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「うまくやっといて」では伝わらない! 良い外部人材とめぐり会い、ビジネスを加速させるポイントは?〜Social Bridge株式会社(神戸市)

今回ご紹介するのはSocial Bridge株式会社(以下Social Bridge)。「ボーダレスな次世代を創造する」というミッションを掲げ、外国企業・外国人と日本企業・日本人とをつなぐためのさまざまなサービスを展開しています。

Social Bridgeでは、代表の宋(そう)浩典さんと1名のみがフルタイムのスタッフで、他メンバーはすべて外部の副業・兼業人材。それぞれ起業家、会社員、フリーランスなどさまざまな立場でSocial Bridgeをサポートしています。

どのような働き方をしているのか、詳しくお聞きしました。

宋 浩典(そう ひろのり)
Social Bridge 株式会社 代表取締役CEO 一般社団法人BIGBLUES 理事(トップイーストリーグ)
1987年神戸市生まれ。在日韓国人4世。
2010年同志社大学商学部卒業、在学中に家庭教師の事業を行う。
2010年ソフトバンクモバイル入社。代理店営業に従事。No.1目標達成率。2014年米国赴任。出資先企業のPMIを担当。帰国後、海外企業との事業提携に従事。
2017年 SoftBankVisionFund出資先(Slack Japanなど)とソフトバンクとの協業推進。
2019年7月 SocialBridge株式会社を創業。
12年間のパートナービジネス経験をもとに、異文化間でのプロジェクト推進を得意とする。

ソフトバンクのトップ営業から起業へ

ーーまずは御社の事業内容を教えてください。

「外国企業・外国人と日本企業・日本人をつなぐ」という軸で、事業開発代行とITコンサルティングをメインに、「外国人、外国企業に優しい日本づくり」ということにフォーカスしています。
事業開発代行というのは、クライアント企業のビジネスやサービスが誰の何の課題解決に役立つのかをきちんと定めた上で、事業拡大・売上向上に貢献できるようハンズオンでお手伝いするビジネスです。

ーーもともとソフトバンクにいらしたんですよね。起業された理由は?

父が自営業者だった影響は大きいですね。一番身近な人の仕事が自分にとっても自然な選択肢になっていきますよね。
大学生のときに先輩が家庭教師の会社をやるというので立ち上げを手伝ったのですが、そのときは見事にうまくいかずに終わりました(笑)。その後ソフトバンクに入社して、9年在籍したのち起業し、現在3期目です。

ーーソフトバンクでの経験はどのように活きていますか?

仕事の基礎基本みたいなところはもちろんですし、ITにも詳しくなりました。1年アメリカにも行かせてもらったので、それで英語でビジネスができるようになりました。あとは代理店ビジネスの仕組みをピンからキリまでわかるようになったというのも財産ですね。

ーーソフトバンク退社後、東京で起業されたんですよね。その後に神戸に戻ってこられたのはなぜですか?

大きく2つ、子どもと親ですね。僕も妻も神戸出身で幼馴染なのですが、子どもが生まれるときにおじいちゃんおばあちゃんのもとで子育てしようとなったことが1つ。
あとは、父の稼業(資源集団回収業)を継ぐためです。65歳になる父は引退するので、自分の会社と父の事業と、今は両方やっている感じですね。
とはいえ、東京と神戸は全く風土も文化も違うし、仕事を優先するなら東京にいたほうがいいですけど、やっぱり家族あっての仕事だと思うので、今は仕事よりも家族との生活を優先させています。

自立している人と働いていきたい

ーー現在、Social Bridgeのメンバーは何人でしょうか?

フルタイムは僕と1名だけで、業務委託として6名の方に協力していただいています。
まず、自分の会社経営もしながら弊社の取締役COOを務めているのが相棒です。
会社員をしながら副業で弊社を手伝ってくれている方が2人いて、情報システム系のお客様対応やバックオフィス全般をお願いしています。
またソフトバンク時代や大学生時代からの仲間にも色々と手伝ってもらっていて、顧客対応や新規事業対応をお願いしています。

ーーそれだけ外部の方にお仕事を依頼していて、これまで雇用しようという発想にはならなかったのでしょうか?

そうなるんですが、僕は「雇用はしない」という意思決定をしていました。なぜかというと、僕自身は仕事よりも生活に重きを置いているので、そんな、生活を優先した僕の仕事に他の人を巻き込むのってどうなんだろう、という思いがあって。だったら、他の立派な会社に勤めてるほうがいいんじゃないかと。
それに、うちのような小さな会社だと求人をかけてもなかなかいい人に巡り会えない。それであれば、副業・兼業で仕事のできる人に依頼したほうがいいよねって思うんです。育成コストもかからないですし。

ーー率直なご意見ありがとうございます。その形でやってこられて感じるメリットというのは他にはどんなことがありますか?

みんなが勝手に成長することじゃないでしょうか。僕はやはり仕事で人は一番成長すると思っているので、副業や兼業をしてるとそれだけどんどん成長しますよね。
僕は、お互いに主体性を持って一緒にやれるならやりたいと思っているんです。こちらからお願いしたり、ぜひ一緒にやりましょうって声かけるとかになると、けっこう頑張らないとだめですよね。それならやらないほうがいいんじゃないかと。お互い疲れちゃいますしね。

ーーなるほど。じゃあ、宋さんは外部人材としてやっていける人って、どんな人だと思われますか?

やはり、自立している人じゃないでしょうか。言われないとやらないような人は少し厳しいと思います。
現在の外部パートナーさんは全員リモートですが、リモートワークって見えないし、それを見に行こうとするとけっこう大変ですよね。時間もコストもかかる。
僕は「管理」をしたくないんです。もちろん放置するわけじゃないですよ。でも、人を信じていたいし、人を信じられると力が湧いてくるじゃないですか。

だから自立している人であることが大事です。「自立」も「自律」も両方大事です。

ーーそんな人をどうやって見つけてこられたんでしょう?

基本的にはもともとの知り合いが多いですね。相手のことをよくわかっているから。あとは、やはり波長の合う人かどうかですかね。
なにをするかよりも、誰とするかっていうことに愚直にこだわっています。

1ヶ月に数時間だけ依頼するという活用方法もある

ーー現在のパートナーさんのなかには紹介で出会った方もいますよね?

そうですね。
就業意欲の高い主婦人材と企業をマッチングする事業を展開する株式会社ママントレ代表の須澤さんと経営者が集まる会で知り合い、何度も会ううちに意気投合しまして。そこで、人材を紹介していただこうとなりました。
他のクラウドソーシングサービスなんかで外部人材に依頼するということは、経営者仲間やクライアント企業でもやっていたことだったので、僕もやってみようかなとは思っていました。ちょうど、些末なタスクがいろいろあってそれを片付けないとなーって思っていたタイミングでもありましたし、今後、事業を大きくしていく必要もあるのでそのための1つのステップという感覚もありました。

ーーそうなんですね。紹介された方には現在どんなお仕事を依頼されてるんでしょう?

ものすごく困っていたわけではないので、最初は月10時間の契約からスタートしたんですが、なんやかんやでいろいろたくさん依頼していて、今では月20時間くらい稼働していただいています。
請求書送付や資料作成などの一般事務はもちろんですが、ほんとに細かい、自分でもできるんだけどなんとなく放置していることも…。例えば昨日依頼したのは、会計ソフトでちょっと入力内容がずれているような気がするところの修正とか、翻訳ツールで英語に変換するくらいのこととか、いろいろですね。

外部の方に「こんな小さなことでもいいの?」ぐらいの依頼ができることで、些細な業務に手を取られることがなくなり、これまで時間に制限があって諦めていたことにも手が伸ばせるようになったのですごく助かっていますね。

ーーそうなんですね!当初はどんな人を紹介してほしいと依頼されたんでしょうか?

クライアント企業さんに、理想的な方がいたんです。業務委託の女性で、会社のお母さんのような方で、彼女にまかせたらなんでもうまくいくしなんでもできる、というような人でした。その方のイメージをお伝えしましたね。

ーーなるほど。コミュニケーションはどのようにとっておられるんですか?

Slackと週イチのZoomミーティングです。直接はお会いしたことないですね。最近はoViceというオンラインのオフィスを設立してそこでミーティングや立ち話もするようになりました。
でもトラブルもないですし、僕のずさんなリクエストにも迅速に対応してくださって、とても助かっています。こちらからは言ってもないのに遅い時間とか週末とかにもアウトプットを出してくれたりするんです。そこは彼女のプロ意識だと思いますね。

気負わずとも人材と一緒に試行錯誤しながら進めていける

ーーそんな優秀な外部人材を使う側の企業に必要なスタンスってどういうものでしょうか?

1つの正解というものはないと思うのですが、僕が意識しているのは、相手に求める役割やタスクは明確に伝えるということですかね。「細かく」というよりは「明確に」。
日本人って「うまくやっといて」とかっていうあいまいな伝え方をするじゃないですか。それでもなんとなくうまくやれたりする。でもそれって日本人独特の特殊スキルです。僕は外国人ともビジネスをしていますから、それだと伝わらないんですよね。そうじゃなくてゴールはここで期限はいついつ、というふうに明確に伝えます。時にはでききっていない時もあるので僕自身も日々意識して取り組んでいます。
もしそれでだめだったら伝え方を工夫しようとか5W1Hで伝えてみようとか、やりようはいくらでもありますよね。

ーーでも、企業側からするとその明確な依頼の切り出しって難しいという意見もあると思うのですが、どうでしょうか?

こういうのってトレーニングだと思うんですよ。先天的にできる人なんていないので、試行錯誤しながら日々やり続けるだけだと思います。慣れもありますから。

ーーなるほど、おっしゃるとおりですね。

僕も、ソフトバンクで最後の2年くらい課長をやっていましたが、そのときだってすぐ課長らしく仕事ができたわけじゃなく、部下に迷惑もかけたと思います。

ですから、外部人材活用もまずは一度やってみるという姿勢が大事だと思いますよ。だめだったらやめればいい。うまくいけば自分のやるべきことに集中できて、事業拡大のスピードアップにも繋がります。
私の場合は、外部人材の方にいろんなタスクをおまかせすることで結果的に自分の稼働時間が増えて、対応できる企業が6社から10社に増えたんです。なので、月々のコストもきちんと考えながら、トライしていくことが大事だと思いますね。

ーーなるほど。人材側の自立はもちろん、企業の側も恐れずトライアンドエラーをしていくことが大事ということですね。本日はとても参考になるお話をどうもありがとうございました!

<事例紹介動画>

本記事は、神戸市の「令和3年度 神戸市内中小事業の副業・兼業人材活用推進事業」の一環で、人材マッチングがなされた事例です。

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