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NJRPG非公式追加データ/【オイランドロイド・アンド・アンドロイド】(後)

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「ダンスする?」「ミュージックですか?はい、ダンスします」そして2人はダンスを始めた。次第に同期していった。すると電子的な音楽があり、真っ赤なトリイと何個ものカドマツが出現した。2人をミステリーサークル状に囲むように、多種多様のネコネコカワイイが正座状態で無数に出現した。ユンコは地面を認識できなくなる。実際全ては白い無限遠空間に浮き、穏やかに回転していた。ミステリーサークルは自動的に延長され、輪の中には新たなユンコとネコチャンが出現し、全てが同期ダンスした。物理空間における2機の同期率は理論値を超え、120%に達していた。観衆は魅了された。 【オイランドロイド・アンド・アンドロイド】より

2020/1/16 V1,1 スキルの追加
2020/6/19 V1,3 回路ルールの変更による「自我覚醒」の条件変更、また「サイバネ埋め込み数」に制限を追加。「◎◎激しい怒り」の効果変更。

前回の記事では、「戦闘兵器」PCの基本的なルールを解説した。後半であるこの記事では、【AI】4以上の戦闘兵器PCや、特殊な生まれの「戦闘兵器」PCについての解説を行っていく。

【AI】4以上への成長

学習を重ね、データを蓄積したAIは、やがてそれらの中から感性・悟性による認識とはまた別な、独立して自由な理性らしきものを生み出す。それは、無限大の可能性であり、同時に自己破壊へと至る危険でもある。…受け入れるかは、キミ次第だ。

【AI】3、かつ3回以上のシナリオに参加した戦闘兵器PCは、【万札】30と余暇4日を消費し、特殊な余暇として「自我覚醒」あるいは「最終調整」を行う事ができる。

「自我覚醒」:キミは、多くの経験と学習を通して発生しつつある自我を、受け入れ、新たな己として定義した。【AI】値が即座に4となり、「●擬似自我」を取得、「自我特性」を1つ獲得する。
「最終調整」:キミは…あるいは、キミの持ち主は、不確定要素たりえるその自我を消去し、任務のための道具としてキミを定義した。今やキミは「完成品」である。【AI】値はこれ以降3で固定され、任意の「◎◎」スキルを1つ取得し、フレーム性能とは無関係に「カラテ」「ニューロン」「ワザマエ」の値に+1の修整を得(『ニンジャソウルの闇』のような直接修整として扱う)、フレームによるサイバネが埋め込み数の制限を無視できるようになる。
「●擬似自我」:取得条件「種別:戦闘兵器」、【AI】4以上:この戦闘兵器は、経験の蓄積によって自我めいた何かを得ている。それは無限の可能性と、崩壊の危険性を秘めている。取得者は、【精神力】を【AI】値分取得する。これによって、「精神力成功」や交渉などが可能となるが、同時にカナシバリ・ジツなどの精神攻撃によってダメージ・効果を受けるようになる。もし【精神力】が-1以下になった場合、即座に【体力】0となって機能が停止し、【AI】値が1まで低下する。(不可逆の損傷である。)

【AI】値を4から5、5から6に上げる際も同様の「自我覚醒」が必要である。ただし、かかる資金は4→5では【万札】40、5→6では【万札】50となる。また、【AI】が4以上になった場合、サイバネによって自身の”機体”が変化する事に対する抵抗感が発生し、サイバネ最大埋め込み数が減少する。

◆【AI】値によるサイバネ埋め込み数の変化
【AI】3以下:フレームの「サイバネ埋め込み数」と同じ。
【AI】4:「サイバネ埋め込み数」-1
【AI】5-6:「サイバネ埋め込み数」-2
【AI】7:「サイバネ埋め込み数」-3

「自我特性」

「自我特性」は、擬似自我に伴うバグめいた挙動だ。それは、本人の意識から離れた場所で起動し、強制的な動作を行わせる。それが良いか悪いかは、状況次第だ。「自我特性」を得たキャラクターは、1d6を振るか、選択して種類を決定する事。また、「自我特性」を追加で得る方法や、失う方法は基本的に存在しない。

1:「戦闘機械」:この戦闘兵器は、自らを戦闘者、破壊者として定義する事により自我を持った。故に、その自我機能は戦闘によって研ぎ澄まされると同時に、その他の機能が低下する。「近接攻撃ダイス」「遠隔攻撃ダイス」「回避ダイス」が+1されるが、非戦闘時(被アンブッシュ時も含む)では、あらゆる判定で振れるダイスが-1個される。

2:「無意識の鎖」:この戦闘兵器は、擬似自我を獲得したものの、己の意志で強く物事をやり遂げる事に未だ恐怖を抱いている。それは機械としての存在意義を消失するのが原因であろうか?抵抗のために【ニューロン】判定を必要とするようなあらゆる攻撃に対して、抵抗判定の難易度を−1できるが、能動的な判定において、「精神力成功」を行えない。

3:「機械肉体への過信」:この戦闘兵器は、自身の持つ機械の肉体をアンデンティティの1つとしている。故に、攻撃を「受ける」事を選択してしまい、危地に陥る事があるだろう。【AI】値によるサイバネ埋め込み数の減少を無効化し、【体力】が+1されるが、回避判定で「精神力成功」を行う際、使用する精神力が2となる。  

4:「フィクショナル・ビーイング」:この戦闘兵器の自我は、現実的データから得られた経験ではなく、コミック、小説、アニメ、UNIXゲーム…などといった、架空の存在を元としている。故に、その精神は重金属酸性雨を知らず、無垢であり、儚い。【精神力】が+2されるが、受ける【精神力】へのダメージが常に2倍となる。

5:「恐怖」:この戦闘兵器が自我によって得たもの、あるいは自我を得た原因。…それは、恐怖である。ヤクザや、ニンジャの暴虐。あるいは、自身が振るう破壊への恐怖。そして、ニンジャを殺す者の…。 「回避ダイス」が常に+2個されるが、「NRS判定」をモータルと同様に発症するようになる。

6:「ゴーストの囁き」:この戦闘兵器は、自我に目覚めた際に多くの『後悔』を得た。それは殺めた命の数か、壊した他の同胞達か。今も頭には電子的残滓が残る…。任意の「◎スキル」を追加で1つ得るが、アトモスフィアが【HARD】以上となった場合、回避ダイスが−1個され、以降戦闘終了まで1ターンごとに−1個ずつ増えてゆく。

【AI】4以上で獲得できるスキル

【AI】が4以上の値になった際、「◎」スキルを2個得るか、「◎◎」スキルを1個得るかを選択して決める事ができる。5や6でも、処理は同じである。

◆取得できるスキル一覧(追加)
「◎不屈の精神」:取得前提【AI】4以上
「◎マーク・オブ・ソウカイヤ」:取得前提【AI】4以上
「◎邪悪なサディスト」:取得前提【AI】4以上
「◎◎破壊の意志」:取得前提【AI】3以上:「近接攻撃」で「サツバツ!」が発生するようになる。「モーター」系回路を装備しているなら、◎で取得可能。
「◎◎献身の盾」:取得前提【AI】3以上:隣接するキャラクターにダメージが与えられる際、それを代わりに引き受ける事ができる。1ターンに1回だけ、「回避ダイス」3個を消費して使用可能。「マイコ」系回路なら、◎で取得可能。
「◎◎タツジン(任意)」:取得前提【AI】4以上
「◎◎鋼鉄の膂力」:取得前提【AI】4以上:「大型武器」「重火器」など、2スロットを占有する武器を1スロットで扱えるようになり、それらの攻撃難易度を-1する。
「◎◎トリガーリンク」:取得前提【AI】4以上:「近接攻撃不可」となり、装備する「拳銃」「小銃」「重火器」に「時間差(前提:スキル所持)」「マルチターゲット(前提:スキル所持)」を追加する。ただし、これによって得た「時間差」では最大でも【AI】/2値(端数切捨て)分までしか射撃を分割する事はできない。
「◎◎超分析戦闘」:取得前提【AI】4以上:「●痛覚遮断」と「●翻弄」と「●臨機応変」を得る。
「◎◎ニンジャ的機敏性プログラム」:取得前提【AI】4以上:「●連続側転」を取得し、「遠隔攻撃」に対する「まとめて回避」が可能になる。
「◎◎キリングマシーン」:取得前提【AI】5以上、「◎ツジギリ」「◎タクティカル移動射撃」
「◎◎殺人剣」:取得前提【AI】5以上
「◎◎鉄拳」:取得前提【AI】5以上
「◎◎肉体破壊(大型武器)」:取得前提【AI】5以上
「◎◎指揮官機能強化」:取得前提【AI】5以上、「◎指揮官機」:「◎指揮官機」の効果を、【カラテ】【ニューロン】【ワザマエ】判定+2、「回避ダイス」+2,【脚力】+1に置き換える。
「◎◎ヒサツ・ワザ(任意)」:取得前提:【AI】5以上:取得者の【AI】が7未満の場合、基礎能力の条件を満たしていても「未熟」扱いとなる。
「◎◎ゼンメツ・アクション・モード」:取得前提【AI】6以上、「○モーター回路」:手番開始時に【精神力】か【体力】を2、「回避ダイス」を4個消費する事で使用可能。その手番中、「移動」「射撃攻撃」「射撃攻撃」「近接攻撃」の4つを好きな順番で行える。他の移動系スキルとは同時使用不可。
「◎◎『激しい怒り』v0.5」:取得前提【AI】6以上、「○マイコ回路」:自身の【体力】にダメージを受けた際、【精神力】2を消費する事で使用可能。そのMAPにいる間、MAP内の「○マイコ回路」を持つキャラクター全員は「サツバツ可能」「肉体破壊」を得る。

【AI】7への成長、ウキヨの覚醒

【AI】値が6であり、5回以上セッションに参加し、「▶▶▶」以上の回路系脳神経サイバネを装備している「戦闘兵器」キャラクターは、余暇4日と【万札】100を消費する事で、【AI】を7へと成長させる事ができる。それは、これまでの疑似自我ではない、真の自我…「ウキヨ」と呼ばれる知性体への目覚めである。狭義には、オイランマインドと接続したオイランドロイド存在が目覚めたものがウキヨであるが、ここでは他の機械知性的存在も「ウキヨ」とする。(読み替え可能)

【AI】が7となった戦闘兵器PCは、「●ウキヨ」を得る。

「●ウキヨ」:取得前提【AI】7以上:君はもはや疑似人格を持つ戦闘兵器ではない。新たな知性種「ウキヨ」となったのだ。このスキルを取得したキャラは、【AI】×2の【精神力】を得、「自我特性」を失う。

【参考】ニューロンチップ再生者

「所長、このクッソ大変な時に、どこ行っちゃんったんスか……!」彼女はモザイク状の記憶の中で、必死に答えを求めた。再定義を免れ生き残った数々のオーバーテックと、危険に満ちた可能性。ケオスとともに溢れ出したアブナイの数々。両者の間で翻弄されながら探索を進める、ニューロンチップ再生者!

ニューロン情報を記録したチップ、マイコ回路、モーター回路。3つの回路を複合する事によって記録されたチップから人間の意識を蘇らせる「スズキ・マトリクス理論」。その技術の結晶体がニューロンチップ再生者である。ニューロンチップ再生者は、人間としての精神を持つ一方で、そのボディは機械のものである。

ニューロンチップ再生者は、「種別:戦闘兵器/チップ再生者」となり、初期アイテムとして「▶▶▶スズキ・マトリクス」と以下の特徴を得る。

「▶▶▶スズキ・マトリクス」:「脳神経サイバネ」「回路」「チップ再生者専用」「電子戦ダイス+4」「回路暴走」:モーター回路やマイコ回路が誤動作を起こし、自我を蝕む事が多々ある。
『モーター』:戦闘開始時、「過剰戦闘衝動(軽度)」と同等の効果を得る。ただし、ダイスボーナスは「遠隔攻撃ダイス」にも入る。【精神力】1を消費して克服可能。
『マイコ』:「魅力的な相手」と遭遇した際(NMが決定する)、【ニューロン】判定(難易度HARD)を行い、失敗すると「対象の言うことを聞く」状態になってしまう。【精神力】1を消費する事でこれを克服できる。
チップ再生者の特徴:基本的には「種別:戦闘兵器」に等しい。【カラテ】【ワザマエ】はフレームの値を参照するが、【ニューロン】は初期値を1d6で決定し、通常通りに【精神力】を得る。これは、通常のモータルやニンジャのようにトレーニングで成長・特訓により「成長の壁」を突破する事が可能。(最大値は18である)。【精神力】が-1以下になった場合、即座にニューロンを焼ききられ死亡する。

【AI】値は存在しないが、通常の「スキルトレーニング」を行うことができ、その出目に+2の修整を得る。また、スキル取得数の限界値は6個となる。(◉スキルの前提をフレームの値で満たしていてもOK)

また、意識が人間であるためあまりの非人間化は狂気を生む可能性がある。「総サイバネ数-6(最低値0)」を基準に「精神力負荷」や「サイバネ狂気」を得る事。

【参考】ミニオンとしての戦闘兵器キャラの利用

ソロプレイを専門としていたり、若干PCの人数が少なかったり。あるいは、キャラクターがオイランドロイド偏愛者だったり、オムラと契約を結んでいたり。そのような時、戦闘兵器PCのデータを使用してミニオンを製作・運用する事も可能だ。

個人的にニンジャ・モータルPCが戦闘兵器を所有する場合、余暇2日と【万札:100】を支払う事により、戦闘兵器PC作成ルールに従ってミニオンを製作する事ができる。運用ルールは基本的に通常の戦闘兵器PCに準ずるが、以下の変更点が存在する。

◆ミニオンとしての戦闘兵器ルール
・基本的に所持しているPCのプレイヤーが操作する。
・得る回避ダイスは通常の1/2(端数切り捨て)となる。
・【AI】の初期値は「0」であり、最大値は「3」である。【AI】4以上のミニオンを所持する事はできない。(そこまで育った場合、別のキャラクターとして独立させるべきだろう。もはやモノではないのだ。)
・ミニオンの戦闘兵器は【名声】は得られず、【DKK】は所有者のものとなる。
・ミニオン戦闘兵器キャラを所持するキャラクターは、以下の追加の余暇ルールを得る。
「ボディ改修」:所持するミニオン戦闘兵器キャラに、「サイバネ手術」を受けさせる事ができる。通常通り、一回の改修で追加できる基部サイバネの数は1個までである。
「AI改修」:余暇2日と【万札】20を消費して行う。ミニオンの【AI】を+1する。
「プログラムカスタマイズ」:【万札】10と余暇1日を消費することで、【AI】値の上昇によって取得した◎スキルを組み替える事ができる。
追加生い立ち(NMの許可が取れた場合のみ使用可能)
○マシン技術者:戦闘兵器の運用に関する技術を持つ者であり、オムラやそれに類する工業系暗黒メガコーポのエンジニアであったり、マシン改造に命を賭ける趣味人であったりする。自身の半身とも言える戦闘兵器を持ち、戦闘にも活用する事ができる。このPCは、「戦闘兵器PC」ルールで製作されたミニオンを所持している。ただし、初期装備を整える万札は通常の半分(【万札】20)となり、自身の初期アイテムは捨てる事。また、この生い立ちスキルを持つキャラは恒常的な【カラテ】-1のペナルティを持つ。

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