スーツ嫌いがオーダースーツを作りに行った話
私はスーツが嫌いだ。
他の人が着ているのを見るのはとても好きだけれど、自分が着るとなると気持ちが悪くて仕方がない。
デザインというより、スーツを着なくてはならないという風潮が嫌いだ。
スーツを着てさえいればまともなのか、そう問いかけたくなる。
しかし、生きていればスーツを着なくてはいけないこともある。
自分に似合うスーツを買ってみれば少しはましに思えるのではないかと思った。
そこで、それなりに安くオーダーができるお店を見つけて行ってみた。
雑居ビルの一角に足を踏み入れると、まず生地を選んでくださいと言われた。
なにがいいか分からなかったので、とりあえずウール100%のものにしてみた。
次に、デザインを決めた。
ピンとくる項目も来ない項目もあった。
これが一般的ですけどそうしますか?と聞かれたものは、それでお願いします。と言った。
好みで決めるらしいものは、直感で決めた。
いよいよ、採寸だ。
言われるがままに動き、一通り測り終わると、サンプルを着ることに。
どうやらここから細かく決めていくらしい。
ウエスト余裕があるのでもう少し細くしますか?とか、襟の幅を変えますか?だとか、色々聞かれた。
ここも直感で要望を伝えた。
お店に入ってから1時間もかからないうちに全行程が終わった。
スムーズで快適だった。
直感で決めてばかりいたが、なんとなく好きなものになりそうだ。
スーツが嫌いだったのは、既製品だとこだわれるポイントが少なかったからかもしれない。
出来上がりが楽しみだ。