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「海上都市パンゲオス」クリーンエネルギーを生み出しながら航海する超巨大なカメ型テラヨット

地球温暖化による海水面上昇が問題に取り上げられて数年。
問題が本格化しています。

例えば楽園とも呼ばれるリゾート「モルディブ」は平均海抜が1.5mほどしかないため、水没が懸念されています。
海抜が1m上昇すると国土の約80%を失うそうです。

こういった問題から、海上都市案が各国から出ているそうです。
その中で面白いアイデアを発見したのでご紹介します。


「パンゲオス」6万人収容可能な超巨大カメ型ヨット

イタリアのデザイン会社「ラッザリーニ・デザイン」が設計したカメ型ヨット「パンゲオス」

驚きなのはそのサイズ。
全長550m、最大幅610mの設計で、実現すれば海洋建築物で世界最大の大きさになると言います。

ラッザリーニ社はあまりに大きいサイズのため、「ヨット」とは呼ばずに「テラヨット」と表現しています。
テラという単位は一兆倍を表すので、超巨大であることをイメージさせますね。

パンゲオスにはホテル、アパート、ショッピングセンター、公園など様々な施設が整備され、最大6万人が収容される設計です。
海上都市と呼べるほどの充実した施設と規模感だと思います。

パンゲオスの名前は「パンゲア大陸」から由来しています。
地球上の大陸はパンゲア大陸ひとつだったところから、大陸移動の影響で2億年をかけて今の5つの大陸の形になったと考えられています。


海を漂いながらクリーンエネルギーを生み出す浮遊都市

巨大すぎるが故に、かなりまったりとしたスピードで航海するようです。t一般的なクルーズ船の航海速度は15~20ノット(時速30km前後)
パンゲオスは5ノットなので時速10kmにも満たない速度で航海します。
まるでカメのように海を漂う浮遊都市ということですね。
「だからカメがモチーフなのか」と納得しました。

地球環境問題解決案としてデザインされているので、動力はクリーンエネルギーを使用します。

ヒレの部分には特殊な装置を配置し、波が上下する運動エネルギーを取り込めるようになっています。
屋上にはソーラーパネルを設置し、足りない電力を賄えるといいます。
これにより、排気ガスを出さないクリーンエネルギーでの航海を可能にします。


ただし、規模が大きすぎるが故に現実的な課題が多くあります。
パンゲオス専用の巨大造船所や、造船所から海へ進めるときに使うダムの建築、十分な深さがある航路の選定、1兆円以上かかる資金の確保など山積み。

まるでSFのようなお話ですが、実際に一企業が設計案を発信している以上、夢物語ではないことが分かりますね。
飛躍的な技術革新により、10年前は不可能とされていたことが可能になったり、ゲームの世界がVRやARとして体験できたりと、私たちの常識も変化してきました。

向こう10年では、今では想像もつかないような世界になっている可能性があります。
世界の動きは思っている以上に速い。

つまり現状維持は事実上の退化とも捉えられるので、私も現状に甘んじずハードワークしていきます。


林文臣


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