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ルールを知らないオーナメント
月遅れの端午の節句の季節になると、村の家々には鯉のぼりがはためき、「お宮さん」と呼ばれて親しまれている神社には、鳥居の横に大きな旗が飾られ、その縦長の旗の下角には、「お猿っ子」と呼ばれる小さな魔除けの猿の人形が飾られていた。
子ザルのモンタはその小さな人形が欲しくて、ついにある朝その人形をむしり取ってしまった。重しのなくなった旗は、ひらひらと頼りなげに揺れたので、モンタは猿人形の代わりに、ぶら下がってみた。
ふうらふうら
水田からの風は心地良く丸まった体を撫ぜた。
田んぼに向かう吾作が通りかかって驚いた。
飾りの猿が本物に変わっている!
吾作の声で村人たちが集まってきたが、もう猿も、猿飾りもなくなっていた。
きっと神様が本物の猿に変えて下さったんだ。猿は村人を守るために村を回っているに違いない。なんとありがたい!
それ以来旗につける猿飾りは一つ足りないままになった。
やってくる本物の猿神様のために。
おわり(410文字)
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たらはかにさんの企画に参加させてください。
たらはかにさんお世話をおかけしますがよろしくお願いいたし
なにか「お猿っ子」の紹介みたいになりましたが、故郷のお宮さんには
今でも6月にこんな長方形な大きな旗が飾られ、旗の下に「飾り猿」が
つけられています。子供のころはその赤い小さな猿がとっても欲しかった。
「お猿っ子」知っている方、いらっしゃいますか?
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