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インドを編む山荘

豪雨のなか僕はハンドルをきつく握り前を行く車のブレーキランプを見つめ運転していた。30分ほどで小降りになりほっと外を見ると見知らぬ風景が広がっている。知らぬ間に脇道に入ってしまったらしい。

右に山荘のような建物が見えその前が少し空き地になっている。僕は車を降り、灯りが漏れている窓から覗いてみた。サリーを身に着けた若い女性が機織り機を操り、そのサリーそっくりの色合いの布が織りあがっていく。こんなところにインド人?彼女が不意に目をあげた。額の紅が三つ目の目のように見え僕は思わず車まで走った。疲れが体中にまわりぐったりと椅子に身を落とした。

目を開けると外は明るくなっていた。眠ってしまったのか?山荘は?驚いたことに目の前には空き地が広がっているばかり。車を降り歩いてみると片隅に小さな墓石が見えた。そしてその石に昨夜見たサリーのぼろぼろになった切れ端が巻かれていた。

あの脇道はどこだったのか、何度も探してみたが二度と見つからなかった。

         おわり(417文字)

たらはかにさんの企画に参加させてください。
たらはかにさんお世話をおかけしますがよろしくお願いいたします。

ちょっとベタなお話になりましたが、考えるの楽しかったです。
読んでくださったみなさん、ありがとう!!💖

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チズ
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