見出し画像

世界史の沼にはまる読本その4 クレオパトラ編

はじめに


 クレオパトラと言えば、絶世の美人でプトレマイオス朝エジプトの最後の王となった人ですね。自分の地位を保つために、ユリウス・カエサルやアントニウスといった、男性の手を組んだのですが、最後にオクタヴィアヌスを味方に引き入れる事ができず滅ぼされてしまいました。
 戦略的には、カエサルの子供であるカエサリオンと、当時ローマに大量に輸出をしていた小麦を利用して行けば良かったと思うのですが、アントニウスという男を利用しようとしたところが、結果的には間違いであったということです。
 そう、エジプトってローマ帝国の時代は小麦を大量に生産していた、豊かな農業国だったのです。これが、ナイル川の上流にアスワンダムというものを作ってしまったために、毎年肥沃な土壌を供給してくれる洪水が無くなって、生産量が落ちてしまったのです。人間が自然を支配しようとした、失敗をしてしまった良い例だと思います。

1.小説


◎『クレオパトラ』(上下全二冊)
 宮尾登美子:著 新潮社 新潮文庫
(無駄なく、史実に基づいてクレオパトラの一生を描いている小説です。日本の人の書いた、外国の人の小説は必要最小限の内容になっているので、読みやすいです。)

◎『クレオパトラ Ⅰ ~神々の血を継ぎし娘~』
 『クレオパトラ Ⅱ ~エジプト最後の女王~』
 カレン・エセックス:著 那波かおり:訳 KADOKAWA
 角川文庫
(プトレマイオス朝の王国の維持が、近親結婚で成り立っていたという事実から始まります。途中で謎の儀式を行ったりしていて、よく分からない慣習などが出てきます。翻訳物には我々には非現実的とも思える記述などがあります。それもまた面白いところではあります。)

2.漫画


◎『クレオパトラ』
 里中満智子:著 笠原出版社 笠原漫画文庫
(クレオパトラの一生を描いた漫画ですが、オクタヴィアヌスが杉優しい人物に描かれているのが気になりました。優しいのならば滅ぼしたりしないのにね。)

3.古代エジプトの歴史


◎『古代エジプト入門』
 内田杉彦:著 岩波書店 岩波ジュニア新書576
(古代エジプトのファラオについて年代順にまとめた本です。たんたんとよくまとまっています。ちょっとまとまりすぎて、面白みには欠けます。)

扉の写真
 ガクアジサイのようですが、甘茶の花です。


いいなと思ったら応援しよう!