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「祈り」の効果の研究と、そこにある希望

何かの危機を前に個々人の「祈り」は無力に見えます。
しかし、米国の「スピンドリフト」という研究グループの実験によって、

1. 祈りには量的効果がある(多くの人が祈るとより効果が大きくなる)
2. 方向性を設定せぬ祈りに、質的な効果が見られる(「こうであってほしい」と祈るより、ただ最善を祈ることで、最善の方向への調整が促進される)
3. 困難な状況への祈りは、効果が高い

という3つの重要な法則が統計的に検証され、示されています。
その検証を、以下に公式サイトから仮訳で具体的に引用し、紹介させていただきます。
引用元(Spindrift Reserch): http://www.spindriftresearch.org/examples.php 


「スピンドリフトの祈りに関する研究 —3つの重要な示唆—」


祈りの効果についての大変興味深い実験と研究を、「Spindrift Research(スピンドリフトリサーチ)」というアメリカの研究グループが、植物の種(大豆等)を使うなどして多数行っています。

祈りに効果があることが統計的に示された、とても価値のある実験とその結果が掲載されているので、その中で特に興味深い実験を3つ引用(訳)させていただきました。

1・祈りの量的効果
2・方向性を設定しない祈りの質的効果
3・困難な状況下にある対象への祈りの効果の増加
についての検証です。

ちなみに、実験で植物を使うのは、プラシーボ効果他の人間心理による影響の複雑性を排し、単純に効果を数値で見るのに向くことが重要であるとのこと。スピンドリフトの丁寧な検証に敬意を表します。

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1、「祈りの量的効果」


(祈りの量が多くなると、効果も増える、ということが検証された実験結果に価値を感じたので、以下、実験内容を引用します)

生育に負荷をかけられた大豆を、「コントロール(対照区=祈られないグループ)、X、Y、Z」の四グループに分けた。
XとYの大豆は、1日1回一緒に祈りを受けた。
YとZの大豆も同様に、1日1回祈りを受けた。
従ってYは、毎日XとZの倍の祈りを受けた。

その結果、対照区(祈られなかったグループ)のスプラウトは、平均11.5%の成長率。
Xグループは、祈られなかった対照区グループより2.0%大きく成長した。
Zグループは、祈られなかった対照区グループより3.1%大きく成長した。
Yグループ(二重の祈り)は、祈られなかった対照区グループより5.4%成長した。

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2、「方向性を設定しない祈りの質的効果」

(「こうであってほしい」という目標・方向性を持った祈りより、「目標・方向性を設定しない祈り(non-goal directed prayer)」の方が、結果的に良い効果が見られたという実験結果に興味深いものがありました。「最善を祈る」ことに質的効果があるようです。以下、その実験に関する記述からの主要部分を抜粋します)

「二つの方向性を持つ大豆の実験」
The Bi-directional Soybean Experiment.

まず、どうやって二つのグループを試験したかについて述べる。
二つのグループは、同時に祈られた。
一つの大豆グループは、水に浸され過ぎていた。
もう一方は、水が足りなかった。
従って、どちらのグループの大豆も通常の水分量からかけ離れていた。

祈りのボランティアの人々は、二グループの大豆を横に並べて祈った。
ほとんどのボランティアは、バッグの中に入っている大豆グループの、どちらが水が多すぎて、どちらが水が少なすぎるか知らなかった。

また別に、コントロール(対照区=祈られない)グループをつくり、大豆を同様の水分状況に置いた。
対照区グループは祈っている人々の視界の外に置かれ、技術者ができる限りベストを尽くしてテストを実施した。

多くの祈りの提供者は、祈るための特定ニーズを知らなかったが、祈りは二つの大豆グループに向けて行われた。
結果が出てみると、仮説の通りのものであった。
「目標を設定しない祈り(non goal-directed prayer)」は、水の多すぎた大豆の水分量を減らして通常の水位まで下げさせ、一方、水分量の足りない大豆の水分量を増やして通常の水位まで持ち上げさせた。
そのように、それぞれ異なったニーズに適った効果が確認された。

それと比較して、「目標を設定した祈り(goal-directed prayer)」は、大豆の平常状態やニーズに向けて調整することを行わなかった。
それが意味するのは、目標を持った思考(祈り)の量的効果は、治癒効果の質を顧みないものであった、ということである。
代わりに、目標を持った思考(祈り)は、大豆の状態を改善しない効果を押し付けるものだった。

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3、「困難な状態下にある対象へ祈りの効果の増加」

(困難な状態にある対象への祈りは、通常状態の対象への祈りより、より効果がある、ということが示された興味深い実験を以下に引用します)


14,400個の緑豆を塩水につける負荷をかけ、24時間9日間置いておいた。
そしてそれを、8,400個の祈られないグループと、
6,000個の祈られるグループとに分けた。

その結果、祈られないグループは、コンテナごとに20-38のスプラウトが出た。
祈られたグループは、コンテナごとに45-71のスプラウトが出た。
祈られないグループは、28.4本のスプラウトが平均。
祈られたグループは、52.6本のスプラウトが平均。
祈られなかったグループに比べ、祈られたグループは平均85.2%の増加を見た。


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結び


そこで、祈りには、
1、量的効果が見られる傾向があり、
2、我々が「こうであってほしい」という願いを持つ以上に「最善を願う」(non-goal directed)ものの方が効果が見られ、
3、困難・ストレスがある対象に、より効果が見られる傾向がある、ということが、スピンドリフトの実験では見られます。

特に、1のケースでは通常の2〜5%程度の増加率しか見えなかった祈りの効果が、3のケースでは倍増に近い85%もの増加率を示したことに驚きと希望を覚えます。大変興味深く、示唆的ですね。

その他、いろいろ実験結果が前記公式サイトには書かれていて興味を惹かれます。

祈りだけで全てが解決するとは思えませんが、スピンドリフトの取り組みから、祈りにも価値と効果があると知ることは、意義深いことであると思います。

そして、様々な状況に対して、最善を願う祈りの輪が広がっていきますことを願ってやみません。

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