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ファクトリーツアー#4 “木工編③”

前回からのネック製作に続き、今回は・・・

『 木工編③(ネック製作:ポジションマーク入れ~塗装前まで)』

の工程をご紹介いたします。

※ 前回記事
『 木工編②(ネック製作:受注~グリップ刃物仕上げまで)』


【 ポジションマーク入れ 】

見た目にも重要なポイントとなるポジションマークを入れてゆきます。

● 丸型(ドット)はボール盤で穴あけ
● F.C.G.R.オリジナルの楕円型はルーターで穴あけ
● ポジションマークを接着

また、F.C.G.R.では多様なお客様からのご要望にお応えできるように、豊富な種類のポジションマークをご用意しております!

見た目にも大きく影響してくる部分だけに、こだわりたいところですね。

中にはこんな変わり種も!
暗闇で光る!蓄光素材の「 Luminlay 」

Luminlay 」は、F.C.G.R.のオリジナルギター&ベースに標準採用しております。

ライブやスタジオなど、暗い場所でも抜群の視認性でポジションを見失いません。


【 指板修正 】

続いて、フレットを打つ前に指板面をストレートな状態にし、Rを付けます。

ネックとフレットトップのコンディションにも影響してくる部分ですので、非常に高い精度が要求されます。

※将来的にフレットを打ち替える際にも指板修正を行うため、あまり削り過ぎないようにします。

作業は三段階で徐々に精度の高い指板面にしてゆきます。

①エコノミーサンダーで粗取り
②自社製指板サンダーで中取り
③フレット溝用ノコギリでフレット溝の深さチェックと微調整
④最後は手作業、すり板(長、短)サンドペーパー#150~#240で最終のストレートを出す

【 フレット打ち 】

正確なフレッティングは「音・機能」に対して直接的に関わってきます。

F.C.G.R.のフレット打ちで大事にしている点は

  • 隙間をなるべく出さない=弦振動をしっかり伝える 

  • 均等に打ち込む=理想は「擦り合わせ不要」な状態

  • 先々なるべく浮きが出ない

★拘りポイント其の一:接着剤の使用

演奏中は絶えず弦振動を受けている部分ですので、先々でフレット浮きが生じてくることを抑えるために補助としてフレット溝に接着剤を塗布して打ち込んでいます。

★拘りポイント其の二:F.C.G.R.オリジナルモデルに標準採用!“ 足切りフレット ”

フレットのタング部分(フレットの脚)の両サイドを一部カットして、乾燥する冬場などになるべく

  • バリ* が出ないように

  • 違和感が無いように

処理しています。

※ *バリ : 乾燥によるネック木部の収縮で、フレット部分がはみ出してくること

前述の高い精度でストレートを出した指板面に対し正確かつ均等にフレットを打ち込み、なるべくその後の工程ですり合わせを多く行わなくて済む(フレットトップを多く削らなくて済む)状態にしておけば、後々フレットを打ちかえるまでの寿命が長くなります。

長年使用してゆくにあたっては、リペア・メンテナンスにおける「コスト面」も気になるところかとは思いますので、貴方の素敵なミュージック・ライフにおける出費も抑えることができることと存じます。

● 関連記事
密着!F.C.G.R.: フレット打ち “ 永年精度を保つために ”
リペアの現場から: ステンレスフレットのススメ


【 ネック磨き 】

木工におけるネック作成の最終工程です。

ボディもそうですが、ネックも [ 平面・曲面・直線・曲線 ] の融合。

木地段階での美しさは、塗装の美しさに大きく影響します。

F.C.G.R.製品のネックには、音を意識し薄皮一枚ほどの「超極薄塗装」を施している物が多くあります。

この超極薄塗装を実現するためには、高い塗装技術は勿論、土台となる木地も非常に高い精度で磨き上げられている必要があります。

そして、ここでも「狂い・耐久性」への配慮はなされています。

狂いの少ないネックを目指したグリップ磨きとは?

  • なるべくデコボコが無い

  • 綺麗なRと直線を施す

これらは逆の状態だと(凸凹がある、Rと直線が綺麗に出ていない)捻じれなどの狂いの原因となる場合があります。

ネックの木地磨きで使用する機械も様々。

●ミニベルトサンダー
グリップ付け根部の曲面の磨きです
●ベルトサンダー①
グリップの磨き
刃物加工後の磨き作業です
●ベルトサンダー②
ヘッドトップ・バック
平面の磨きです
●スピンドルサンダー
ヘッド周りの磨きです
●オービタルサンダー
ベルトサンダー後、更に最終仕上げに近づけた磨きです
●フリーサンダー
グリップ面、ネック首周り、ジョイント周り の繋がりを整えます

機械で可能な限り綺麗にしてゆきますが、ペーパー傷の目合せ、木口の美しさ(透明感)、微妙な凸凹等々、限界があります。

やはり最後は手作業で、じっくり仕上げます。

F.C.G.R.におけるネックの木地磨き。

それは前述の “ 指板修正 ” 同様、「高い精度を追う工程です。」

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密着!F.C.G.R. :ネック磨き “ 狂い、耐久性への配慮 ”をしています!
密着!F.C.G.R. :ネック塗装 “極薄ラッカー仕上げの秘密!?”


弊社のギター、ベースを手にしていただく機会がございましたら、ぜひネックグリップの仕上がり、精度にも着目してみてください。

お客さまに安心してご愛用いただくため、想定される不安要素は全て払拭することがF.C.G.R.のこだわりの礎となっています。

営業部:小野

*当記事は2018年1月23日の投稿記事を再掲載したものとなります。登場する人物・製品名・各種名称等は現在とは異なる場合がございます。

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