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自然と技術の美しき融合 ( Part.1 )

生き物が大自然の中で生き抜いていく術の一つに、「 保護色 」というものがございます。


周囲と同化したような体の色をもって背景に隠れることで目立たなくなり、外敵から身を守るこの現象。

葉っぱに見えたり、砂と同化してたり、様々なパターンが存在しますが、色合いという観点から見てみると非常に美しい保護色を持った生き物もいます。


今回から2回にわたって「保護色」という芸術を纏った、【 Dulake Flat 】のご紹介させていただきます。

まずは、ご覧ください。

独特な杢目を鮮やかなブルーのバーストに染めあげた、この個性的かつ美しい面構えを。

このモデルをはじめ、 【 Dulake Flat 】 に使われるメイプル材が持つ杢目は基本的に、とびきりの派手さがあると言うより、楽器としてカッコ良く映えるものを選んで製作をいたします。

それが所謂 【 Standard Grade 】 のメイプルトップなのです。

トラ杢がギッシリ出ているとかではなく、杢目の出方、角度等が楽器のフォルムに当て込むとピタッとハマるものを厳選しているのですが、今回ご紹介するモデルのトップ材に関しましては、木材の時点でかなり独特なオーラを発しておりましたので、ちょっと凄いルックスになるとは思いつつも、「 これは、どんなカラーで仕上げたら、カッコよくなるだろうか? 」と悩みました。

正直、既存のカラーバリエーションの中では、この杢目を活かし切るのは難しいんじゃなかろうかと煮詰まっていたところでしたが、そこで登場したのがF.C.G.R.の塗装を一手に担う「 カラーのプロフェッショナル 」、工場長の船越でした。


船越曰く、「 任せてください 」と一言。

この流れでカッコ悪い物が上がって来るはずはありません。

我々はこの一言が出たら後は待つのみですが、船越の「 作品 」に対するストーリーはここから始まります。

* このカラーに関する詳細は以下の記事をご参照ください。

● 関連記事
VOL.2 おもろい木目のDulake Flat
VOL.3 おもろい木目のDulake Flat ②

工場長の「 カラーで語れ! 」

そして完成したこのカラー…

無茶苦茶カッコイイじゃありませんか!

このようなパターンで出来上がったカラーは、既存のカラーバリエーションには存在いたしません。

「 このカラーの名は? 」と問いかけましたところ….

作者曰く「 protective color (保護色)です 」とのこと。


蝶やカエル、蛇やトカゲ等の生き物が、外敵に見つからないように身を隠す為の体色。

背景に身を隠すとは言え、地味な色ばかりではありません。

「 毒持ってますよ~、触ったら痛い目に遭いますよ~ 」と言わんばかりに、毒々しいほど鮮やかな色合いを持つものも、実に多く存在いたします。

さしずめコイツは、毒々しいほど美しいブルーですね。

この杢目を最大限に活かしたカラーリングは、まさに熟練職人ならではの技。

Dulake Flat 】 は、トップ材にメイプルを使用し、センターにはウェンジを挟んで、アルダー、もしくはライトウェイトアッシュの2ピースボディを採用しております。

それは【 Dulake 】と 【 Dulake Libero 】 の中間に位置するモデルとして、 木部の生鳴りの大きさを保ちつつも、音像を散らすことなく一音一音ハッキリと立たせ、ウェンジ特有の粘りのある低音を響かせることにより、心地よいコンプレッション感を持たせた「 全方位的パッシブサウンド 」を得る為のボディ構造なのです。


ここで再度カラーリングに着目してみましょう。

3種類の異なる木材を貼り合わせるということは….

異なる木地が3色あるということです。

Dulake 】シリーズの場合、ウェンジはアクセントを演出するラインの役割もございますので塗り分けされますが、アッシュやアルダーは….

いくらメイプルをカッコよく染め上げたとしても、他の材では同じようにはいかない場合も….と、思いきや。

ここにも匠の技が光っております!

ウェンジのラインを挟みつつも、緻密に構築されたバーストのトップから驚くほど違和感なくバックのアッシュ材まで、鮮やかに一体化したブルーバーストでフィニッシュ。

私は作り手では無いので断言はできませんが、こうした木材と塗装の組み合わせをカッコよく、かつ自然に仕上げるにはもちろん経験や技術力は必須だと思いますが、そのクウォリティを何よりも左右するのは、「 センス 」ではないでしょうか。

音楽のアレンジで例えると、よくある「 Aメロ~Bメロ~サビ 」で流れるとあまりグッとはこないが、Bメロの変形を挟んでサビに向かう「 A~B~A~B’~サビ 」にした途端、曲のクオリティが爆発的にアップした、なんていうのと近いんじゃないかな~。


人の心を掴む「 センスの良さ 」が、F.C.G.R.の塗装職人の最大の武器かも知れません。

….と、このモデルを語るには「 色 」のことに触れなければ始まりませんので長くなってしまいましたが、次回は 【 Dulake Flat 】の魅力について、さらに掘り下げます!

【 Part.2へ、続く 】

営業部:民谷

*当記事は2017年9月22日の投稿記事を再掲載したものとなります。登場する人物・製品名・仕様・各種名称等は現在とは異なる場合がございます。

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