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第四回 理想のピックアップを追い求めて
「ピックアップ、皆さんは興味が有りますか?」
ピックアップとは?
その名のごとく、楽器の弦振動を拾い上げて電気信号として出力する為のもです。
ボーカルで言う 「マイク」 と同じ役目ですね。
エレキギター&ベースの音色をつかさどるセンサーともいえます。
本体からの出音に対し、非常に重要な役目をはたしている訳です。
私がピックアップを巻き始めたのは、今から40年前の中学生の頃
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確か1977年の夏だったような・・・
ロードショウ、忘れもしない新宿地球座で見た「Led Zeppelin狂熱のライブ」。
そして抱き合わせ公開の “ ウッドストック(愛と平和と音楽の三日間) ”。
そんな音楽とカルチャーに感化されていた頃の話です。
グレコのU-2000をバラシて断線、秋葉原へコイルワイヤーを買いに行くとこから。
物理的な所は理解してても、「音」という事に対しては全く知識も統計も無く、ただ音が出て喜んでいました。
当時は結局ディマジオのP.A.F.を買う事になるのですが。
それから月日が経ちギターいじりを仕事として始めるようになってから、手作り巻線機で様々なピックアップを製作してきました。
ピックアップが持つその役目と、実際に出力されるそのトーン(音質)。
「知れば知るほど奥の深さに溜息が出てくる代物です」
そしてようやくF.C.G.R.のオリジナルを発売し始めた訳ですが、結局商品として世に出すには結構な時間を要してしまいました。
何故そうなったかは、 Florance Pickups(VooDoo) を製造販売しているピーターフローレンス氏のとの出会い、彼の作っているピックアップとの出会いが大きな理由にもなっています。
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25年前位の当時の私は “ Kid’sギター ” という所で、修理とセットアップをメインで動いていました。
そんな中・・・・
「今まで使っていたメーカーから、ピーター氏のピックアップへ変えた時のショックは今でも忘れません!」
それは何かというと今まで聴覚上で気にならなかった、同一素材で同じ人間がセットアップする
同じ楽器の微妙な素材の重さや密度の違い
セットアップ時のトルク調整などその微妙な差異
が音として認知できてしまった事でした。
要するに、めちゃめちゃリアルに弦振動を拾い上げるピックアップだった訳です。
ピックアップにおける音の方向性を大きく分けると、2種類あります。
そのピックアップを付けると、ある程度どんな楽器でもその音になってしまうもの
そのピックアップを付けても、画一的なその音には成らず、取り付ける個体差で音も変わってきてしまうもの
どちらが良いという話ではありません。どちらも必要な物です。
私はどちらも好きですが、どちらかと言うと後者の方が好きです。ピーター氏のピックアップは後者であり、リアル&ダイレクトなサウンドが出せる 方向性です。
では、リアル&ダイレクトなサウンドが出せるピックアップが持つ、良さの本質は何処にあるのでしょうか?
“ アーティストである、ミュージシャンが奏でる音楽と音 ”。
「その音の表現できる幅が、絶対的に広い 」
という事にあると思います。
個性が出やすい
自己表現がし易い
つまり・・・
「アーティストの感性がリアルに音に伝わりやすい」
という事です。
しかし、欠点としては、ノイズを含みやすく、プレイの荒も出やすくなります。
ですので、ピックアップとはプレイスタイルや音楽その物の方向性などで使い分けるべき物でもあります。
レコーディング時に、多様な理由から録音用のマイクロフォンを変えるのと同じ理由ですね。
そして、Freedom Custom Guitar Researchのギター&ベースに搭載されているF.C.G.R.オリジナルピックアップ。
リアル&ダイレクトな方向性。どんな個体に乗せても、この音が出る!と言ったような物ではありません。
それともう一つこの方向性にしている理由は、私達Freedom Custom Guitar Researchが非常にこだわっている
「楽器としての本体の生鳴りを最大限に活かせる事」
“ 人の感性に追従し、アーティストとしての自由な表現を音として具現化するような楽器に仕上げる事 ”
F.C.G.R.がピックアップにおいて考えるのは
アーティストが音の個性を打ち出す為に・・・
音の芯の出方
レゾナンスドピークの位置や幅
アタック時のレンジ感
表現の自由を手に入れるための・・・
繊細さやスピード感
レンジの広さ
音抜けの良さ
その為に、古き良き時代のエレキギター&ベースのサウンドを研究しています。
現代に昇華させるべく限界のサウンドバランスと新しい試みを併せ持ったピックアップとなり、F.C.G.R.の製品に搭載しています。
又、リプレイスメントピックアップとしても取り扱いしております。
ピックアップを変えると音が変わる事は言うまでも有りませんが、もっと凄い事は・・・
“音を通しての自己の表現の幅が変わる事”
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「ピックアップ交換は楽しい!」
音の構成要素は様々ですが、今付いているピックアップと一味違う、又は大幅に違うピックアップに交換する事が
永遠なるサウンドクエストの最初のカギとなるはずです。
“ 自分らしさを、音として表現する為に ”
汎用性を高める為に、敢えてオーソドックスなルックスや形状にこだわり、膨大な数の試作品のサウンドチェックから生まれた、F.C.G.R.のオリジナルピックアップ達が、貴方を待ってますよ~~~!
己を開放せよ。
深野 真
*当記事は2017年6月5日の投稿記事を再掲載したものとなります。登場する人物・製品名・各種名称等は現在とは異なる場合がございます。
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