劇団菊地「泥の子」を観ました。

11月15日、私は久々に観劇というものをした。
演目はタイトルにもあるように「泥の子」
劇団菊地の第6回公演だ。

中高の後輩が出演するということで、友人と共にアトリエファンファーレ東新宿へ。


物語の舞台は敗戦国となったあとの東京。
とある木賃宿には様々な事情を抱えた人々が集まり、生きている。

色々と思うことがあった。
中でも印象に残ったのはマーボーという女の子だ。

彼女は登場人物の中で異質な存在だった。
1人だけ、学校に行き、教育を受けている。
選挙は生活を変える(意訳)と、学校で習ったんだとキラキラした目で語る様子が忘れられない。

しかし、彼女は病を患った。
そしてその治療費のために姉が自らを犠牲にしていると知り、自ら命を絶ってしまう。
死ぬのは嫌だと願った彼女が自ら死を選ぶ辛さを、私がこの先何十年生きたとしてもきっと感じることはない。

1本1000円のペニシリン。
命を救うはずだったペニシリンが、血の繋がらない姉妹を引き裂くことになるなんて、現代に生きる者のうちどれだけが想像出来るだろうか。

妹が生きていることが幸せだった姉と
姉と夕焼け小焼けを歌うことが幸せだった妹


もうこんな時代には戻ってはいけない、戻してはいけないのだと、強く思う。
薄っぺらく聞こえるかもしれないが、戦争は絶対にしてはいけないのだ。

勝った負けたの問題ではない。
戦争をすれば必ず人が死ぬ、このことを皆忘れてしまったのだろうか。

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