働いて帰る
この路は
セピア色の夕暮れ
誰かがカチリ
幻灯機のスイッチいれた
見あげれば
規則正しい
鰯雲
正装した
秋の空だ
落日を背に
木々はみな黒
同じ生を
生きた
はずがないのに
川向うにできた四棟は
そっくりの三角屋根
これからどれほどの長い時間
寄り添って
立ち続けているのだろう
川面から空を見上げて
真っ赤な紅葉
もがかなければ
ぷかりと浮かぶ
こんなふうに生きていけたら
新しい住処の
窓の光は
市松模様
もうすぐあの窓も
オレンジ色に光る
おわり
小牧さんの企画に参加させてください。
小牧さんお世話をおかけしますがよろしくお願いします。