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ワクワクする人生には、ライフプランニングが重要だった!〜ワンランク上のフリーランスになる!

新年になり、どんな年にしようかとワクワクしている方もいれば、「先が見えない!」と不安になっている方もいるかもしれません。

では、なぜワクワクできる人とできない人がいるのでしょうか。違いは、「ライフプラン」の有無にあります。
人生を作っていくのは、日々直面する選択や行動の積み重ねです。その選択や行動の羅針盤となるのが、ライフプランです。

フリーランスとして、どう人生をデザインしていくのか。それを考えるのは、誰でもない自分自身です。1年の始まりの今だからこそ、少し時間をとって、自分のこれからの人生、つまりライフプランを思い描いてみませんか。

ライフプラニングとは何か

「いきなりライフプランを描け」と言われても、何から考え始めればよいか困る方もいると思います。そこで、おすすめなのが、マーケティングの考え方に倣って、「何を・誰に・どうやって」という3つの要素に分解してみること。図にすると、以下になります。

図1

図1の上の段にある「何を」「誰に」は、マーケティング用語ではValue Proposition Canvasと言い、どんな領域で誰に対してサービスを提供するかを考えるための図です。ライフプランニングに用いると、フリーランスとしての自分の戦い方を明確にできます。

下の段では「どうやって」のHowの部分を考えます。ライフプランニングに用いると、「自分の目指す働き方」、つまり希望するワークスタイルを明確にできます。

上段と下段を両方考えることで、ライフプランを考えることができます。

「何を」「誰に」を考える

まず、「何を」は今後目指したい自分の仕事の世界観を描きます。
たとえば、「領域×必殺技」で考えてみましょう。取り組んでいきたい領域と自分ならではの必殺技は何かを言語化します。
「誰に」はクライアントの「Gain(成果や得られるもの)とPain(悩みや痛み)に対して、自分の必殺技がどうそれに効くのかを考えます。

問い
「あなたの必殺技は何ですか?」
「あなたが活躍したい領域やテーマは何ですか?」
「あなたが助けたい/救いたい人はどんな人ですか?」

領域と必殺技で考えることをおすすめしているのは、世界観を描きやすくするためです。そのほうが、物語として考えやすいためです。
物語には様々なパターンがありますが、ライフプランニングで大切にしたいのはヒーローストーリーです。登場人物のヒーローは自分、助けられる人がクライアントです。どんな人たちをどんな必殺技で助けたいのかを描くのです。

では、いくつか例をあげてみましょう。

【デザイナー】
とあるフリーランスデザイナーの方の必殺技は「一目で引き込む視覚ストーリーテリング」。D2Cブランドが得意領域で、ブランドガイドラインを瞬時に理解し、ターゲットの心に響くストーリーまで含めたデザイン案をすぐに数パターン提示できます。
クライアント側も自分たちだけでは表現できないシーンを見事に描き出してもらえることに高い評価をしています。しかし、この人の真価は実はリリースまでの伴走。スケジュールが逼迫し悲壮感漂うクライアントメンバーを、時に笑顔で励まし、時には陥りがちなリスクを提示して回避させるなど安心感と先読み力のあるサポートに対して、クライアントからは「ブランド立上げのスーパーヒーロー」と呼ばれているそうです。
 
要介護者の自立を促す建築士】
「大改造‼︎劇的ビフォアアフター」というリフォームのテレビ番組をご存知でしょうか。住まいの悩みを建築士の方が解決して家族を幸せにするというストーリーです。ここでは「匠(たくみ)」と呼ばれる建築士の方に二つ名がつけられています。
たとえば「バリアフリーの熱血講談師」という方は、単に介護がしやすい機能的な家ではなく、要介護者が自立できる家にするという理念を持っているのです。介護者のPainを解消するだけではなく、要介護者の自立という想像以上のGainも得られるクライアントにとって、まさに家族を救い、幸せな生活をもたらしてくれるヒーローと言えるでしょう。

このように物語として考えることで、自分の必殺技やそれが何を解決するのかが言語化されていきます。ぜひ、あなたの理想のヒーローストーリーを描いてみましょう。

「どうやって」働き暮らしたいのかを考える

次は自分の働き方や暮らし方について描いていきます。ここでは4つのテーマで問いに答えていきます。①何を優先するのか、②どこで暮らし働くか、③誰と働くか、④どれくらい働くか、の4つです。

①何を優先するのか

問い
「あなたが大切にしたいことは何ですか?」
「大切にしたいことの優先順位はどんな順番ですか?」
「それぞれに使う自分の時間やエネルギーはどれくらいですか?」

 まず、2つの問いを通して、家族やパートナー、友人や人間関係、趣味、自由な時間、心身の健康、学びや自己成長、お金・蓄財…‥など自分にとっての優先順位づけを考えることができます。

そうすると、自分の時間やエネルギーをどう使いたいのかが見えてきます。「何をしているときに最も満たされた気持ちになるか?」「人生で後悔したくないことは何か?」。大事なのは、他者の期待や一般常識に引きづられないこと。自分の本当の気持ちを優先してください。

 ②どこで暮らし働くか

問い
「どこで暮らしたいですか?」
「どこで働きたいですか?」

 オフィスを構えるのか、自宅で働くのか、全国や海外を飛び回るのか、移住するのか、二拠点生活を送るのか、仕事と休暇を兼ねたワーケーションなど、フリーランスの醍醐味は、働く場所の自由度が高いこと。

近年、移住やワーケーションについては自治体が様々なプログラムを整えています。既にそういった仕組みを利用している経験者の方もいます。「生まれた場所だから」という理由だけではなく、自分が本当に暮らしたい場所について、立ち止まって考えてみませんか。

③誰と働くか

問い
「どんな人たちと働きたいですか?」
「どんなコミュニティに属したい/作りたいですか?」

 フリーランスだから、自分は一匹狼だと思っている方もいるかもしれません。ですが、会社員のような分かりやすい繋がりでなくても、何かしらの繋がりや絆のうえで、仕事をしているもの。

クライアントはもちろん、仕事を紹介してくれる紹介パートナーや、一定期間一緒に働くプロジェクトメンバー、お互いに刺激し合う仲間、迷った時のメンターなど、自分が心地良いと感じる人達をリストアップしてみましょう。そこから、「どんな人たちと働きたいか」の共通点が見えてくると思いますよ。

そういった大切な人達との繋がりはフリーランス人生を豊かにすること間違いなし! ぜひ、引き続き、大切にしていけるようライフプランニングをしてみましょう。 

④どれくらい働くか

問い
「どれくらいの頻度で働きたいですか?」
「どれくらいの収入を得たいですか?」
「どれくらいの収入が必要ですか?」

フルタイムで週何日働くのか、1年のうち何ヶ月稼働するのか、など働く時間も様々な選択肢があります。私は、基本を週3日稼働とし、1年のうち4月と8月は仕事を入れないと決めています。実際にはかなり仕事が入ってしまうこともありますが、あらかじめ「入れない」と決めると、余白時間ができます。その余白時間があると、フリーランスとして稼ぎ続けるために、今後何を学び、どんな仕事を増やしていくか、ゆっくり考える時間が持てるからです。まさに、余白時間が、フリーランスとしての「キャリアの持続可能性」を高めてくれていると思います。

以上4つのテーマを紹介しましたが、自分がデザインしたライフプランを実現するためには一体どのくらいの収入が必要なのかも試算してみることをお忘れなく!

やりたいこと、目指す方向が分からないときは?

ここまで、色々な問いをあげましたが、こういった問いになかなか答えられない場合もあるでしょう。
そういうときに、おすすめなのが「人に言えない自分の野望や欲望は何だろう?」と置き換えて考えること。
たとえば以下のようなものです。

「依頼案件ではなくオリジナルの作品を世に出したい」
「事業化したい」
「自分のコミュニティを作りたい」
「有名ブランドからの依頼が殺到するような存在になりたい」
「月収○〇〇万円を安定して得たい」
「起業家を助けたい」
「世界中を飛び回りながら仕事をしたい」

 もし「私は〇〇になりたい」と言おうとしたときに、「うっ」と詰まったり躊躇したりような場合は、本心ではものすごく憧れやこだわりがある可能性が高いと言われています。

思いが強すぎるがゆえに、その欲望を口に出そうした自分に対して、「自分なんかが、おこがましい」「自分ごときが目指すなんて恥ずかしい」とブレーキをかけているため、「うっ」と詰まってしまうのだそう。このように人に言いづらい「欲望」は、むしろ思い切って言語化(アウトプット)してみるのがおすすめです!そのほうが、実現に向けて動き出しますよ。

また、自分のことを一人で言語化することは難しい場合には人の力を借りてみましょう。参考までに私がやった方法をご紹介します。

①これまで一緒に仕事をした人に聞いてみる

一緒に働いた人は、自分では気がつかない強みを教えてくれることが多いもの。少々恥ずかしいかもしれませんが、「私の強みは何だと思いますか?」と仲間やクライアントに聞いてみましょう。コンサルタント時代に「清水さんは体系化の鬼」「ビジュアルクイーン(容姿のことではなく表現のことです)」と言われたことが、執筆や研修講師としての今の私につながっています。

②経験者の話を聞いてみる

自分のなりたい領域の先人がいるのであれば、どうやってその領域で第一人者になったのかを聞いてみましょう。私はいつかフリーになって、本をたくさん出せるようになりたいと思っていたため、ベストセラー作家の方々に会うたびに勝手にインタビューさせていただきました。大抵の方は親切に(嬉しそうに)教えてくれましたよ。

③プロに言語化(アウトプット)してもらう

自分では形にしづらい欲望をこれまでの軌跡を辿りながら、表現してくれるサービスがあります。私は、スケッチコミュニケーションというサービスを利用しました。インタビューをもとに、自分のこれまでのキャリアとこれからのキャリアを絵で表現してもらえるプロフィールスケッチというサービスです。

このようにビジュアルで自分のキャリアを描いてもらえたことで、点と点が繋がり、今後何をしていきたいのかが、いっそう明確になりました。

ライフプラン実現のステップを洗い出す

ここまでの問いに答えることで具体化したあとは、実現のためにやる作業を洗い出します。緻密すぎる計画やものすごく大胆な計画を立てる必要はありません。人生は今の延長線上にあり、スモールステップの積み重ねだからです。

日々の行動や選択が点を打つことになり、気がついたら思い描いていたデザインが浮き上がって見えてくるというコネクティング・ザ・ドットをイメージしてください。

大小問わずまずは、ライフプランを実現させるためにやったほうがよいことを洗い出します。そのうえで、かかる時間ごとに振り分けます。10分以内でできること、30分以内でできること、1時間以上あったらできること……と、以下のように書き出していきましょう。

10分以内でできることの例

  • ライフプランに関連する情報を、検索エンジンやSNSで5〜10分だけ調べるクライアントやまたは協力者にメールを送る

  • 会いたい人/会うべき人にアポをとる

  • アイディアを10分間思いつく限り書き出す

  • プロフェッショナル(コーチ、先輩、専門家)に聞きたい質問を書き出す

  • 5分間のエクササイズをする

  • 家族や友人、仲間に感謝を伝える 

30分以内でできることの例

  • ライフプラン実現のために必要な本を読む

  • 新しいスキルを学ぶための講座を探して申し込む

  • マーケットの動向を調べる

  • 住みたい場所のリサーチをする

  • 30分間集中して新しいスキルを学ぶ動画を視聴する

  • クライアントに送るメールの下書きを書く

  • ヨガや軽いランニングをする

  • コミュニティやSNSに投稿する

  • これまでの実績をまとめる 

1時間以上あったらできることの例

  • 講座やワークショップ、セミナーに参加する

  • 関係者や専門家とじっくり対話したり、イベントに参加して新しい人脈を築く

  • 企画書や提案書を作成する

  • 趣味やクリエイティブな活動で自分の感性を高める

  • 家族や友人との会話や食事の時間をじっくり取る

  • 住みたい場所に住んでいる人を訪れて話しを聞く

  • プロフィールを新たに作成する

  • ビジョンを絵に描く

  • 新しいWebサイトを考える

 10分でできることは小さな点かもしれませんが、書き出してみるとかなりあります。10分でできることは初動のきっかけ作りでもあるので、毎日なにかしらの点を打つことは実は大きな線を描くことに繋がっていきます。

 先が見えないと嘆くのか、先は描けるとワクワクするのか、選択するのは自分です。まずはフリーキャンバスに自分の理想の人生を描いてみるのはいかがでしょうか。


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清水久三子
大手アパレル企業を経て、外資系コンサルティング会社にて企業変革戦略チームや人材育成部門のリーダーを歴任し、2013年に独立。ビジネス書の執筆やメディアへの寄稿、講演、研修講師などの活動を行う。国内では20冊、海外翻訳で10冊の著書を出版し、年間登壇は140日を超える。(2022年現在) 
著書は、『プロの資料作成力』『一流の学び方』(東洋経済新報社)、『1時間の仕事を15分で終わらせる』『一生食えるプロのPDCA』(かんき出版)『働くママの成功する中学受験』(世界文化社)他多数。Official HP:https://andcreate-official.com 

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