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鮮魚部・渡部の「美味しいものについて、話そう」:冬に食べたくなる郷土料理編

全国から選りすぐりの“ほんまもん”を集めたスーパーマーケット・フレンドフーズには、食にこだわりを持ち、何より美味しいものが大好きなスタッフがたくさん。

そんなスタッフの中から、北海道出身で、幼いころから食への興味が尽きないという鮮魚部の渡部さんに、美味しいものへの愛をたっぷりと語っていただきます。

今回はお正月に作る、郷土の味のお話です。

冬に食べたくなる郷土料理編

寒くなると食べたくなるもの、皆さんは何ですか?
お鍋、粕汁、クリームシチュー、おでんにホカホカの肉まん…。温かいものが思い浮かびますが、私は冷たーーーいお漬物。

その昔、北海道の港町では12月に入ると、多くの家庭で「ニシン漬け」や「飯寿司」を作りました。大晦日やお正月の食卓には、それぞれの家庭で作ったものがおせち料理と並んで食卓に登場します。

「ニシン浸け」の材料は、身欠きニシン(ニシンの干し物)、大根、キャベツ、にんじん、生姜、米麹など。12月に入ると洗濯物を干す竿に、大根を干していた風景を今も思い出します。

私が育った家でも「ニシン漬け」を毎年漬けておりましたが、その樽は物置で保存するため気温は氷点下。当然、樽の中の漬物も半凍り状態で、ジャリジャリと半分凍ったまま食卓に並んでいました。

そして、もう1つの「飯寿司」。

塩漬けした魚を野菜と米、米麹で漬ける料理で、魚には鮭やハタハタなどを用いるのですが、魚の処理が仕上がりに大きく影響します。大きな鮭はさほどでもないのですが、ハタハタは一尾ずつの処理にとても手間がかかるのです。

大晦日にはそれぞれの家庭で漬けた飯寿司を親戚に配るので、お正月の食卓には、祖母や叔母達が作った飯寿司が並び、その味比べも楽しみのひとつでした。

しかし、今やそんな手間暇のかかる「飯寿司」を漬ける家庭もほとんどなくなり、取り寄せできる市販のものは、保存料や甘味料が入っていて似て非なるもの。

友人のお母様が作ってくれるものを年末に送ってもらうのが、今、唯一の楽しみになりました。

「飯寿司」を自宅で作るのちょっと無理ですが、「ニシン漬け」なら少ない量を自分で作ることも可能で、その際に使っているのが富山「石黒種麹店」さんの「米麹」と鮮魚部で売ってる「身欠ニシン」。

ニシンの下処理に多少手間はかかるものの、後は野菜・米麹とともにジップロックに詰め込めば二週間ほどで食べ頃になります。

ニシンの旨味が野菜に移り、野菜の水分でニシンは柔らかくなり、ほんのり麹の甘味が広がります。漬かり始めから多少酸味が出る頃まで、毎日ちびちび楽しめますよ。

京都は漬物文化もありますし、ニシンも馴染み深い食材。北の味である「ニシン漬け」ですが、案外京都人の味覚に合うかも…なんて思ったりしてます。フレンドフーズの店頭にも身欠きニシンは並んでおります(※)ので、機会あれば作ってみてくださいね。

※店頭にないときは、ぜひスタッフにお声掛けください

ご紹介した品

・カネトイチ土門商店「身欠きにしん」(170g 税込765円)
・石黒種麹店「米こうじ」(400g 税込843円)

◆この記事を書いた人

名前:渡部 智子
部門:鮮魚部

2022年の春からフレンドフーズの鮮魚部で勤務を開始しました。生まれも育ちも北海道。20歳から45歳まで札幌で建築関係の仕事をしており、その後和菓子の道へ転職して4年目に京都へ移住。 そして、11年目の春、和菓子だけに止まることができず、たくさんの「美味しい」を提供しているフレンドフーズへと行きつきました。 美味しいものを求めるお客様にお会いできることをとても楽しみにしております。


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