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娘のチャートを読んでみる(インド占星術)

少し前に、自分自身のインド占星術チャートで自己分析を軽く行った記事を書いてみました。

インド占星術の大家K.N.ラオ先生は、「まずは自分や家族や知り合い50人のチャートをよく読み込む」ことを、インド占星術の上達のためによく勧めておられます。

基本はやはり、自分のチャートやダシャー(時期読みの手法)を度々読み込むことは大切ですが、一方で、家族や近しい友人のチャートやダシャーを読み込むことはとても大切です。

私には二人娘がおり、長女は海外に移住し、働いています。
長女は骨が弱い障害が生まれつきあるあるため、幼少期はよく骨折をし、私の失敗で痛い思いもさせたりしました。
これまでとても興味深い生き方をしてきており、私の20〜30代をかけて全力を注いで子育てをしてきた愛娘です。

今回、本人の許可を得て、彼女のチャートやダシャーから見えてくるものを少し記事にしたいと思います。(この記事もインド占星術をご存知ない方はあまりわからない内容が多いこと、ご了承ください)

娘のチャート


ラグナ
:チャートの基軸となるラグナ(アセンダント)が、火の不動星座である獅子座です。ラグナロード(獅子座の支配星)である太陽は、9室の牡羊座で高揚しています。しかも、自分の魂の主軸を表すAK(アートマカーラカ)でもあり、とてもラグナと太陽が強い状況が見て取れます。


出生時刻:娘は骨が弱く、またその母(私の元連れ合い)も骨が弱かったため、普通分娩では骨折の危険性が高く、帝王切開でした。出産時はNHKが番組制作で取材に入り、手術室の様子も放映されました。出産時刻が助産師さんによって読み上げられており、非常に正確です。誤差1分以内の出生時刻の事例であり、D60のラグナも正確である可能性が高い事例です。D9のラグナも間違いなく正確です。


トリコーナ:ラグナの1室と、トリコーナ(三角形120度)を形成する5室9室は、火の星座です。そして、その火の星座が悉く強いのが特徴的なチャートとなっています。5室木星は支配する射手座に在住しており強い。ムーラトリコーナの度数(射手座10度)は超えているので定座ですが、度数をあまり考慮しない場合はムーラトリコーナ。とても強い木星です。
また、インド占星術のハウスで祝福のあるハウスである9室は牡羊座であり、4,9支配でヨーガ・カーラカ及びムーラトリコーナ1度以内の強い火星と、高揚するラグナロードでもある太陽が在住しています。火の星座群であるトリコーナに、悉く定座以上(定座・ムーラトリコーナ・高揚)の3惑星が在住しており、とてもパワフルな印象です。
実際、中学3年からニュージーランドに留学し、多数の友人に恵まれながら現地の高校や大学を出て、今も車イスで単身現地で働いているなど、とてもパワフルな人です。我が子ながら「すごいな」と昔から思っていますが、チャートも特にトリコーナがとてもパワフルです。


ムリチュバーギャ:インド占星術には、不思議な要素がいろいろありますが、その中でも私が不思議に思っているのが「ムリチュバーギャ(ムリチュバーガ)」です。
各星座ごとに各惑星がある度数前後に位置すると、体が弱い兆候が見られる、という度数があり、それがムリチュバーギャと呼ばれます。
「本当かな?」と思うのですが、これまでかなりの高確率で、確かにこのムリチュバーギャ近くに惑星が位置しているケースの場合、特定の病や体の弱さを持っている人が多かったのは驚きです。
娘もそのケースで、「ラーフ(太陽と月の交点の一つ・Ra)」というインド式の特徴的な”惑星(グラハ)”がムリチュバーギャにとても近い度数でした。

Raが乙女座の23度でムリチュバーギャ(MB)であり、6分の度数差

娘は幼少期から15回近く左足大腿骨の骨折を経験してきましたが、インド式の医療占星術によると、左足を骨折しやすい配置であることが複数の要素で示されており大変驚いたことがありました。インド占星術の奥深さを感じます。


星座交換:星座交換はとてもパワフルな惑星間の相互関係ですので見落としてはなりません。娘のチャートの場合、10室牡牛座の支配星は金星で、水星が在住。11室双子座の支配星は水星で、金星が在住。従って10室11室の水星と金星の間に星座交換が起きています。
10室は仕事や社会性のハウス。11室は収入や利得などのハウス。その両者が強く絡み合っているのは、仕事面や収入面で恵まれる傾向がざっくりと示されているように見えます。二つの吉星の絡みでもあるので、それも良いところ。実際、とても働きやすい環境の職場で、大学卒業後は働けており、恵まれているとのこと。2、11室支配の水星が10室に在住し、10室支配で11室在住の金星と星座交換するなど、ダナ・ヨーガ(収入面の恵みの相)が多重に形成されており、収入面では恵まれそうなチャートに見えます。

Jyotish-ONEでは、「ヨーガ」というメニューをクリックしていただくと、D1チャートの星座交換が表示されるようになっています。初学者の方で慣れていない方はぜひご確認ください。星座交換は重要です。

ラーシ(星座)・パリヴァルタナ(交換)・ヨーガの表示例

D9:ナヴァンシャは射手座ラグナ。やはり火の星座です。火の要素が強めの印象のチャートです。私はD1が乙女座ラグナ、D9は双子座ラグナで、水星の要素が強いチャートです。D1、D9の両方で似たような傾向が示される場合は、やはり「特徴」として捉えることは有益です。娘は実際、とても明るいタイプです。


親子の類似点:私と娘は射手座に木星が在住しており類似しています。興味深いことに、私は再婚をしていて、養子縁組をした次女がおり、その次女も9室の射手座に木星が在住。親子三人、射手座の木星が強い配置であるのは興味深いところです。ちなみに木星は、中国では「歳星」と呼ばれており、12支と連動しています。12年サイクルで黄道十二宮を一周するため、1年に約30度移動することから、一年に星座をほぼ一つ分移動します。私と娘たちは子年生まれなので子年はだいたい木星が射手座在住です。
血を分けた娘も、養子の娘も似たような要素を持っており、縁の深さを感じます。


本の出版のタイミング:娘は20代で本を出版しました。以下の「宇宙のニュージーランド日記」(「宇宙」と書いて「うみ」と読むすごい名前です)がその本です。

現地での暮らしや体験について率直に綴った本で、親バカですが、「すごいなあ!」と思って読みました。インド式を勉強している方は、チャートを見ながらこの本を読んでいただくと、チャートとの連動性が見られて面白いのではないかと思います。
2023年1月16日に出版されていますので、Ra-Ke-Raのタイミングでの出版です。2-8-2で、相互に1-7の対面です。7室は外国も示し、RaKeも異文化を示します。異文化での体験についてまとめた本がRaKeのヴィムショッタリーダシャーのタイミングで出版されているのは文字通りという感じで興味深いところです。


受賞タイミング:親バカ全開の我が子自慢のようになりますが、娘はニュージーランドで2回、大きめの賞をいただきました。
2018年にAttitude Awardという賞をいただき、Ra-Sa期。RaKe軸の2-8室。以下のような30分番組となって放映されました。(字幕もあるのでよろしければご覧ください。私の下手な英語が恥ずかしいのですが)
Ra期は2012年初頭から始まっており、Ra期のマハーダシャーは18年続きますので、2030年まで。Ra期は一般的に変化の多い時期ですが、彼女の場合、留学がその頃に始まっていますので、ちょうどRa期の時期と重なります。
8室は「突然の」といった象意や、「遺産相続」といった意味もあり、何かを受け継いでいく様相もある。また、Ra-Saは1-7軸なので、やはり異文化的なものや対社会といった部分もあり、興味深いところです。
2021年はNZの「若者賞」といった賞をいただき、Ra-Me期。2-10であり、1-9の配置。10室の強さと2-11支配の水星ということで、社会的な強さを得るタイミング。またRaの異文化での動き。

以下、若者賞のサイト。YWCA系。

かつて日本で放映された娘の番組(30分)も転載されていたのでシェア。日本語。


存在の祝福:私にとって長女は、本当に大切な存在で、私の人生に素晴らしい転機と可能性をもたらしてくれました。娘の存在は、私の人生に対しての大きな恵みです(私のヴィムショッタリーダシャーでは月-土星期で、月は4室、土星は9室でラージャ・ヨーガのタイミングです)。
遺伝性の障害を持っており、当初は私の両親に出産に対して反対を受けたりもしました。しかしやはり存在の尊さ、重みは何者にも変え難く、生まれてからは、ずっと私の両親も娘のことを応援してくれて、留学もずっと応援してくれました。私の両親に心から感謝したいと思います。私は稼ぎの悪い非営利的な生き方を20〜40代にしてきましたので、自分の財力では全く留学などを実現することはできませんでした。
娘のチャートを見る時、9室の強さ、祝福の力を思うところです。また木星の力も強く、6室8室は困難を示しているところもありますが、それを上回る大きな助けや祝福を得て生きていくことが示されているようなチャートだと思います。


D9も星座交換:D9でも星座交換が2つできています。ラグナは射手座。3室水瓶座に7,10支配の水星在住、10室乙女座に2,3支配の土星が在住で星座交換。また、5室牡羊座に8室支配の月在住、8室蟹座に5,12支配の火星在住で星座交換。火星は蟹座で減衰ですが、星座交換でニーチャバンガ(減衰キャンセル)です。D1,D9合わせて3つの星座交換があり、比較的星座交換が多めのチャートです。


D9での父子類似:D9で私のチャートでは牡牛座が12室で木星と太陽がコンジャンクトしておりラージャ・ラクシャン・ヨーガ。娘のD9では蠍座が12室で、太陽と木星が在住しておりラージャ・ラクシャン・ヨーガ。D9の12室で親子揃ってラージャ・ラクシャン・ヨーガ。配置位置は違いますが、同じ要素があり、親子チャートの類似性の面白さを見ます。


現在:Ra-Ve期で、2-11であり、仕事面での成果や収入面などでの良さがありそうです。また、RaVeのコンビネーションは恋愛などの傾向が生じる組み合わせ。何か良い出会いなどありそうでもあります。


再掲

終わりに:生きるということは、さまざまな困難や苦難にも出会う機会でもあります。娘は生まれつき骨が弱い体質を持ち、幼少期は度重なる骨折で痛い思いもしてきました。しかし、小さい頃から「うち(私)って幸せ!」と言いながらニコニコ笑って、多くの人や機会に恵まれて生きてきた子でした。
人生は恵みの機会でもあります。多くの恵みを受けて祝福の人生を娘が送れていることに、心より感謝します。

(宇宙っち、私の人生に娘として生まれてきてくれて、本当にありがとう)


娘のチャートを通してのいくばくかの分析と知見などを述べさせていただきました。

インド占星術に興味を持たれた方は、私の先生である清水俊介先生の無料動画コースが大変充実しておりおすすめです。
また、辞書的に使える「インド占星術大全」もおすすめできます。
私は2010年ごろからインド占星術を学び始めましたが、当時は書籍などは非常に限られていました。今は清水先生とお仲間で大変多くの書物が訳され、恵まれた状況になってきました。
機会があれば共に楽しく学んでいきましょう。

清水先生監修の元、私が開発している「Jyotish-ONE」というwebアプリもどうぞご活用ください。

ではまた。

追伸:私は最近は鑑定などしていませんが、友人知人の方はよろしければお声掛けください。

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