会計ソフトを中核とする統合型経営プラットフォーム「freee」~「freee Advisor Day―秋のプロダクト収穫祭―」レポート~

freee株式会社は2023年11月22日、同社の認定アドバイザーを対象としたイベント「freee Advisor Day―秋のプロダクト収穫祭―」を東京・大崎にある本社19階のイベントスペースで開催しました。

会場には多くの会計事務所関係者が集まり、「freee会計」や「freee請求書」といった各種のプロダクトに触れながら、freeeの「今とこれから」について共に考える時間を過ごしました。

この記事ではメインステージで行われたfreeeの佐々木大輔(代表取締役CEO)のセッションと、同じくfreeeの根木公平(常務執行役員 パートナープロダクトCEO)のセッションの様子をダイジェストでお届けします。

中長期的戦略と会計事務所とのパートナーシップ

「CEO佐々木が語る、freeeの中長期戦略と会計事務所とのパートナーシップ」と題したオープニングセッションには、freeeの代表取締役CEOを務める佐々木大輔が登壇。freeeの成り立ちについて次のように述べました。

「私がIT企業のCFO(最高財務責任者)を務めていた時、経理のメンバーがExcelの様々な機能を駆使しながら、売掛金や買掛金、キャッシュフローを管理し、会計ソフトに仕訳を入力して銀行へ振り込むといった業務を日々行っていました。それらの業務を一つにまとめ上げる仕組みができたら、世の中のビジネスが変わるかもしれない。そう思って立ち上げた会社がfreeeです」

佐々木はまた、「freeeは新しいプロダクトをどんどん世に出し、皆様に知っていただくことが重要な課題です」と述べたうえで、次の想いを来場者に投げかけました。

「会計事務所の皆様へ届けるプロダクトは、皆様のご意見を反映するかたちで次の進化につなげていく必要があります。その意味でも、会計事務所の皆様と歩幅を合わせ、共に進んでいくことが大切だと考えています」

統合型経営プラットフォームという価値を届ける

佐々木は次に、freeeの目指す方向について以下のように述べました。

「私たちfreeeは、統合型の経営プラットフォームを皆様にお届けすることを目標にしています。例えばfreee会計やfreee工数管理、freee販売、freee人事労務などをあわせて使うことで、見積もりや受注、売上など、業務のあらゆる領域をfreeeの中で完結できるようになります。こうした世界観を会計事務所とその顧問先の皆様に知っていただくよう、また体験していただくよう、背中を押すことがfreeeの役目だと思っています」

佐々木はまた、未来に向けた決意として「freeeという統合型経営プラットフォームをどんどん進化させるとともに、ユーザー様からのフィードバック受け、改善していくことに注力していきます」と述べたうえで次のように語りました。

「私たちは2025年6月末までに70万件の事業所にfreeeを使っていただくことを目指しています。それを達成するには、スモールビジネスを支える会計事務所の皆様と、ユーザーにとって本質的な価値を届けるfreeeが、一緒になって進んでいくことが重要なのだと改めて認識しています。

会計事務所と私たちとのパートナーシップを加速させるうえで、freeeとしてまだまだ十分にできていない点もあり、今、全力でそれを乗り越えていこうとしています。端的に言えば、会計事務所とその顧問先の皆様が一緒に使えるソリューションを提供することを目指しているのです。特に会計事務所の業務全体を楽にすることに貢献できるよう、これからも全力で取り組んでいきます」

会計事務所向け開発のこれまでとこれから

イベントのトリを飾った根木公平(常務執行役員 パートナープロダクトCEO)は現在、freeeの会計事務所向けの事業とプロダクトの責任者を務めています。根木のセッションは「今後、freeeのプロダクトが具体的にどうなっていくのか」という部分を中心に、プロダクトの変遷を語る内容となりました。

根木はセッションの冒頭で「私たちが本当に届けたいと思っている価値は、まだまだ一部の会計事務所にしか届いていません。私たちの側にある課題を解決すれば、多くの会計事務所の皆様へfreeeの本来の価値をお届けできると考えています」と述べ、さらに次のように語りました。

「端的に申し上げると、私たちが提唱する『リアルタイム化』という概念を実現するのがfreeeです。freee会計を中核とするプロダクト群は、佐々木が言うように統合型の経営プラットフォームであり、上流の経理から整流化していただくと、間にある資料回収や記帳といった業務を無くすことができます。この点がfreeeのいちばんの強みです」

一方で根木は、「freee独自の画面に慣れることが難しかったり、エンドユーザーが自由に使ってぐちゃぐちゃになってしまったり、といったことにトラウマを抱える会計事務所様がいらっしゃるのも事実です」と指摘したうえで「そのトラウマを持つ会計事務所様とどう向き合っていくのかということが私が背負っているカルマ(業)だと思っています」と述べました。

4つの開発テーマとfreeeの目指す世界観

根木はまた、直近のプロダクトの開発状況として「『自動で経理』のUI(ユーザーインターフェイス)を改善したり、インボイス対応におけるOCR(工学的文字認識)を改良したりして、会計事務所にとってのインフラとなるべく開発を進めてきました」と語りました。

そして本題であるfreeeの未来については、以下に示す4つの開発テーマを掲げて進化を加速させていく、と述べました。

①会計事務所にとってのfreeeの使いづらさを解消する
②資料回収についてはインボイスをデジタル化の良い機会と捉え有効活用する
③会計事務所とその顧問先とのコラボレーションを促進する
④決算申告において会計申告をもっとつなげる(freee申告の対応範囲を広げる)

根木はこの4点についてプロダクトの改善点や開発状況を含めて具体的に説明し、freeeの目指す世界観について次のように語りました。

「理想としては、顧問先は会計事務所とのやり取りはスマホだけで完結し、会計事務所のほうは顧問先とやり取りした内容が会計ソフト上に仕訳と紐づいて残っていく、というかたちを目指しています。これが実現できれば、例えば会計事務所の担当者が辞めた場合でも、証憑の画像と仕訳と顧問先とのやり取りが会計ソフト上に残るので引継書がいらなくなります。つまり業務の属人化を排除することができるのです。

私たちが作っていきたいのは、会計事務所のスタッフの方々が安心して長く働ける環境です。会計事務所の経営者の方からすれば、所員の定着率が上がる環境が作れる、と言い換えることができます。こうしたサステナブルな会計事務所を作ることが、今後ますます重要になると思っています」

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今回のイベントでは、ここで紹介した以外にも、クラウド会計を専門とする税理士の石丸知晃さんによるセッション「freeeを活用したインボイス記帳業務フロー」や、6つのプロダクト(freee会計、freee人事労務、freee販売、freeeサイン、freeeカード、sweeep)の体験会なども行われました。またここでレポートした東京会場だけでなく、11月24日の名古屋会場、11月30日の札幌会場でも熱心な会計事務所関係者が集まり、盛況のうちに幕を閉じました。

freeeは今後も、会計事務所の皆様の役に立つイベントを順次開催していきます。ぜひご期待ください!


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