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VOL.3 おもろい木目のDulake Flat②
いよいよ今回は実際のカラーが明らかになりますので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
それでは早速、前回(木地着色、シーラー吹き完了)に引き続き作業を追います。
次の作業は・・・
“ 目止め ”
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導管の塗料吸い込みを止めるための物です。ウッド・フィラーとも言われます。
一般的にアッシュ、マホガニー等、導管の大きい木材に使用します。
今回は黒目止めを使い、導管を引き立て活かします。
画像の様に導管がクッキリとし、男前になりましたね~。
一般的にアッシュは導管を目立たせず、全体で統一感のある白系の目止めを使います。
これはF社がそうしていた流れですが、色の落としどころに合わせ好きな色を使うが良しです。
「ところで今回はどんな色を吹くの?」
そうです、一番大事な色のコンセプトに関する話をしていないですね。
ズバリ・・・
“ 保護色=protective color ”
英語の方が格好良いので
“ protective color ” と命名します。
この材の特徴はやはり細かい斑な木目がびっしり入っていることでした。
※木地着色をして “ 木目 ” は消えてしまいました。それとは別に細かな “ 杢目 ” が浮き出ましたのでソコにフォーカスしました。
初見ではチーターを想像しましたが、保護色ですね。
それと同じく色々な生物が思い浮かびました。
多くはエクアドル、コロンビア、ボリビア、ペルー、ブラジルの5ヶ国を流れるアマゾン川に生息する生物。
綺麗な奴、キモイ奴・・・等々、色々おります。
大きな特徴として “ 斑模様 ” の奴が結構いる。
そこでこのDulake Flatは・・・
“ 綺麗な保護色の生物を総じて抽象的に表現 ”
します。
“ 調色 ”
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今回はこの3色を使いますが、肝は・・・
“ 青を2種類使います ”
左の青:赤味が微妙にある青染料。発色、透明度が高い。
右の青:癖が無いいわゆる青顔料。発色は良いが、透明度が低い。更に通常より細かい粒子の顔料ってとこが肝。
左の青をベースに、右の青で発色の良さを補助します。
ですが、右の青は入れれば入れるほど、透明度が落ちます。
即ち入れすぎるとシースルーでなく潰し気味な色になるので要注意です。
色の構成は
全体に青を吹く
微量の右青を足しリムにグラデーションを掛ける
更に超淡い紫をリムにグラデーション
更に更に、超々淡い右の青をリムにグラデーション
と4層になっています。
4トーン・ブルー・バースト(4TBSB)って感じです。
そんなこんなで吹きあがった物は・・・
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自分で言うのもなんですが・・・
「凄く綺麗です!!!」
そして保護色系生物にありがちなチョイ肝感も有り、アクセントとして良い感じです。
苦労や手間は画像では表現出来ていないのが残念です。。。
実物は見る角度を変えると、幾つかの色が現れ「おもろい杢目が、おもろい色になります」
特に外周、サイドの色の変化はおもろいですね~。
「青系で何か吹いて下さい」の様な注文は多いです。
こう来ると、なんとも面白味が無く、生気の無い色を吹きます。
自分が色を作る際のポイントは
“ 色を決めない ”
です。
気になる物事、連想、想像、妄想 等々、その時のなんやかんやな部分を吹きます。
なので、営業部員に「何色になります?」と訊かれても、自分でもよく分かりません。
事前にセールスを掛けられない困った話です。。。
同じ様な色を吹いても自分にとっては意味があり、全く別物という完全自己中な考えです。
※ お客様ご指定の色はまた別件です。やれることはキッチリやりますのでご安心ください。
以上、ザックリではありますが F.C.G.R.オリジナルの色はこの様に吹いております。
写真では伝わらない、カメラマン&デザイナー泣かせなのがF.C.G.R.オリジナルカラーの特徴です。
どこかで弊社製品をご覧いただく機会がありましたら、是非じっくりと色にも注目していただきたく思います!
よろしくお願い致します。
F.C.G.R. Factory Manager & 塗装 : 船越
*当記事は2017年6月26日の投稿記事を再掲載したものとなります。登場する人物・製品名・各種名称等は現在とは異なる場合がございます。
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