伊那谷日記②〜オオキンケイギクと試行錯誤
オオキンケイギクが河原にいっぱい咲いている。
黄色い花びらは初夏の日差しを浴びて輝きをまし、川筋を流れる風に揺れ動いている。
黄色い絨毯のようにと言うのはこういうことかと納得する。
私は素直に美しいと思う。
オオキンケイギクは外来植物だと言う。繁殖力旺盛で、日本固有の植物を圧迫しているのだと。
もともとこの繁殖力の強さを見込まれて、工事の後の緑化植物として導入されたらしいが、近年この強すぎる繁殖力により特定外来生物に指定されたらしい。
この美しくも強い花は、特に人が手入れをすることなくても群生し、季節が巡ればまた黄色に輝く花畑を形成する。
種からも根っこからもまた増えるらしい。
美しさの基準は人それぞれで、黄色い花が一面に咲き乱れるのも迫力満点で美しいし、大小様々な植物が色とりどりの花をつけるのもまた美しい。
オオキンケイギクが特定外来生物にであっても、なかなか抜取り除去が進まないのはこの迫力を生む美しさのせいなのだろう。
ブラックバスがなかなか減らないのと同じ理由。ブラックバスも釣り師にとってとても魅力的な魚なのだと思う。
オオキンケイギクとブラックバス、どちらも私達人間が勝手に連れてきて利用して、増えすぎて、困って、駆除している。
全然追いついてはいないけど。
人間て勝手すぎる、一体何なんだろうって思うけど、間違いに気がついたら直さないと。自分達のした事の尻拭いはやっぱり自分達でしないと。
これから先、色々なことで何度でも間違いに気がつくだろう。
だから何度でも直して、試して、また直して。
何度でも、何度でも。
オオキンケイギクさん、家の近くで見つけたら、キレイだねって一言かけて、根っこから引っこ抜くからね。