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「スマトラトラ」が如き、5弦ベース
発売以来、操作性や音に拘るベーシストの方に頗るご好評をいただいております【 Dulake Flat 】。
眩い虎目を纏った5弦モデルの登場です!
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以前にもこのコーナーにて、キルテッドメイプルトップの【 Dulake Flat 】の4弦モデルをお披露目させていただきましたが、今回はまるでトラの体に浮かぶ縦じまの様な杢目と、淡く黄味のあるカラー、 【 Vintage Yellow Natural 】 とのコンビネーションが美しい、5弦モデルをご紹介させていただきます。
この個体に使用いたしましたスタンダードグレード・メイプル材の木地色によるものかも知れませんが、このボディの風合いは、まさに….
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「 黄金色 」みたいではありませんか?
例えば体中に縦縞模様が浮かび上がった、勇猛な「 スマトラトラ 」の体色ような美しい黄金色。
シースルー系カラー、特にナチュラル系のものは杢目の出方はもちろん、木地色などにより様々な「 顔つき 」になります。
我々も塗装工程が完了するまで、その木材がどんな顔つきになるかは知る由もありませんが、このモデルの様にカッコよく仕上がってくれると、本当に嬉しいですね~。
ルックスだけで盛り上がっちゃいそうですが、ご紹介を続けます。
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このベースで出したいサウンド
【 Vintage Yellow Natural 】のボディカラーに、ブラックハードウェアのマッチングが、どことなく「こやつ、できるな!」と思わせる、このモデルの製作におけるサウンドイメージは「 実力派の5弦 」です。
■2フィンガーで、野太いベースラインを鳴らしたい
■ スラップのサムピングでドキッ!とする様なアタックと音圧が、プルではビシッとエッジの効いた高域が欲しい
■ Low-B弦の音程感のキープはもちろん、各弦ツブの揃った音圧と鳴り方をして欲しい
まさに「 何でも欲しがるクレクレタコラ 」状態ですが、これらは多くのベーシストが鳴らしたい音ですよね。
パッシブのベースだとアンプやアウトボードプリアンプのコントロールを。アクティブのベースだと内蔵イコライザーを捏ね繰り回して音作りに勤しむのも良いですが、本質的に上記の様なサウンドは得られ無いこともしばしば。
そこはやはりアクティブベースと言えども、土台の木部等に重きを置いておりますF.C.G.R.。
弊社のオリジナルアクティブサーキットのコンセプトは、「 良質なパッシブサウンドを損なわずに、使用状況に応じて的確にそれをバックアップする 」ことです。
※ F.C.G.R.のアクティブベースにおける考えは、下記をご覧ください。
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「向かうところ、敵なし」
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このモデルを含めF.C.G.R.のベースは、様々な状況下での演奏を想定し、アクティブサーキット内蔵型の物も多いのですが、音作りの基本は全てパッシブです。
それはこのモデルの様に、5弦であろうと、コンパクトボディであろうと変わりません。
そして、その楽器の大切な「 パッシブサウンド 」の方向性や、キャラクターを司るのは、「 木 」。
狙った音を構築する為に重要な要素は、まず「 木材 」と「 木材構成 」なのです。
それではボディトップの、エルボーコンター部分をご覧ください。
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ライトウェイトアッシュ・ボディのトップにメイプルを配し、その間にウェンジをラミネートされているのが、分かりますでしょうか?
この積載構造には、ワケがあるのです。
● ライトアッシュボディ:やや重量のある木材を選択し、豊かな鳴りと立ち上がりの速い高域を持たせ、クリアで音程感のあるベースラインを生み出します
● ウェンジ: しっかりと伸びるサスティーンと、独特の粘りのあるミッドローを生み出します
● メイプル: タイトかつクリアな音の立ち方と、暖かい響きをもつ鳴りを両立させました
倍音成分が多く、鳴りの良いライトアッシュはベースのボディ材として優れた特性を持っていますが、個体によりやや芯の無い「 中抜けが過ぎる 」音になる場合があります。
そこにウェンジが持つ太く粘りのある響きと、メイプルが持つタイトで芯のある要素を併せ持たせることにより….
2フィンガーでは「 ズン、ズン 」、スラップでは「 ドン、ビシッ! 」、ハイポジションでのフレーズは「 キラキラ 」
….と、このベースで出したかった音が出て参りました!
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忘れてはならないのが、Low-B弦はもちろん、各弦の鳴り方や音圧バランスです。
アッシュの代わりに、アルダー材をボディに用いた5弦ベースの中低域に重きを置いたサウンドもカッコいいですが、アッシュの明るい響きがLow-B弦の音程感をより引き立たせ、さらにこの貼り合わせによる自然なコンプレッション感で、どの弦、どのポジションを弾いてもバランスの良く演奏できる、ストレスフリーな5弦モデルとなっております。
ベースの最終的なサウンドを決定づけるのは木材以外にも様々な要素がありますが、木材の種類、貼り方、組み合わせで、その楽器の「 サウンドの表情 」の基礎決まると言っても過言では無いと思います。
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ボディで構築されたサウンドを、さらにコントロール!
このモデルにもF.C.G.R.が誇るネックジョイントシステムであり、 ボディ鳴り自体のトーンコントロールでもある【 ARIMIZO & One Point Joint 】を採用しております。
演奏スタイルにマッチしたサウンドに、誰もがレンチ1本で調節可能なこのシステムは、どんな状況でも臨機応変に音の立ち上がりやボディ鳴りの方向性を変化させ、1本のベースから2本分の表情を引き出してくれます。
さしずめレンチを逆時計(緩める)方向にセットすると….
「 クールな実力派が時折見せる、ちょっと緩んだ素敵な笑顔 」
….みたいに、温かみのあるサウンドが得られますよ。
※ Dulake Flatの機能等の詳細は、下記の記事をご参照ください。
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「 スマトラトラ 」は、水を嫌がる他のネコ科とは違い泳ぎも得意で、木登りにも長けている優れもの。
それだけではなく、虎の中では小さい体躯ながら、身体の大きな獲物にも勇猛果敢に立ち向かうそうです。
しっかりとバンドの地盤を支えながら、必要とあらば刺激的なインタープレイも涼しげな顔でやりこなせる「 実力派5弦ベース 」。
この黄金色の虎、まさに「 実力派 」の名に相応しい逸品です!
営業部:民谷
【SPEC.】
NECK:Maple
GRIP: FCGR U Shape
F.BOARD:Rosewood,24F (400R)
SCALE:34inc (432mm)
FRETS:F.C.G.R. Stainless SP-SF-09WARM
NUT: Real Carbon
JOINT:ARIMIZO & One Point Joint
BODY: ( Top ) Flat Top, Figured Maple 2pc (Standard Grade) with Wenge
( Back ) Light Ash 2pc
FINISH:Poly
PICKUPS:F.C.G.R. Original Dulake HB Set
BRIDGE:GOTOH 404BO5 (18mm Pitch)
CONTROL:2Vol, 1Tone(Push:Active/Pull:Passive), Treble, Bass
*当記事は2017年10月20日の投稿記事を再掲載したものとなります。登場する人物・製品名・仕様・各種名称等は現在とは異なる場合がございます。
*「ステンレスフレット」は現在、「Eternal Fret」に商品名を変更して販売しております。
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