GⅠ天皇賞・秋
序文:皇帝のいない十月
1985年10月27日15時37分、府中・東京競馬場。
騎手・根本康広29歳。
ゴール板を横切る瞬間、こんなことを考えていた。
「いま横目に見えたの、ルドルフの勝負服じゃね?」
目の前には緑のターフと、空一面の青だけが広がっていた。
さっきまで聞こえていた耳をつんざくような歓声は、いつの間にか何も聞こえなくなっていた…。
第92回を迎えた伝統の一戦、天皇賞・秋。このレースには史上最強の呼び声高い、あの「皇帝」シンボリルドルフが出走していた。
史上4頭目のクラシック三冠馬、無敗ということでいえば初である。後にGⅠ競争7勝を挙げJRA顕彰馬にも選出された、競馬ファンであれば誰もが知る歴史を彩る名馬である。
そしてこの時の戦いにおいて、当日13番人気から大金星を挙げ皇帝に土をつけた馬がいた。
ギャロップダイナ
87年天皇賞秋を制覇、通算42戦10勝
「フロックのかたまり」と呼ばれた
ギャロップダイナは1980年、北海道早来町の社台ファーム早来にて産まれた。父の名はノーザンテースト、現役時代に仏GⅠフォレ賞で勝利している名馬である。ノーザンテーストの父はやはり名馬として名高いノーザンダンサーで、その血統を見込まれ1972年に米サラトガのセリ市において、現社台グループ代表の吉田照哉が購入し日本へ持ち込んでいた。
ノーザンテーストは82年から11年連続で中央競馬のリーディングサイアーとして君臨し続けたが、ギャロップダイナはその4年目の産駒であった。
この第4世代には他に、桜花賞馬シャダイソフィアやオークス馬のダイナカールらがおり、ノーザンテースト産駒の当たり年といえた。
また母アスコットラップの血統は、当時の米競馬を代表する大種牡馬ボールドルーラーの血筋で、アメリカ産の良血を引く一頭としてギャロップダイナは早くから期待されていた。
幼駒の頃から気性が激しくも精悍な体つきをしており、関係者は皆この馬に熱い視線を注いでいた。
ギャロップダイナは育成期間を終え、社台ファームの会員制クラブ社台レースホースクラブの所属馬となり、その後美浦の矢野進厩舎に入厩することになった。矢野進厩舎は騎手だった父・矢野幸夫厩舎の馬を引き継ぎ、バローネターフで中山大障害を5勝するなどの躍進を続けていたが、80年代中頃からは社台クラブの馬を多く預かり、重賞戦線で結果を残していった。
1982年7月、3歳(現2歳)になったギャロップダイナは新潟競馬の芝1000mでデビューする。このレースで1人気に支持されていたのはプロメイドという馬で、皐月賞馬ハワイアンイメージの妹として大きな注目を浴びていた。ギャロップダイナは逃げたプロメイドをゴール前で捕まえて勝利した。
素質馬を千切り、華々しいデビューを飾ったギャロップダイナにファンも大いに注目したが、ここから苦難の日々が待ち構えていた。
次走、8月のチューリップ賞(OP)に出走するも5着敗戦。脚は使えるが気性が収まらず、精神的な未熟さが課題として浮き彫りになった。
結局デビュー年は1勝のみで、翌83年になっても全く勝てなかった。この年は同期のミスターシービーがシンザン以来19年ぶりに三冠を達成したが、ギャロップダイナは6戦して1勝もできなかった。
84年ギャロップダイナを預かる矢野進と陣営は、芝のレースに見切りをつけダート路線に方針転換するが、これが功を奏する。父ではなく母方に流れるダート血統が覚醒したのか、ギャロップダイナは面白いように好走を連発した。
13戦して5勝、掲示板を外したのは1度のみと無類の安定感を発揮。またこの頃から主戦騎手は、矢野厩舎の「ダイナ」冠の主戦騎手だった、柴崎勇に固定された。GⅠこそ未勝利だったが同年にダイナシュートで新潟3歳S、ダイナマインで新潟記念を勝利。堅実な走りが売りの中堅騎手だった。
この年は一頭のクラシックホースが競馬界を沸騰させていた。かつての名馬スピードシンボリの孫、シンボリルドルフが無敗のクラシック三冠を達成。デビューから菊花賞まで9連勝、ジャパンカップ3着を挟み暮れの有馬記念で優勝。並ぶ者なきその走りに、人々は心を奪われた。
84年4月15日シンボリルドルフは皐月賞に勝利したが、同日の中山でギャロップダイナは800万下のダート条件戦に勝っている。
この時クラシックのスターホースと条件戦を走るダート古馬が、GⅠの舞台で激突することになるなど、誰が想像できただろうか。
翌年、充実期に入ったと判断した矢野は、ギャロップダイナを芝に戻し重賞へと送り出した。4月のエイプリルSと京王杯(当時はOP)で2、3着に好走すると、迎えた初のGⅠ安田記念で5着。その後も夏の札幌と函館のOP特別で連対を果たし、秋古馬GⅠ天皇賞への出走を決めた。矢野は引き続きOP戦を戦うつもりだったが、オーナーである社台グループ代表・吉田善哉の鶴の一声で決定したのだ。
「チャンスさえ与えれば花開く可能性がある。それがノーザンテーストの血だ」
この天皇賞で最も注目を集めていたのが、この時すでに「皇帝」の通り名で呼ばれていたシンボリルドルフだった。春の宝塚記念を筋肉痛で出走取り消しになって以来、半年ぶりのレースだったが、単勝支持率56%と圧倒的な支持を得ていた。以下、凱旋門賞馬サンサンの仔ウインザーノット、マイルでは無敵のニホンピロウィナーと人気は続き、重賞未勝利のギャロップダイナは17頭立ての13番人気の評価だった。勝ち目はほとんどない、というのがファンの見解だったろう。
レースを迎えるにあたり、陣営には一つの問題が生じていた。それは鞍上の確保である。主戦騎手の柴崎勇は7番人気のロシアンブルーに、柴崎の次にダイナに乗っていた東信二がアカネダイモンに騎乗することが決まっており、駆け込みで出走を決めたギャロップダイナには乗ってくれる騎手がいなかった。
本番3日前になってようやく一人の騎手が候補に挙がる。矢野の父・幸夫と親交の深い、橋本輝雄厩舎に所属する根本康広という男だった。
根本はこの時デビュー7年目の若手騎手、年齢は29歳。騎手免許試験に3度落第し、デビューが21歳まで遅れたという経緯があった。同期には加藤和宏、木藤隆行、佐々木晶三、池添兼雄らがいた。特に加藤・木藤とは仲が良く、いつも3人で悪ふざけをしては「美浦のひょうきん族」と関係者から笑われていた。競馬ファンからの評価は、決して信用できる騎手ではないが時折り人気薄を上位に持ってくる、いわゆる「穴騎手」として支持されていた。
作家で競馬評論家の高橋源一郎は根元のことをこう評している。
「根本を軽んずる者は根本に泣く、根本を重んずる者は根本に泣く」
そんなトップ騎手とは言えない根本だっがた、障害免許も有しており、矢野厩舎のバローネターフに跨り、障害競走の最高峰・中山大障害の春秋連覇を達成していた。矢野進にしてみれば、普段は飄々として掴みどころがないが、やる時はやってくれる。そんなイメージを持たせる不思議な男だった。
直前で声がかかった時、根本は天皇賞に勝てるなどさらさら考えてはいなかった。それもそうである「皇帝」シンボリルドルフの単勝オッズはおそらく1倍台、他にもその首を狙って強豪がひしめき合っている。矢野さんには世話になっているが、これは厳しい戦いになるだろう。
だがそう思う一方で、根本はこんな風にも考えていた。
「でもまあ、出るからにはチャンスがあるかもしれないな」
以前中山の宿舎でのこと。浴場で先輩騎手の吉永正人と居合わせたことがあった。その時、根本は週末の重賞へ出走することが決まっていた。
そのことを吉永に話すと、笑顔で激励してくれた。
「おおメインレースか、いいじゃないか」
「いやあ先輩、出るだけですよ」
根本は謙遜して受け応えた。根本が乗る馬は人気馬でなかったからだ。
「おい根本、ちょっとこっち来い」
「へ?」根本が近づくと先輩騎手は彼の頭をぴしゃりとはたいた。
「あのなお前、重賞なんてのは出たくたって出れないやつがごまんといるんだぞ。お前は出れるんだ、出る以上勝つかもしれんだろ」
確かにそうだと思った。あれ以来、根本はどれだけ足らない馬に乗った時も勝つための手段を模索するようになっていた。「穴騎手」としてファンに支持される理由がそこにあった。とはいえ今度の相手は無敵の皇帝陛下だ。どのように戦えばよいのか、どれだけ考えたところで答えは出なかった。
レース当日。出走直前になると、調教師の矢野は勝機を見い出そうなどとは思わなくなっていた。
天皇賞へダイナの出走を決めたのは社台代表を務める吉田の発言がきっかけだったが、その吉田に至っては東京ではなく京都競馬場にいた。その日は京都でスワンステークスが開催されており、桜花賞馬のシャダイソフィアが出走予定だったからだ。これには矢野も呆れてしまった。
「あのおやじ、ノーザンテーストがどうとか調子のいいこと言ってたくせに…」
勝ったら口取りはどうなるんだ、こっちはGⅠだぞ、ハナから勝つ気はないってことなのか。なんだかますます弱気になってしまう。
スタート前、矢野は根本にこう伝えた。
「頼むからケツにだけはならんでくれよ」
根本は答えた。
「矢野さんも勝てないって思ってる?」
顔を覗き込むと、根本の表情からは勝利への意欲が滲み出ていた。今までも何度かこの顔を見たことがある。「穴騎手」はすっかりスイッチが入っている様子だった。
矢野は後悔した。こいつは勝つ気でいる、この馬を育ててきた俺が信じないでどうするんだ。
少し思案した後、矢野はこう付け加えた。
「もし" 勝てるとしたら "勝負は直線。ぎりぎりまで脚を溜めるように」
ゲートがオープンしたその瞬間、異変が発生した。
シンボリルドルフが出遅れたのである。スタート直後に躓いたようだった。
向こう正面に入り馬群が形成されていくなか、後方からの競馬を選択したギャロップダイナと根本はここでぎょっとした。自分のすぐ近くを皇帝が走っていた。ルドルフは大外枠、内枠からスタートした根本はシンボリルドルフが出遅れたことに気づいていなかった。
「ははーん出遅れたな、いいザマだ。これはチャンスがあるかもしれんぞ」
内心ほくそ笑んだ根本だったが、すぐに呆気にとられてしまう。第3コーナーの手前からシンボリルドルフはぐんぐんと加速。あっという間に先団に取り付き、それでいてまだ余力を残し悠然と走っていた。
今まで隣を走っていたのに、もうあんな前にいる。
「ああやっぱ強いわ、これは勝たれるな」根本はほとんど諦めかけていた。
この日のシンボリルドルフは明らかに本調子とは言えなかった。スタートから出遅れたこともそうだが、走りにも力みが見え、直線進入後の仕掛けも早すぎた。残り400m、皇帝の背中を狙い澄ましウインザーノットが迫ってくる。一瞬前に出たがすぐさまルドルフが抜き返す。皇帝の眼前は、そうやすやすと譲り渡してもらえない。
そこに外からニホンピロウィナー、ニシノライデンらが迫ってくる。
それでもルドルフは前を譲らなかった。このまま粘り切るのか、誰もがそう感じた矢先、大外から猛烈な勢いで突っ込んでくる馬がいた。
忘れかけられていた赤い帽子、ギャロップダイナの追込みだった。
瞬く間に先団に取り付くと、残り100mでまとめて抜き去った。
TVではこう実況されていた。「あっと驚くギャロップダイナ!!」
誰しもが信じて疑うことのなかった「皇帝」シンボリルドルフの生きる伝説を、ギャロップダイナと鞍上・根本康広はこの日、完膚なきまでに打ち砕いたのだった。
次走11月のジャパンカップも根本とギャロップダイナのコンビは継続された。小雨の降る中行われた国際GⅠレース、ギャロップダイナは7番人気で出走し7着という結果に終わった。
誰もが予期していなかった穴馬と騎手の勝利。天皇賞の大逆転劇は、スポーツニュースでも大きく取り上げられるほど盛り上がったが、奇跡とはそう立て続けに起きるものではない。
12月の有馬記念、3番人気に支持され挑んだ根本とダイナのコンビはここでも完敗。ジャパンカップ・有馬記念、このレースで連勝を飾ったのはシンボリルドルフだった。皇帝の矜持にかけ、2度も負けるわけにはいかなかった。
そして結果としてこの有馬記念が、ギャロップダイナと根本康広のコンビで臨む最後のレースとなったのだった。
翌年7歳を迎えたギャロップダイナは現役を続行、主戦騎手を柴崎勇に戻し再び重賞戦線へ挑んでいった。
始動戦の東京新聞杯ではトウショウペガサスを下し勝利。5月のGⅠ安田記念に出走すると、直線残り200で粘るホリノカチドキを差し切り、天皇賞を彷彿とさせるような追込みで勝利した。鞍上柴崎にとっては初のGⅠ制覇となった。
その後、陣営はギャロップダイナを欧州へ遠征させることを発表。仏のマイルGⅠ最高峰、ジャック・ル・マロワ賞とムーラン・ド・ロンシャン賞が目標だった。同年3月にはシンボリルドルフがアメリカに遠征、GⅠサンルイレイステークスで大敗していたが、それを押しての表明だった。
ギャロップダイナはシンボリルドルフを一度下したことのある馬、矢野は誇りを胸にダイナをフランスへ送り込んだ。
一方、天皇賞でギャロップダイナと共にルドルフを破った根本康広は、相変わらず「穴騎手」としての日々を過ごしていた。天皇賞に勝利し晴れてGⅠ騎手となったものの、劇的に自身の評価が高まるという訳でもなく、所属する橋本輝雄厩舎の馬を中心にいつも通り騎乗をこなしていた。
ギャロップダイナが海外遠征を表明した夏、根本は一頭の牡馬と出会う。馬の名はメリーナイス。橋本厩舎に回ってきた、近年ではこれ以上ないほどの素質に恵まれた馬だった。
翌年に定年引退を控えていた橋本にとって、メリーナイスは最大にして最後のチャンス。橋本は現役騎手時代にダービーと皐月賞を勝ったことがあったが、調教師になってからはアカネテンリュウで菊花賞を制したのみで、その他のクラシックレースには未だ縁がなかった。この馬なら来年のクラシックを狙えるかもしれない。橋本は期待を膨らませていた。
そして橋本はこの素質馬の主戦騎手を、弟子の根元に託したのだった。
橋本の期待に応えたかった根本は、メリーナイスを見事12月のGⅠ朝日杯3歳Sの勝利へと導いた。長年世話になった恩師の引退へ、花道を作るつもりだった。
ところが年明けの2戦、3月のスプリングSで大敗を喫すると、調子を崩した根本とメリーナイスはクラシック一冠目、皐月賞でも7着という不甲斐ない走りを見せてしまう。
やっぱり俺は穴騎手に過ぎなかったのかと、意気消沈し乗り替りを覚悟した根本だったが、橋本はメリーナイスの鞍上を代えることをしなかった。
その気持ちにどうしても応えたい根本は、強い意志を持って日本ダービーの舞台に臨んだ。一昨年、秋の天皇賞でギャロップダイナに騎乗した、あの時に似た面持ちだった。
思い返すと、随分昔のことのように感じる。あの時はそう、ほとんど誰からも期待されていなかった。それでも勝ちたいという一心から不可能を可能にしてみせた。ギャロップダイナに跨ったのはたった3度だけだったが、あの馬には随分と競馬を教えてもらった気がする。
俺は決して優秀なジョッキーではないと思う。ルドルフに乗っていた岡部さんのような、完璧な競馬をすることはできない。橋本先生が調教師を引退すれば、自分はフリーの騎手となる。そうすればGⅠや上位を狙えるような馬に騎乗する機会は、そうそう貰えなくなるだろう。所詮その程度の騎手なのだ。
それでも自分を信じ、勝負させてくれる人がいる。馬に教えてもらい、人に育ててもらい、ここまでやってきた。
橋本先生のために、自分を信じる人のため、このレースに勝とう。
メリーナイスは日本ダービーを勝利した。日本競馬史上3番目となる、6馬身差を以てのダービー勝利だった。そして調教師の橋本は、史上3人目となる騎手・調教師両方での日本ダービー制覇という快挙を達成した。
その後、根本とメリーナイスはセントライト記念の勝利を経て、クラシック三冠最終戦・菊花賞に出走。1番人気に支持されたが、最外枠の18番枠だったのが影響し9着。次走、年末のグランプリ・有馬記念では3番人気の支持を受けながら、スタート直後に落馬して競走中止という結果に終わった。
その後も根本は「穴騎手」として現役を続行した。トモエリージェントに騎乗しGⅢで3勝を挙げたほか、時折人気薄の馬を馬券内に持ってきてはファンを湧かせたが、ギャロップダイナ、メリーナイスに乗った時のようなGⅠ勝利はあれ以来なかった。
1997年2月、調教師免許を取得し騎手を引退。通算2633戦235勝、うちGⅠ競争3勝を含む重賞14勝の戦績だった。
「皇帝を破った馬」ギャロップダイナは欧州遠征2戦で大敗すると、帰国後の天皇賞4着、ジャパンカップで7着と、引退するまで勝利することはなかった。それでも現役最後のレースとなった同年の有馬記念では、11番人気から激走。勝ったダイナガリバーに続き、2着の好走で有終の美を飾った。昨年の天皇賞でルドルフを破った時のように、最後まで波乱を演出しターフを去ったのだった。
2016年3月。それまで重賞勝利もなく、脚光を浴びることなく過ごしてきた根本厩舎に、世間の注目を一身に集める出来事が起きた。
16年ぶりに誕生したJRA女性騎手、藤田菜七子を受け入れることになったのだ。連日のようにメディアに晒され疲弊していく藤田を、根本はメンタル面から支えていった。自身の人気に対し、騎乗技術が追い付かず思うように勝てない藤田へ根本は言った。
「結果は気にしなくていい。騎手は敗けるのが当たり前、自分らしさのある騎乗を心掛けなさい」
幾度となく根本の言葉に支えられた藤田は、少しづつ実績を重ねていった。そして4年目の2019年、カペラSでコパノキッキングに騎乗し重賞初制覇。翌20年には女性騎手初の通算100勝の快挙を達成した。
2024年3月には、同年に騎手免許を取得した長浜鴻緒が新たに入門。丸山元気、野中悠太郎、藤田菜七子に続き4人の門下生を抱えることとなった。フリーで活躍する騎手が多くなった現在の競馬界では、異例といえる出来事である。
「馬だけでなく、人も育てる」
根本自身が多くの先輩や仲間たちに恵まれ、現役を過ごすことが出来た故の信条だった。
「自分の感性で乗ってこい」
根本は弟子たちに騎乗指示は出さず、己の競馬を突き詰めていくように促す。いつでも答えはターフの上にある。かつて騎乗してきた馬たちにそれを教えられてきた。馬と人、双方どちらかが欠けてしまっては競馬は成立しない。共に歩んでいく中に、俺たちの生きる世界があるのだ……。
馬が教えてくれた、人が育ててくれた。
皇帝のいない秋、十月。
時折昔を思い出しては、新たに誓いを立てる。
俺はこの美浦の地で
馬と共に生き、人を育てていこう。
「GⅠ天皇賞秋、まもなく出走です」
~はじめに~
⚔天皇賞秋・攻略戦⚔
皆さまお疲れ様です!今週もnote投稿のお時間がやってまいりました。
毎週言ってますが、早いです。異様に速い。
で、Xの方へ投稿させていただきましたが、先週末に西山牧場オーナーの西山茂行社長のお誘いで東京競馬場へ観戦に行ってまいりました。
いやー、凄すぎました。凄すぎて上手く言い表せないですが…。
とにかく凄かったです笑
東京競馬場の7階がいわゆる「馬主席」として用意されているのですが、
今回タイツが潜入したのはその中でも中央部分にある、馬主協会役員専用のラウンジでした。その中でも一番眺望の良い特等席、席には「西山副会長」のネームが置いてあり、その隣に座らせていただきました。
最終レースを観戦する前に西山さんはこうおっしゃいました。
「東京競馬場は世界でも有数の、評価の高い競馬場として知られています。その競馬場で一番眺めの良い席、それがここ。」
本当に感謝しかありません。
西山オーナー、貴重な機会を与えていただき改めてありがとうございました。これからも、ますますのご活躍をご祈念申し上げます。
そして今週は秋の天皇賞ということでギャロップダイナと、鞍上を務めた根本調教師のお話を取り上げてみました。結構前からこの話を書こうと思っていたのですが、そんな矢先に藤田騎手引退の報が…。応援していただけに凄く残念でした。いろいろなご意見があるのでしょうが、藤田騎手には改めて伴侶の方と素敵な人生を、根本先生もどうか健やかに調教師人生を全うできるよう、一競馬ファンとして願っています。
では改めてここからは、今週末に控える秋の古馬GⅠ天皇賞の攻略記事をお届けしたいと思います。それではどうぞ。
タフでハードな東京芝2000m
1コーナー奥のポケット地点からスタート。すぐに2コーナーを迎えるので、ロスの多い外枠は基本不利となります。長い向こう正面でスピードが落ちにくくハイペースに陥りがちですが、GⅠ天皇賞秋の舞台に至っては、後継ラップの傾向が強いです。つまり"前半は平均からスローで折合って、後半の直線で切れ味勝負"といった流れになりますね。
今年は恐らくホウオウビスケッツが先手を主張しそうです。平均的な秋の天皇賞となりそうなので、決め手で勝負ができる馬を推奨していきたいです。
昨年のレースを振り返る
勝ったイクイノックスは宝塚記念からGⅠ5連勝をかけ出走。レースはジャックドールが果敢にハナを切って前半1000mを57.7秒で通過、前年のパンサラッサに続きハイペースを演出しました。その前年とは異なり、先団3番手の好位を確保したイクイノックスは直線に入って仕掛けると、上りメンバー3位の末脚で楽々差し切り勝ち。高速馬場で1.55.2秒というJRAレコードを記録しました。まさに最強GⅠ馬にふさわしい盤石の競馬。
2着は後方10番手を進んだジャスティンパレスが鬼の末脚で2着入線、6番人気でした。3着は川田将雅騎手騎乗のプログノーシス。前走札幌記念優勝馬が意地の競馬をみせました。
Topic5で東京攻略
ここからはまあまあ核心を突いていると話題(嘘)のトピック集、今週も過去10年データをもとに、5点ご紹介させてもらいます。
📝1番人気の成績は?
1人気は過去十【7-1-1-1】で連対率80%、過去9年で7勝しています。ほとんど崩れないと言えます。単勝1倍台で3勝、3倍台で3勝、単勝オッズ2倍台のみ崩れやすいという謎の傾向があります。おそらくリバティアイランドが1人気なるでしょうから、何倍台かはチェックしといても良いかもですね。また1・2人気でのフィニッシュは過去十で1度のみ。連対馬20頭のうち16頭が5番人気以内でした。
1人気を軸に相手を2~5番人気の中から選定、穴を狙う場合は6~10人気。とオーソドックスな馬券戦略がおすすめです。
📝前走好走しても人気にならない馬はいるか?
6番人気以下で連対した馬たちをみると、GⅡ以上の重賞で連対もしくは好走の履歴があります。昨年は宝塚記念3着のジャスティンパレスが「何故か」6人気で出走し、2着。一昨年は札幌記念2着のパンサラッサが「何故か」7人気から2着。前走好走しても今回人気にならない馬がいたら要注意です。私見でいえばソールオリエンスですね。
📝穴狙いなら逃げ追込み?
6番人気以下で馬券内に入ったことのある9頭のうち6頭が追込み、3頭が逃げ馬でした。昨年のジャスティンパレス、一昨年のパンサラッサは記憶に新しいところですね。人気薄を狙うときは大胆な走法を見せる、個性特化型の馬を狙うと好結果につながるかもしれません。今年は、岩田望来騎手のホウオウビスケッツが単騎逃げしたら面白そうだな、と思います。
📝春のGⅠ直行馬から買いたいところ?
ローテーション的に中24週以内で出走した馬に妙味ありです。
安田記念、宝塚記念、札幌記念から直行した馬が多く活躍していますね。半年以上の休み明けから直行した馬は21年コントレイル、20年フィエールマンがそれぞれ2着でした。前走がドバイシーマのリバティアイランドはどうなるか…?
📝前走3着以内が目安?
連対した15頭が前走3着以内でした。前走4、5着だった馬は【0-0-3-25】。過去4年の全連対馬は前走3着以内。
前走6着以下から連対した5頭のうち4頭がGⅠ馬、残る1頭もGⅠで2着に入ったことのある馬でした。またこの5頭は全て2走前にGⅡ以上のレースで連対をしていました。
前走3着以内の馬が目安、そうでなくともGⅠ連対経験がある馬が絶対条件になると思います。
時間がない方のためのまとめ画像だよ♬
森タイツ式推奨馬の解説
ここからは恒例のオリジナルイラスト付き解説を…。
有力候補5頭と、その他の馬には短評を添えて。
参考にしていただければ幸いです。
女王の帰還
昨年の三冠牝馬リバティアイランドが満を持しての出走です。
昨年10月の秋華賞を勝利し史上7頭目の牝馬三冠を達成すると、返す刀でジャパンカップに参戦。最強馬・イクイノックスには敗れましたが、2着に入線し歴戦の古馬相手にもその脚が通用することは実証済みです。
年内始動戦は海外遠征、3月のドバイシーマCを選択。1人気に支持されましたが、レースでは不利もあり3着敗退。その直後に種子骨靱帯炎であることが判明し、長い間戦列を離れていました。今回は約半年ぶりの実戦復帰。初戦でどこまで状態が戻っているか、その見極めが鍵になって来るでしょう。
リバティアイランドはドゥラメンテ産駒。父は早逝しその産駒は全5世代のみで終わっていますが、リバティを輩出した第3世代からは他にNHKマイル勝ちのシャンパンカラー、菊花賞馬ドゥレッツァ、2歳王者ドゥラエレーデと、活躍馬を多数輩出しています。
母ヤンキーローズは豪州産馬で母国のGⅠを2勝している名牝です。血統によるコース適正はまず問題なしと言えるでしょう。
リバティアイランドはGⅠ4勝。実績だけでいえば出走馬中、最上位であると言えます。今回は休養明けの一戦ということで、どこまで仕上がっているかその一点だけが争点になりそうですね。靭帯炎云々ということを抜きに考えれば、基本休み明けでも問題のないタイプだと思いますし、東京実績もあるので安心して印を打てる気がします。極端な末脚タイプ、上がり特化型という訳では無いですが、総合力が高く鞍上の能力も相まって1人気は堅そうです。伝統の一戦ということで、GⅠ実績のある強豪が出揃う訳ですが、一方で最大のライバルになりそうだったジャスティンミラノは故障で回避。風向きは向いてきています。
また以前から解説しているように、管理の中内田厩舎と川田将雅騎手の戦績は鉄板中の鉄板。秋華賞のクイーンズウォークは残念な結果となりましたが、あのレースではスタートでの躓きもありましたし、ここもまだまだ信頼に足りると思います。
今回の天皇賞は、おそらく本馬の今後の活躍を占う一戦になりそう気がしています。伝説が再始動するかもしれません。三冠牝馬の矜持に期待してみましょう。
新世代「歌劇の王」
2024年GⅠ大阪杯覇者にして前走宝塚記念で3着のべラジオオペラです。
昨年はGⅡ、GⅢ勝ちがあったものの、晴れ舞台の東京優駿では4着と惜しくも戴冠ならずでしたが、今年に入って大きく成長を遂げた感があります。
そもそも現4歳世代は全体的にその実力を疑われてきました。そんな中、古馬混合GⅠにおいて世代で初めて勝利したのがべラジオオペラでした。
べラジオオペラはロードカナロア産駒。日本が世界に誇る「龍王」は、香港含むGⅠ6勝。種牡馬入り後もスプリント~中距離路線にかけて名馬を量産しています。天皇賞秋の舞台ではGⅠ9勝のアーモンドアイが連覇をしている他、パンサラッサが大逃げでイクイノックスの2着に粘った過去があります。距離、コース、レースに対する適正は申し分なしと見て良いでしょう。
べラジオオペラのストロングポイントはその安定感にあります。これまでに9戦して大きく崩れたのは重馬場の皐月賞のみ。相手なりに常に好走できる強みがあります。秋の伝統GⅠということで相手も歴戦の猛者が揃いますが、ここでも十分にやれると思います。またGⅠ大阪杯を制したように、現状2000mがベストだと思いますので、距離適性の点からも期待はできそうです。
ただ基本的に、好位追走からの直線での一突きを得意のレーススタイルとしているため、直線の長い府中でのロングスパート戦になった場合、どこまで粘れるのか少々不安な部分もあります。とはいえダービーでは4着に収まっていますし、鞍上の和生騎手とも日増しに絆を深め、上村厩舎とのチーム一丸の団結力は頼もしい限りです。ちなみに上村厩舎は現時点で今年リーディング6位の好成績で、昨年から急成長を遂げています。4歳世代の急先鋒として、牝馬代表のリバティアイランドや並み居る古馬たちを蹴散らし、秋の盾奪取を期待したいです。
王座奪還
「絶対王者」ドウデュースが、自らの勇退に花を添えるべく、秋古馬三冠に再び挑んできました。
一昨年の日本ダービーでは覚醒前とはいえ最強馬・イクイノックスを完封。同馬が引退後に、暮れの有馬記念で勝利。と現役では最強、文句なしの実績を誇ります。
今年の春はドバイGⅠへ参戦しましたが不利もあり5着。宝塚記念では重馬場で思うように脚を使えず6着と、昨年同様ここまで不完全燃焼に終わっています。陣営は年内での引退を明言し、秋古馬三冠への出走を表明。グランドスラム達成なるか、まずはその初戦です。
ドウデュースはハーツクライ産駒。07年に種牡馬入りしてから数々の産駒を世に送り出してきました。昨年にこの世を去ったため、23年度のデビュー馬がハーツクライのラストクロップとなりました。ハーツクライの産駒からはスワーヴリチャードなどが種牡馬入りし結果を残しており、その血統はこれからも続いていくでしょう。
母のダストアンドダイヤモンズは米GⅡ勝ちの実績があります。牝系の近親馬には凱旋門賞勝ちのダンシングブレーヴがおり、大一番での底力、脚を溜めてからの爆発力には大きな魅力を感じさせます。
ドウデュースは現在GⅠ3勝の実績で、TOPICで挙げたGⅠ実績重視、春のGⅠからの直行という点で、好走条件を満たしています。荒天の重馬場、海外での実戦、という不完全燃焼に終わった前2走を度外視すれば、昨年末に古馬一線級が顔を揃えた有馬記念を制したことは、最大限に評価できます。最後の直線一気だけでなく、中山の3コーナーからポジションを押し上げた機動力の高さはこのレースでも活きてくるでしょう。ただ裏を返せば良馬場で速い時計での勝負が前提条件となるため、重馬場以上の道悪になるようでしたら、素直に割り引いた方が良いかもしれません。
注目ポイントとしてもう一点、管理の友道厩舎の東京2000mにおける戦績は、出走する調教師の中でもトップです。過去5年統計で連対率40%弱と抜群の実績を誇ります。今回は同厩舎のジャスティンミラノが出走を見送ったため、本馬に懸ける思いはことさらに強いはずです。
鞍上はレジェンド・武豊騎手。昨年の同レースでは悔しい思いをしましたので、こちらもやはり強い気持ちで臨んで来るでしょう。
秋古馬三冠達成へ向けた、王者のプライドに注目です。
日出る国の王子
2023年皐月賞馬の逆襲。ソールオリエンスの激走が始まります。
一昨年のデビュー当時からその素養を高く評価され、2戦目の京成杯、3戦目の皐月賞を無敗のまま奪取。ダービーは惜しくも2着でしたが、世代ではトップの能力と実績を有し23年クラシック世代を牽引してきました。
昨年有馬記念で8着に敗れると、年内始動戦から着外が続き世代全体の質に疑問符が投げかけられましたが、前走宝塚記念で躍動。好調そのままに、秋古馬伝統の一戦へ挑んできました。
ソールオリエンスはキタサンブラック産駒。昨年の引退したイクイノックスを輩出したことは広く知れ渡っていると思います。
産駒全体の戦績も上々で、今年の種牡馬リーディングは現在11位。出走回数504回/勝利数57回はなかなか優秀で、芝の1勝クラス以上であれば右・左回り関係なく1800m以上の距離で好成績を残しています。
母スキアは仏のGⅢ勝ち馬で、血統評価においては問題なしと言えますね。
先述したようにソールオリエンスはクラシック終了後から不振続きでしたが、前走宝塚記念で2着に好走。復活の予感を到来させています。またTOPICの項目で挙げた、「前走好走したけど人気薄」「個性的な追込み脚質」という2点においても期待が見込めそうです。
不安材料としては皐月賞・宝塚記念に象徴されるよう道悪で時計のかかる馬場で快勝しているので、良馬場での時計勝負になった場合はライバルたちに切れ負けする可能性が高いです。先に挙げたドウデュースと真逆の適正になります。
そういった意味では今回のレースはいつも以上に天候・馬場コンディションに左右される結果になりそうな気がしますので。当日の天気にはよくよく注意を払いたいところです。
世代の能力を疑われたとはいえ、やはりその末脚にはいまだ大きな才能が秘められているはずです。同世代のベラジオオペラには兄・和生騎手が騎乗します。弟・武史騎手は同世代の本馬で出走と、兄弟による激走が前走同様に見れたら面白いですね。十分期待できると思います。
その馬上に「東京の王」
ノリに乗っているトップ騎手C・ルメールを配し、レーベンスティールが出走します。
エプソムカップ、オールカマーと重賞を連勝。異なる適性が求められる舞台で勝利したことは十分評価できると思います。そういった意味では昨年末以来となるGⅠの舞台でも期待したくなります。
レーベンスティールはリアルスティール産駒。22年に初年度産駒がデビューして以降、やや地味ではありますが着実に実績を伸ばしてきている、ディープインパクトの後継種牡馬です。芝の適正距離はマイル以上、1800~2200mで多く勝ち鞍を挙げている他、東京・新潟での左周りを得意とする傾向があります。GⅢとはいえエプソムCで東京1800mを制しているので、血統面でのコース適正はクリアですね。
ただこの産駒は軽い馬場の方が得意なため、稍重・重になるようでしたら割り引いた方が良いかもしれません。
ただし不良馬場での成績は凄まじく、驚異的な勝率・回収率に跳ね上がります。万一、土砂降りなどで不良馬場にでもなるようでしたら間違いなく「買い」です。
レーベンスティールはデビューから重賞初制覇となったセントライト記念までの6戦において、全て上がり3F最速を記録してきています。GⅢのエプソムCでは59㌔を背負ってもなお上がり最速をマーク。前走オールカマーでも高速仕様の中山2200mを戦い上り2位を記録。末脚の火力はこのメンバーにあっても上位に位置しています。
この馬は3走前の新潟大賞典で11着に大敗しています。このレースは先手を主張したヤマニンサルバムが、スローペースに持ち込みそのまま逃げ切り勝ち。また新潟の芝も良馬場とはいえ、若干時計のかかるコンディションになっていました。早い時計での勝負を得意とするレーベンスティールにとっては、利が少なかったレースだったと思います。今回も時計のかかる展開になるようだと不利になると思いますので、その点は要注意です
鞍上は前走に続きCルメール騎手が務めます。過去5年、東京芝2000mにおいて勝率34%、連対率49%と驚異的なデータ。さらに18年以降の秋天では【5-0-1-0】と馬券内を外していません。彼にとってはまさに庭同然のコースと言えます。
調子を上げてきた重賞馬に「東京の王」が騎乗となれば無視はできません。
鞍上の3週連続重賞制覇なるか、要注目です。
逆襲の「宮殿の王」
昨年春天王者にして秋天2着馬ジャスティンパレスです。
ジャスティンパレスはディープインパクト産駒。昨年のクラシック世代からその直仔は絶たれましたが、古馬戦線ではいまだ数頭の素質馬がおり、この馬もその中の一頭です。この産駒ではスピルバーグが14年に戴冠。適正はあると言えますが、秋の天皇賞のディープ産駒は2着に終わることが多く、その点は少しもやもやしますね。
昨年春の天皇賞を勝っていますが、その時の走りは瞬発力というより、失速せずに長く脚を使った勝利でした。一方、昨年秋の天皇賞では、イクイノックスに敗れはしたものの、プログノーシスと、テン乗りとはいえドウデュースに先着しています。道中ポジション取りに失敗したものの、直線で鋭い末脚を見せ初めて「上り33秒台」で2着に肉薄しました。
長距離でも失速しない持続力に加え、ディープ産駒特有の末脚を併せ持った本馬。ストライドが大きい走りも大箱向きで、昨年2着に好走した同舞台で期待はできると思います。
鞍上は坂井瑠星騎手が担います。ケンタッキーダービーや凱旋門賞など、今年海外で多くの経験を積んだ急成長株です。
本馬とは初のコンビとなりますが、追込み一辺倒というより少し前目につけるような、積極的な騎乗をしそうな気がします。
良い化学変化が見れれば、久々のGⅠ戴冠もあり得ると思います。若きエースの躍進に刮目です。
~おわりに~その他の馬を添えて
ここまでお読みいただいた皆さま、お疲れ様でした。
長文にお付き合いいただきありがとうございます。
いつも読んでくださる方にはそれ以上の感謝を…。
毎週好意的な意見ばかり頂戴して、間違いなくモチベアップにつながっています。秋~年末へのGⅠレースはまだまだ残されていますが、今後も継続できそうです。
次週はGⅠ重賞ナッシングということで、少しゆっくりできるかなと思っています。指数はやりますが、次回のnoteはエリザベス女王杯を予定します。
冒頭コラムは若干ネタ切れになってきたので、ゆっくりしている間にゆっくり考えたいと思います笑
それではこれも恒例となった、その他の有力候補の短評を書いて校了とさせていただきます。改めてご一読ありがとうございました。
では、また…。
📝ノースブリッジ
🏇鞍上:岩田康誠
GⅡ札幌記念勝ち馬。モーリス産駒ということで、父は5歳の時に秋天に勝利しており血統適正は見込めます。
札幌記念からの直行組には昔から好成績を残す馬が多く、22年にはパンサラッサが2着に入っています。
ノースブリッジは先行力が武器なので、枠順に恵まれ好位を取れれば面白い競馬が出来ると思います。ただし広く長い直線を有する府中では後続勢の目標にされてしまうので、その点は怖いですね。鞍上は岩田父なので、思い切りのいい胆力のある騎乗を期待できそうです。
📝ホウオウビスケッツ
🏇鞍上:岩田望来
GⅢ函館記念勝ち馬で毎日王冠2着。こちらも先行力が売りの快速馬で、鞍上は岩田父に代わり息子の望来騎手が務めます。
毎日王冠で見せた粘り腰は見事で、単騎逃げが叶えば上位進出もと考えていましたが、今回は前に行きたい馬が他にもいるので難しいかもしれないですね。展開次第といったところでしょうか。
マインドユアビスケッツ産駒はあまり目立った活躍馬がいない印象ですが、ダートで活躍するデルマソトガケや2勝クラスのショーモンがいます。
📝タスティエーラ
🏇鞍上:松山弘平
23年ダービー馬。あれ以来勝利に見放されていますがどうでしょう、春の2戦は輸送が堪えたのか凡走を連発。今回は輸送リスクなしのダービーを勝った府中が舞台ということで、浮上の目もありそうです。
器用な立ち回りが最大の武器で、先行力・切れ味はともに平均的な能力の馬です。先団に取りつくでもなく、追込みに賭けるでもなく、ダービーの時の様に好意を奪ってしまえば台風の目になる可能性も。
鞍上の松山騎手は弥生賞の時に勝っているので、その点は安心して見れそうです。
サトノクラウン産駒ですが面白いのは牝系で、秋天を勝ったトーセンジョーダンやカンパニーが近親にいる血統です。久々の府中での一戦ですが、堀調教師の最も得意とする舞台ですから、いろいろな意味で楽しみな一頭と言えます。
📝ステラヴェローチェ
🏇鞍上:佐々木大輔
前走オールカマーで惜敗しているので、ここでは重たい印は打てなそう。
とはいえXにもポストしましたが、バゴ産駒は距離延長時でなく距離短縮時の好走が多いので、その一点だけでも面白いなと思っています。
個人的にはノリさんに乗って欲しかったんですが、今回佐々木騎手ということで若手の中では躍進目覚ましい一人ですし、管理の須貝厩舎とも好相性なので、そこも楽しみですね。
📝ダノンベルーガ
🏇鞍上:Cデムーロ
デビュー2戦目の共同通信杯から勝ち鞍に見放されていますが、一方で粘り強い好走が多く、切るに切れないといった感じの一頭。
ここで短期来日のCデムーロ騎手に乗り代わるので、この名手により新味が発揮されれば面白いかもしれませんね。
産駒は父・ハーツクライ。ドウデュースと同じですね。ということで血統的な背景は問題ないと思います。
📝ニシノレヴナント
🏇鞍上:田辺裕信
我らが西山オーナーの所有する一頭!
オープン馬で重賞ではいまだ好走は見せていませんが、末脚の鋭さには魅力ありです。ここに来ての距離短縮がプラスに働くようでしたら面白いかなと。鞍上は田辺裕信騎手。東京巧者ですし、穴をあけること出来るジョッキーなのでその点にも期待はできると思います。
わたくし、森タイツはもちろん印を打たせていただきます!!
(☝滅ッ茶現金ww)
皆様、悔いのない馬券を!そして素敵な週末を!!