の力こぶ
猫柳の
ぷっくりには
極上の春が
詰まっているよ
*
もっと泳ぎたかった
より目で訴えるから
せめて姿のまま
カレイの煮つけは
たっぷりの出汁で
*
迷ったままの
思惑のせて
春の風に
失速していく
紙飛行機
*
姿も見せず
ただようだけで
ひとを幸せにさせる
コーヒーの
香りという力
*
梅 桜 薔薇
次々と笑顔で咲きながら
主を待っている
「売り家」の文字が
風に揺れる
*
百の花が咲き
千の花になり
一面花になっても
足元に咲くのは
たった一つの花
おわり
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