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1歳半の子と、1か月バリ島ワーケーション。現地の幼稚園を利用し、ON/OFFを満喫!

初めて海外でワーケーションをしてみたい。

外国に行くなら、現地に長く滞在したい。

そんな方におすすめなエリアが、東南アジアです。

東南アジアには、温暖な気候、美しい自然環境、物価の安さ、日本との時差が小さいため業務に支障が出にくい……など、仕事をしながら旅(バケーション)をするのにはぴったりな国が多くあります。

私自身、「ライター」であり「働き方実験家」とも名乗っているので、自転車で国内47都道府県全てを回りながら仕事をしたり、いろいろな国へ一人旅をしながら働いたりとワーケーション経験は豊富にある方かもしれません。しかし、今回はちょっと勇気のいる挑戦をしてきました。1歳半の息子を連れて1か月、インドネシアのバリへ。

結論、最高に良い経験ができたのですが、仕事はどうする? 子育て環境は? お金はどのくらいかかる?といった課題はあったので、それも踏まえながらバリ島ワーケーションの魅力を紹介します。

なぜインドネシアのバリを選んだのか

以前一人旅をした時も歩いた、ウブドのお気に入りハイキングコース(Campuhan Ridge Walk) 

以前インドネシアに伺ったのは、コロナ禍になる前。1か月でアジア5か国を旅した際の、最終目的地がバリ島でした。

その時の印象は……

・世界中からデジタルノマドが集まるエリアがありコミュニティが充実していたこと
・美しいビーチや山々、棚田など豊かな自然が広がっていたこと
・料理が美味しく、物価もとても安かったので満足度が高かったこと
・独自の文化や伝統的な祭りが多く、文化体験が充実していたこと
・人が優しかったこと

短い滞在ながら、とても良い場所だなぁと感じました。

また機会があれば行きたいなと思っていたところ、友人からお誘いがあり、育休中の妻がまずは行きたいと手を挙げました。しかも、現地に短期滞在者も入れる幼稚園があるから、1か月行ってくると。

せっかく行くなら私もそのくらい行きたいのが本音でしたが、当然、仕事や費用の不安は頭をよぎりました。でも、もし行けない場合は息子と離れ離れになるのも寂しいし(笑)。

ということで、まずは仕事の調整と、現地で暮らすように旅するための情報収集からスタートすると、1か月、一緒に行っても支障がないことがわかりました。

インドネシア・バリの基礎知識

バリの民族衣装を着て、ジンバランビーチの夕陽を眺める

インドネシア全体の人口は、約2億7,000万人(2020年、インドネシア政府統計)。中国、インド、アメリカ合衆国に次ぐ世界第4位の規模となり、2050年には約3億1,700万人に達するという予測もあります。若い人も多く、国としての勢いを感じます。

まずは最低限、以下のような情報収集をすれば予算や持ち物などの準備ができると思います。

・日本からのアクセス
バリ島は、東京(成田・羽田)、大阪(関西国際空港)からガルーダ・インドネシア航空、全日空(ANA)、日本航空(JAL)などが直行便を就航しています。所要時間は約7〜8時間です。

また、費用を抑えたい方や、時間に余裕があり他の国にも寄ってみたい方はシンガポール、クアラルンプール、バンコク、香港などでの乗り継ぎも一般的です。

今回は1歳半の子供が一緒だったので、直行便を選択しました。費用は季節や予約時期、航空会社によって大きく変動しますが、エコノミークラス:約7万円〜15万円程度が一般的です(今回は一人13万円ほどでした。国際便は子供は2歳まで無料)

・気候
バリ島は赤道に近いため、高温多湿の熱帯モンスーン気候です。気温は年間を通じて約26℃から30℃と、極端な温度変化はありませんが、ベストシーズンの乾季(4月〜10月)は、カラッと晴れた日が多く、実際に今回滞在した7月から8月にかけては日本より格段に過ごしやすかったです。

私は東京に住んでいますが、近年の夏は、酷暑、台風、ゲリラ豪雨などが話題になりますよね。バリ滞在中はほとんど雨にあたることもなく快適でした。また、内陸部は標高が高く山岳地帯の観光地では、気温が低く、夜間は涼しくなるので長袖がいるほど。

また、静かに過ごしたい方は雨季(11月〜3月)もおすすめ。雨季といっても、雨は短時間で止むことが多く、観光客が少なく、宿泊料金が安くなるシーズンでもあります。

・人口・民族
インドネシアは世界最大のムスリム人口を有していますが、イスラム教は国教ではなく、憲法によって宗教の自由が認められているそうです(ただしイスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教、仏教、儒教のどれか)。一方で、無宗教であることも認められていないため、何かしらの宗教を信仰しているのが特徴です。

そんなインドネシアの中でも、バリ島は特異な宗教的特徴を持ち、多くの島民がバリ・ヒンドゥー教を信仰しています。島の文化、芸術、社会生活の基盤となっており、これらの宗教的な習慣や行事を理解することで、バリ島の文化をより深く体験することができます。

・言語
公用語はインドネシア語です。ほかにも、ほとんどのインドネシア人は独自の民族言語(ジャワ語やスンダ語など)を持っています。観光で行く、レストランやお店はほとんど英語が通じますし、タクシーの運転手なども英語で気軽に話しかけてきます。

スマホの翻訳アプリを使いながらなら、英語はもちろん、インドネシア語でも簡単なコミュニケーションはできるのでアプリを事前にダウンロードしておきましょう。

・リモートワーク環境
バリ島の主要な地域では高速なインターネットが利用可能。チャングーやウブドなど、世界中からリモートワーカーが集まるエリアがあり、コワーキングスペースやデジタルノマドのコミュニティが充実しています。

いざ、出発!子どもと一緒の旅は大人も楽しい

初めての子連れ海外フライト。

普段から出張に付いてくる(連れていく!?)ことも多く、0歳で10回以上フライトを経験している息子。それなりに練習を重ねた後の本番だったこともあり、搭乗後、早速爆睡していました(笑)

飛行機の座席の前に設置してある簡易ベッド「バシネット」で爆睡中の息子

バリは時差が日本と1時間しかないので、身体の負担も少なく現地に到着しました。

事前にオンラインで到着ビザ(VoA:Visa on Arrival、e-VoA)を購入しており、海外旅行に慣れていればかなりスムーズに入国できると思います。

※以前は日本国籍保持者がインドネシアへ入国する際は、観光目的で30日間の滞在であればノービザで可能でした、2020年3月より査証免除措置が停止しており、2024年の夏時点では5,000円前後でしたが、今後料金が変動したり廃止されたりする可能性があります。在インドネシア日本国大使館のHPをチェックしていきましょう。

次の日は、さっそく現地の幼稚園(RUMAH KECIL Kids Learning Center)へ預けました。短期滞在者でも入園できるインターで、初日は……「なんでボクちんをおいていくの?ピエンピエン」と、泣き叫びましたが、慣れるのには3日かかるという先生の言葉通り、翌々日からは元気に通園。

バリの先生は、英語やインドネシア語で子どもたちに話しかけるのですが、1歳半の息子は、どんな言語でも関係なし!先生が優しく接してくれるので楽しく過ごせたようです。

多国籍の子どもたちと遊ぶ息子

暮らすように旅をする

バリ島では、一棟貸しのヴィラの部屋を1か月借りて滞在しました。

友人夫婦含め、何人かの日本人でシェアする形だったのですが、備え付けのキッチンで調理をしたり、庭にあるプールで子どもたちと遊んだり、家にマッサージ師を呼んだり(1回1,500円ほど)、中長期の滞在にはこのスタイルがすごく良いと感じました。

オーナーさんが親切で、バリのおすすめスポットやマナーなども教えてくれて、滞在中不安なく過ごせて……観光とはまた違った、海外で暮らすような気分を味わえる滞在でした。

なお、拠点にしたのはバリの東海岸に位置するサヌール。

静かで落ち着いた雰囲気が特徴の場所ですが、海岸線には飲食店やホテルが立ち並びリゾートの雰囲気が満点。息子を預けた幼稚園もあり、カフェやスーパーなども充実しているので過ごしやすかったです。

現地のスーパーで買い物を楽しむ筆者と息子

イメージを伝えるために、サヌールで過ごす1日の例をご紹介します。


7:00 起床。朝ごはんには新鮮なフルーツを
8:00 ヴィラから徒歩5分の幼稚園に息子を預ける
8:30 ビーチまでお散歩し、海沿いにあるヨガ施設「Power Of Now Oasis」へ

海からの心地よい風と、波の音でディープリラックス。さまざまな国の参加者で満員でした。

10:30 ヴィラに戻って、記事制作やメール返信などのデスクワーク
12:30 近所のカフェに移動 ランチ&仕事

一番通った近所のカフェ。ランチは500円くらいでした。

16:00 息子のお迎えに行き、ヴィラのプールで遊ぶ
17:00 タクシーを呼び(片道300円くらい)、ショッピングモール「ICON BALI」へショッピングへ

2024年にできたばかりのショッピングモール。日本のブランドやレストランも多く、滞在中はよく利用しました。毎日ショーが行われており、子どもも大興奮

18:30 レストランで友人夫婦とディナー

20:30 浜辺を散歩してからタクシーで帰宅
21:00 子どもは就寝。大人はお酒か仕事タイム。


バリは風が気持ちよくて、真夏でも暑さはあまり感じませんでした。その分、日本よりも活動的になれたと思います。

次は、休日の観光モードの過ごし方を紹介します。

バケーションも充実。おすすめ観光地は?

「神々が棲まう島」として知られるバリ島は、エリアによって様々な顔があります。

基本、平日は仕事をして、幼稚園が休みの休日は子どもと一緒に小旅行に出かけました。中でも、また行きたいと感じたおすすめスポットはこちら。

・キンタマーニ高原(バトゥール湖、バトゥール山)

世界遺産であり、バリ・ヒンドゥー教では天国の入り口といわれる場所。最近はおしゃれなカフェやホテルもたくさんできている注目スポットです。

避暑地で夏でも涼しく、絶景を見ながら「これからどう生きるか」みたいなテーマを内省していました。

注意点としては、僻地なのでタクシーがなかなか捕まらないこと。夜はお店がほとんどしまってしまうこと。ツアーを組んだり、レンタカーを借りるなり、交通手段の確保がマストなので気をつけましょう。私はタクシーが捕まらなすぎて、久しぶりにヒッチハイクをしましたが、現地の人の優しさに触れて思い出がたくさんできました。

・ギリ島

警察がいない。車もバイクも走っていない。浮かれている人は、いる。パーティーアイランドとも呼ばれているギリ島(他にもいくつかの島があり、私が行ったのはギリのトラワンガン島)。

日中は波と海風の音色に癒され。夜は至るところでクラブミュージックが響き渡っている非日常感がとてもある場所でした。

以前から、「ギリ島はええぞ」と何人かに言われていましたが、実際に行くと、とにかく島時間が良すぎて、予定を変更して連泊してしまうくらいでした。

※パソコンなどを持っていかなかったので仕事はあまりできませんでしたが、心も頭もととのい、進めていたブランディング構築のプロジェクトがかなり進みました(メモ帳の中で)。時にはデジタルと離れるのも大事ですね。

・Bali ZOO 、Bali Safari

親子ワーケーションなら、子どもとどのように過ごすかはとても重要なポイント。バリにはキッズカフェやプールなど遊び場がたくさんあります。まだ1歳半の息子は遊ぶ範囲が限られていますが、中でも大興奮だったのはBali ZOO とBali Safari。

どちらも動物との距離がとても近く、南国の生き物がたくさんいました(心なしか日本より快適に過ごしている印象。1年中暖かい気候だと動物も元気なのかな!?)

息子は「ベビーッ!」という言葉が、最近のお気に入りだったので、動物に興奮して叫びまくりでした。英語圏の人からは「あんたがベビーやで」と、笑顔でつっこまれていました。

私も、小さい頃に父ちゃんが動物園によく連れていってくれたのを思い出しました。親子の時間は記録より記憶に残ります。

・寺院巡り

バリには、至るところにバリ・ヒンドゥー教の寺院があります。神秘的な文化と自然美を同時に楽しめる魅力的な体験なので、訪れるエリアにある寺院はチェックしてみましょう。どこも見応えがありましたが、中でも「バリ・ヒンドゥー教の母寺」と称されるブサキ寺院(写真)は、その建築美の規模感に圧倒されました。

良いエネルギーが循環している場所で、ワーケーションする良さ

世界遺産のキンタマーニは絶景カフェがとても多い。仕事をしている人はほとんどいませんでした(笑)

今回のバリ島ワーケーションでは、いろいろな場所を訪れ、素敵な景色を眺め、たくさんの人に出会いました。

その中で感じたのは、良いエネルギーが循環している場所に行くことは、とても大事だということ。

ワーケーションは現地で仕事も行うスタイルですが、自分がどんな時にどんな場所でパフォーマンスが高くなるのか知ることができたり、リフレッシュして感性が豊かになったり、働きながらも心に余白を持てたりと、とても良い経験ができたからです。

また、他にも意識の変化もありました。

バリ島の「バリ」という言葉は、サンスクリット語の「供物」「いけにえ」を意味する「Bali」に由来すると言われています。つまり、バリ島そのものが神様に捧げられた供物でもあるのです。

相手が喜ぶことを先に捧げる。

今回の滞在で、その気持ちを、バリの人からも、現地の日本人の方々からも受け取りました。もちろん観光客相手への優しさもあると思いますが、数日だけの観光滞在ではないからこそ感じられることがたくさんあり、日本に戻っても自ら優しさを届けられる人になりたいと思いました。

まとめ

日本人のパスポートの旅券保有率17.0%(2023年外務省の旅券統計)。コロナ禍の影響で海外に行くという選択肢自体が減った中、私も4年ぶりの海外旅行でした。

いざ行ってみると、とても楽しく学び多き日々が待っていました。特に親子で暮らすように旅する“実験”を通じて、子どもにとって豊かな経験ができるよう働き方や暮らし方を考えるきっかけとして、最高でした。1か月のバリ滞在中、息子も自然の中でたくさん遊んだことで顔つきがたくましくなった気がします。

日常からちょっと離れると見えてくるものがたくさんある。旅(ワーケーション)はやっぱりいいですね。

【寄稿】松田 然(まつだ・もゆる)
聴く・創る・伝える 合同会社スゴモン 代表。 今まで1000社、5000人以上をインタビューライターとして取材し、コンテンツ制作やブランディング戦略の構築などを支援している。 個のはたらくをととのえるメディア「SoloPro」編集長。リーダーのブランディング支援「Totonou Work」代表。サウナではたらく人の半歩を創る「totot」共同代表などの活動も展開。 また、自転車旅人として仕事をしながら日本の47都道府県を全て走破したり、週6日以上サウナでととのっていたり、国内外で親子ワーケーションをしたり、ウェルビーイングな働き方を実験をしている人。
Facebook :https://www.facebook.com/moyuru.matsuda
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