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弱りきった祖父から学ぶべきこと【コラム】

人生はリアルに短い。
無意味な時間を過ごしている場合ではない。


一昨日の朝5時に83歳の祖父が救急車で病院に運ばれた。
孫の距離感の私には原因についての詳細は知らされなかったが、延命措置をするかどうかという話が出ているらしい。


だから念の為昨日、母と一緒に衰弱しきった祖父の見舞いに行った。


祖父の人柄は一言でいうなら、インテリヤクザ。
元警察官で、相当な亭主関白、妻や子に鬼のように厳しい。沸点が異常に低く、ことあるごとにブチギレる。そして毎日浴びるように酒を飲む。柔道にも精通しており、腕力は半端ない。私が幼い頃、悪いことをした時には雪が積もる極寒の外に投げ捨てられたこともある。怖ぇ。


その一方でかなり意識は高い。
毎日早寝早起きをして、運動して、読書やジャーナリングをして、たくさん旅行して各地の歴史を学ぶ。そして警察官をやめて転職した中小企業でも専務になり、年収1000万以上は稼いでいた。教育意識も高く、私への金銭的支援もしてくれたし、頻繁に外へ連れ出してさまざまな経験をさせてくれた。本当に感謝。


祖父はいわゆる昭和の強い男の象徴という感じ。


そんな彼の見舞いにいったら、やはり相当弱りきっている。


病室で横たわって、酸素マスクをして、覇気はまったくない。自分で起き上がることができず、1つ単語発するだけでも相当なエネルギーを消耗しているのが伝わってくる。


あれだけ活発だった人が、もうベッドから動けずどこにも行けない。
そんな姿を見ていると色々と考えさせられる。


ふと他の入院患者の方々を見てみると、祖父と同じように覇気がない。
おそらくもう先は長くないのだと思う。


こういう状況を目の当たりにすると、
リアルに「死」を意識する。
人生には限りがあるという現実を痛感する。
自分もあっという間に同じ状況になるような気がしてくる。


母が一生懸命祖父に話しかけ続けていると、祖父が何かを話し出した。
よく聞いてみると、思い出話だった。


私は高校の時に陸上競技でインターハイに出場した。会場の大分県まで車で1日かけて応援しにきてくれた。その時の楽しかったことがずっと忘れられないらしい。ちなみにこの思い出話はこれまで5回ほどは聞いたことがある。


これには結構驚いた。
これほどまでに衰弱しきって、言葉を発することが辛くても
思い出話をするなんて。。。


結局最後に残るのは思い出なのだろうか。


自分が元気なうちにどれだけ豊かな時間を過ごすことができるか
自分にとってどれだけ大切な思い出を作ることができるか
そんなことが大切なのかもしれない。


ただスマホやSNSをだらだら眺めている場合ではない。
つまらない仕事を我慢して、会社に何時間も拘束されている場合ではない。
なんの思い出にもならない無意味なことに時間を割いている場合ではない。


自然とそう思える。
今まだ動けるうちに、大好きな人との時間、本当にやりたいことをする時間、豊かさを感じられる時間を最大化したい。


そして今を味わい尽くしたい。
なぜなら人生はリアルに短いから。



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