ヘルパー日記・後編・1(家に入れない)
訪問介護ヘルパーを5年半やっていました。その時の記録をヘルパー日記としてアップしていましたが、まだまだ記録が残っているので、後編もアップしようと思います。現場からの生の声、お聞きください。
前編はこちら👇
久しぶりに、Iさんのお宅に行きました。12時から、ということだったのに、バスが遅れて着いたのが10分遅れ!
始発駅から乗るのに、ひどいときは20分も遅れ、運転手さんに、「始発なのになぜこんなに遅れるんですか?」と、文句を言ったこともある。答えは、車庫からここ(始発駅)が遠いので、来る間に道が混んでいると遅れてしまうのだそう。だったら、その分見込んで早めに来たらいいのに・・・
そうもいかないんでしょうね。
10分遅れで、ピンポン押しても、Iさんは全然現れない。Iさんの家は一戸建てでけっこう大きい家なので、横に回って窓をノックしても
無反応・・・。しばらく待っても同じなので、営業所に連絡すると、電話してみるけれど、いないようだったら、あと、20分くらい待って下さい。
とのこと。
Iさんは、一人暮らしで、ご主人が亡くなったあと、寂しさから、訪問販売で次々にいろんなものを買い、お金がなくなっても契約してしまった。当然払えなくなり、取り立てがきて、たいへんだった時期があり、本人も、うつ病になり、やっと落ち着いてきたところでした。
ヘルパーにも訪問中電話がかかってきても、出ないように、とケアマネから言われていたし、ご本人にも、かかってきた電話に出ないよう、伝えていました。だから、電話をしても出てくれないのですが、もし、うたたねでもしていたら、電話のベルで起きてわたしのピンポンに気づくかもしれない、と思ったのですが、電話後も無反応・・・
しかたなく、家の横のブロックに腰掛けて待ちながら、お弁当を食べることに・・・
ヘルパーでたいへんなのは、時間で動くので、昼食の時間がなくなることも多いことです。移動中、バスの中で食べたり、あきらめて、お昼は食べない、という先輩さえいる。でも、わたしは、ほとんどの場合、なんとか、昼食の時間があるので幸せの方かも。
バス停でお弁当を食べる
そんな自分に
二十歳のわたしは知らんふり
四十歳のわたしはチラリ見て
七十歳のわたしは微笑んで
通り過ぎるだろう
こんな短詩を詩の会で発表したら
「なんで、バス停なんかでお弁当食べるの?ちゃんとしたところで食べればいいのに」
と言われ、わかってないなぁ、とがっかり。
バス停でしか食べる時間がない、ときもあるのです。
さて、その日に戻ると、食べ終わっても帰ってこないし、営業所にまた連絡したら、もうIさんちは、いいから、次の家に行って下さいとのこと。
こういう場合は、ドタキャンも含めて、料金は、一時間分は請求できるのです。でもなぁ・・・と、近くのスーパーまでさがしに行き、またIさんちまで帰ってきたら、なんと!ピンポンに答えが返ってきた!ヘルパーが来るのが、一時だと思って、隣の家でお茶のみしていたのだそう・・・ったく!ですよね。
でも、まぁ、家の中で倒れたりしていなくてよかった!それと、どうしたんだろう??と気にしながら帰らないでよかった。
残り時間30分だったので、洗濯をし、国民健康保険高額医療費申請書、と、払い戻し金額払い込み通知書の違いがわからない、とのことなので、
その説明をして、無事終わりになりました。
でも、疲れた~~~普通に仕事しているほうが楽だ~~
あと2軒あったので、けっこうきつい一日でした。
ヘルパー日記後編1おわり