ノスタルジア~サザエの旅~ 第1回放送第1話「75点の天才!」No.2

さて。
いきなりカツオに首を絞められてしまったハマコおばさんは大変ご立腹。

ポイント7 他人の子供を悪く言う ※親に直接!

サザエとフネに対し、「はっきり言ってカツオは出来が悪いわね」と暴言。
いくら首を絞められたとはいえ、わざとではないし、
親に直接こんなことを言うのは個人的にかなり驚いたところ。
そして一瞬のシーンだが、首に締め跡がじんわり残っているのも見どころ。
こんな描写も現代にはない。

ところでハマコおばさんは、親戚なのか全くの他人なのか、話の最後まで分からない。

ポイント8 怒り=赤

とても分かりやすい表現である。歯も尖っている。
現代アニメでは歯すら描かれていないのでこれには違和感。

さすが頼もしいほどの弟思い。愛する弟を馬鹿にされ怒り狂ったサザエは、75点の答案をハマコおばさんに見せようとするが、いくら探してもなぜか見つからないのである。

そしてカツオに聞いても、カツオ自身ありかが分からない!
貴重な1枚、、、本当にどこにいったんだ!焦る3人。。。

ポイント9 フネの気性の荒さ

75点なんてハナから信用していないハマコおばさんが
痺れを切らし帰ろうとしたところ、
サザエとフネが捕獲・軟禁。
現代ではサザエの暴走を止める立場にあるフネだが、
当時はサザエに便乗してことを荒立てることも。

少し脱線するが、現代アニメで、学生時代のフネのやんちゃさが言及されているため、サザエの活発な性格は、母親譲りの可能性が高い。
アニメを見やすくする過程で、大暴れキャラはサザエ一人に任せることとし、フネは「”昔”やんちゃだった」という設定にしたのだろう。


さて、この後、
引き続きハマコおばさんを待たせ、カツオの名誉のためにサザエとフネは各自で必死に75点の答案を探すことになるのだが、それぞれで新たな問題が発生してしまう。
(当時の物語は本当にまとまりがなく、焦点があちこちへ飛ぶため見にくいが、これもご愛嬌!)

ポイント10 ド定番!へそくり!

まずはサザエが捜索中、飲み帰りのマスオが気分良く帰宅。

酔っ払い=赤
おいマスオ。初登場がこれでいいのか?
おみやげのこの持ち方は実際やっている人はいたのだろうか?

すると、ちょうどサザエが持ったアルバムからマスオのへそくりがヒラヒラと!大事件の予感。

このことで酔いが覚めるマスオ・・・
(ここの描写の工夫、いるか?)
聖徳太子の1万円は、1958年から1986年まで発行された。
(ちなみに5千円札も聖徳太子だった。)
そのひとつ前は、1000円札が聖徳太子。
聖徳太子ってすごいなあ。

へそくりが夫婦喧嘩の下火となるなどのおもしろネタになるには、【夫が稼いだお金を妻が全て管理してやりくりする】という家計のシステムが成り立っていることが必須条件だ。
こうしたシステムの中で、夫が給料を妻に渡す前にいくらか自分の懐にしまったり、妻が夫の給料の一部を生活費に使ったフリをして自分の懐にしまったりという、【公金を私金に流用する犯罪性】にへそくりの本質がある。

現代は継続的に妻が夫並みの給料を得て、夫婦別々で収支を管理する私金主義家庭が増えてきているため、
へそくりという文化は既に死んでいるような気がする。
事実、私はへそくりの何が面白いのか、へそくりの何がいけないのか、全くもって分からない。


ポイント11 浮気発覚はラブレターから

一方フネが捜索中、波平あてのラブレターを発見し問いただす。

ラブレターをハサミで切り刻んだ延長で、波平も切ろうとするフネ。

携帯電話のないサザエさんの世界では、浮気といったらラブレターやワイシャツのキスマーク、スナックのマッチ棒がお決まり。その中でもラブレターは他の二つと違ってお店系確定ではないので、図らずとも「ガチ感」が出てしまうところが特徴。

オチ

両夫婦とも凄まじい争いの結果、女側が勝利し終戦するのだが、
この一連の騒動により本来の目的をすっかり忘れてしまうのであった。
サザエもフネも、自分達は何をそんなに必死になって怒っていたのだろうといった具合だ。
最後にはマスオのへそくりを使って食事に出掛けようと家族全員が家を出発して平和に終わる。
ハマコおばさんを部屋に待たせているのを忘れたまま。。。

さいごに

話の流れが一貫せず、終始ストーリーの焦点の定まらないが、最後に無理やりまとめて終わる。アニメならではの「大袈裟さ」がインパクトを残し、いつの間にか視聴者は細かいところまで気を配ることができなくなる。
ドタバタコメディの要素が強い。

また、夫婦喧嘩で女側が勝つと、女の読者や視聴者からの共感、応援を得やすくなる。当然、まだまだ男が強い時代。女性の団結力というのは恐ろしいくらいに世の中を動かすもの。サザエさんを含む様々な作品(アニメ、本、音楽、演劇)に後押しされて、少しずつ現実の女が強くなってきた。

タラちゃんについて、絵のみの登場となり、声はまだ発していない。まだ家族との関係が分からない状態で終わっている。ふーむ。

とりあえず第1話ではとにかく現代の常識とはかけ離れた情報が大量に出てきて興味深かった。今後へのつながりが楽しみだ。


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