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スケートをする人々

園子温とプロムで踊る夢をみた
明朝、流れゆくワルツと共に

彼の映画をすきだ 愛している
うっとりしてしまう
生きていてもゆめをみられるのだと

冷たい熱帯魚をみたらしい父は
彼を気持ち悪い映画をつくるひと
だとにがい顔で言うので
私は少しばつが悪くなって知らないふりをした
血肉の垂れた風呂場や、チェロケースから覗くセックス、そういうものにときめくあなたのむすめよ
そう思いながら冷めた夕飯をたべた

ゆるされたい

幼稚園児だったとき とある姉妹と仲良くしていた。とくに妹は可愛らしく小さかった いっしょに積み木をしたりして終わらないこどもを過ごしていた
ゆめのなかで私は彼女のほそい首を絞めた 恍惚だった 愛らしいものを壊すことに
醒めてひどく恐ろしくなった 5才の私は自分のなかがぐちゃぐちゃになるのを感じた
そういうことをおもいだして、でもそんな私をゆるしてくれる 彼の映画は

とくべつ愛しているのは奇妙なサーカス。
冒頭の真っ赤な詩を壁に映すと、いきていると感じてうれしい あんなに死にたいとおもうのになあ

軋む観覧車のおとをきいて きょうもぼくはねむるよ 彼に救われている もうここにはおとうさまもおかあさまもいません 刹那に生きたい 名前のない仔犬がわたしを食べにくる迄





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