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【スタッフおすすめの“ほんまもん”】「想いやり生乳」編
こだわり商品を集めた京都市左京区のスーパー「フレンドフーズ」より、各部門の担当がおすすめ品をご紹介している本連載。
今回は、加工品やお菓子、豆腐・納豆、卵、冷凍食品、お酒、乳製品などを扱うフロア部が担当します!
今回のおすすめ商品「想いやり生乳」
こんにちは。フロア部の竹本です。
ジュースやお酒、乳飲料などの飲料も担当するフロア部から今回おすすめするのは、北海道の想いやりファームさんより仕入れている「想いやり生乳」です。
△想いやりファーム「想いやり生乳」(180ml 税込540円/720ml 税込1,620円)
ぜひ間違えずに覚えていただきたいのは、本商品は「牛乳」ではなく「生乳」ということ。生乳とは牛から搾乳した乳そのものを指し、牛乳のような熱処理(殺菌処理)は一切していません。
「想いやり生乳」は日本で唯一、生のままで飲める生乳商品。「熱処理をしなくても安全に飲めるの?」といったご質問をよくいただくのですが、ご安心ください。牛たちが非常に健康で悪性の菌が発生しないため、その必要がないのです。
「想いやり生乳」を仕入れる理由
もう少し詳しく、生乳と牛乳の違いや、なぜ「想いやり生乳」だけが熱処理不要なのかについて説明していきましょう。
そもそも牛乳に加工するための熱処理には、高温殺菌と低温殺菌の2種類があります。高温殺菌牛乳は一般的によく出回っている大手メーカーの牛乳に多く、文字通り高温で殺菌するため、乳の中に含まれるたんぱく質が焦げてしまいます。
牛乳独特の香りや風味は、実は牛のものではなく、この高温殺菌により生じたもののケースが多く、これが苦手だという方もいらっしゃいます。
一方、低温殺菌牛乳は生乳本来の味や成分をいかすため、たんぱく質の焦げを抑えて作られます。
一瞬で殺菌が可能な高温殺菌よりも、長い時間をかけて低温で殺菌するので、高温殺菌牛乳に比べて同じ時間で作れる量には差が出ます。この生産可能量の違いから、大量生産には高温殺菌が採用されるのです。
そして高温殺菌と低温殺菌、どちらも施していないのが生乳です。
先にお伝えした通り、「想いやり生乳」は牛にストレスをかけない環境で育てているため、搾ったままの状態でも生菌(雑菌)数が食品衛生法上の基準値を大きくクリアしています。
その数、1ミリリットルあたり0~10個程度。ちなみにこの数は高温殺菌牛乳と同程度! 殺菌せずとも高温殺菌牛乳と同じほどの生菌数とは、驚きですよね。
加熱をしていないため牛乳独特のにおいや口に残る味がなく、サラッと飲めるのが特徴。牛乳を飲みなれたお客さまがこの「想いやり生乳」を飲まれると、「味が全然違う!」とよく驚かれます。
牛乳嫌いでも「この生乳なら大丈夫」という方も多くいらっしゃるんですよ。
なお、想いやりファームで飼育される牛のエサは、無農薬、無肥料、無配合飼料の草のみ。この牧場のすごいところは、例えば決まった時間に搾乳をしたりエサを与えたりなど、人間の都合を牛たちに押し付けないところです。
搾乳ひとつにしても牛たちが自分のペースで搾乳室に入ってくるのを待つといった風に、徹底してストレスを与えないようにしておられます。
時には原乳不足もおこる中、その環境下で「想いやり生乳」を作り続けるのは、並大抵の努力ではできないこと。
効率の良い生産方法が世の中にたくさんあふれているのに、この方法を貫かれている想いやりファームの皆さんは、きっと高いプライドを持って仕事をされているのだろうと、心から尊敬しています。
△想いやりファームの様子(写真提供:想いやりファーム)
おすすめの飲み方
まずはその味や口あたりをダイレクトに感じていただくために、ぜひそのままの状態で飲んでいただきたいです。
寒い冬は牛乳を温めホットミルクにされる方もいらっしゃいますが、この「想いやり生乳」は加熱することによって酵素やラクトフェリンが死んでしまいます。
せっかくの良い菌を殺してしまうのはもったいない! 体温ぐらいの温度で飲むのが一番おすすめです。もちろん冷やして飲んでいただいても問題ありませんが、自分の体温に近い状態で摂取すると身体に栄養が吸収されやすく、消化もスムーズにいくんですよ。
またちょっと驚きの使い方として、「赤ちゃんに母乳代わりにあげる」こともできます。酵素や乳酸菌、ラクトフェリンが含まれ、またカルシウムが豊富で大腸菌や雑菌などがほぼいないため、赤ちゃんが飲んでも安心なのです。
この商品が好きな方には、これもおすすめ!
生乳ではないのですが、島根県にある木次乳業さんの「木次パスチャライズ牛乳」もおすすめ。木次乳業さんは日本で初めて低温殺菌牛乳を生産した会社です。
△木次乳業「木次パスチャライズ牛乳」(500ml 税込208円/1000ml 税込380円)
「パスチャライズ」とは牛乳の熱処理方法をあらわす言葉で、「病原菌を殺す」ことと「生乳をできるだけ変化させない」ことの、二つを同時に満たす熱処理方法です。
味は濃くなく、スーッとなじんでいくピュアな味わい。そのまま飲むのはもちろん、カフェオレに使ったり、ホットミルクにしたりと、おいしく飲んでいただけます。
ちなみに、当店の惣菜部門で販売しているホワイトソースにもこちらの木次牛乳を使用しています!
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一見、価格が高いように思われる「想いやり生乳」ですが、牧場の皆さんの努力や商品の安全性を考慮するとその価格にも納得。ぜひ一度お試しください!
記事担当者の最近のひとこと
2、3年ほど前からラーメンの食べ歩きにはまっています。バイクでの通りすがりや、散歩途中、出先などで気になるラーメン店を発見したら調べて食べに行っています。
この記事を書いた人
名前:竹本 督(たけもと すすむ)
部門:フロア部
フロア部で洋日配(飲料、乳製品、デザート)の担当をしております。毎日の業務の中で、お客さまから教えていただくこともたくさんあり、日々勉強中です。よろしくお願いします。